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ここから始まる桃太郎の物語

作者: 十野

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさん、そして桃から生まれた桃太郎が住んでいました。おじいさんと桃太郎は山へ修行と芝刈りにいき、おばあさんは川へ洗濯に行きました。


「なあ、おじいさん。毎日修行で疲れたって。今日は芝刈りだけにしようぜ!」

「何ゆうとる、桃太郎。男児たるもの強くあらねばならん。そして強さとは日々の修行の積み重ねによって得られるものじゃ。故に1日たりとも欠かしてはならんのじゃ。」


こんな風に毎日3人は平和に暮らしていました。




 そんなある日のこと、近くの村で鬼に襲われてしまうという事件が起きました。それを聞いたおじいさんとおばあさんは、桃太郎に鬼退治に行くように言いました。


「桃太郎や。近くの村で鬼が出てきたそうじゃ。何度も来られては村の人たちが困ってしまうからの。鬼退治に言ってはくれまいか。代わりと言ってはなんじゃが、わし特製のきびだんごを持たせよう。」

「え~、俺が鬼退治に行くの?」

「これも修行だと思って行ってくるのじゃ、桃太郎。わしからはこの立派な刀をやろう。」

「は~、わかったよ。それじゃあ行ってくるよ、鬼退治。」


こうして、桃太郎は鬼退治に行くことにしました。




 桃太郎がおばあさんにもらったきびだんごを食べながら歩いていると、鬼を2人見つけることができました。


「あんたらが村を襲った鬼か?」

「なんだてめえ、俺らになんかようか?」

「いや~、おじいさんとおばあさんに村を襲った鬼を退治して来いって言われてさ。で、どうなんだ。」

「カカカカカカ、お前が鬼退治だと?面白い冗談だ。お前に俺たちが倒せると思ってんのか?」

「カカカカカカって、変な笑い方だな。倒せると思ってるのかだって?やってみなきゃわかんねえだろ?」

「キキキキキキ、いいだろう。なら俺らが相手になってやるよ。」


(さて、鬼との初戦闘か。それに相手は2人。毎日おじいさんと修行していたとはいえ引き締めて全力でやるとするか。)


こうして、桃太郎は刀を抜き正眼に構え鬼との初戦闘を試みました。そんな気を引き締めた桃太郎の考えに反して桃太郎はたった一太刀で鬼を退治してしまいました。


「あれ?なんだこいつら。めっちゃ弱いな。この調子なら日頃の修行のほうが大変だったな。」



これは、桃太郎が圧倒的な強さで鬼ヶ島にいる鬼たちを退治するというお話。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ところでおばあさんや。果たして大丈夫であろうか?」

「大丈夫であろうて。若いもんには経験が必要じゃ。」

「そうじゃが、少し桃太郎を強くしすぎたかもしれんと思うての。」

「ケケケケケケ、それにわしらの領分に手を出したんじゃ。少しお灸をすえてやらねばの。」

「おばあさんや。笑い方が出ておるぞ。」

「おっと、気を付けねばな。」

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