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結婚経験ナシのおっさんが、いきなり聖女と令嬢と獣耳娘の保護者になったら  作者: 大橋 仰
⑥心優しいキタノ国の冒険者たち 編

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何回パンツって言えば気が済むの?

 俺とホニーが、天界からのカミナリを身に受けてからしばらくして。

 ホニーの体力が回復したようだ。


「今からナカノ国の王宮に行って、アタシの下着を取り返すわヨ!」

 ホニーがいつにも増して、力の入った雄叫びをあげている。


「おい待て、一旦、北の国の3人と鍛治師6人を他の場所に移動させるのが先だ」

 俺がそう言うと、


「別に、みんなでナカノ国の王宮まで行けばいいじゃない!!!」

と、今すぐにでも国王のところに乗り込みそうな勢いでホニーが応える。


「キタノ国の3人のも一緒に行くって言うのか? 隣国の王女と王子が勝手にこの国の王宮に乗り込んでみろ、キタノ国とナカノ国で戦争になるぞ」


 はちゃめちゃ王女シーナも、俺の言葉を聞いてホッとしているようだ。

 流石に、自分たちのせいで、戦争になんてなったらマズイと思っていたようだ。


「じゃあ、悪いけど、ここから歩いて帰ってもらいましょう」

 ホニーがまたなんか、勝手なこと言ってるし。


「キタノ国の王女様と王子様に、歩いて帰れって言うのか? 国境にたどり着く前にナカノ国の領内で何かあってみろ、やっぱり戦争になるぞ?」


「いえ、僕たちは歩いて帰っても、全く問題ありま——」


 シオス王子の言葉をさえぎり、またホニーが叫ぶ。


「ナニヨ! 戦争戦争って! アンタ、そんなに戦争が怖いの!?」

「当たり前だ!!! お前は戦争がどんなもんか知らネエだろうが!!!」


「アンタだって…… あ、そうか…… アンタは前回のターンってヤツで……」

「あれ? お前、なんでそのことを……」


「その…… アイシューとかコテラさんから、いろいろ聞いたのよ…… 悪かったわ、ワガママ言って」

「いや、そんなしおらしい態度をとられると、俺もどうしたらいいか……」


「チョット! なによ、情けないわネ! じゃあ、キタノ国の3人と鍛治師の6人をそれぞれ送り届けたら、直ぐ下着を取り返しに行くわヨ!」

 ホニーが折れてくれたようだ。ホニーも少しずつ、相手の気持ちを考える心が育ってきてるのかな? なら嬉しいんだけどな。


「よし! じゃあ、これからキタノ国の国境付近とヒトスジー領に行くとして…… 明後日だ! 決戦は明後日だ!」


「いいワ! それで決まりだからネ!!!」


 俺はミミー、アイシューの顔を見る。

 二人は無言で頷いた。


「よし、じゃあ決まりだ! さあ、そうと決まれば、また超級魔法ショーの始まりだ。ついでに今回は、ヒトスジー領でご好評をいただいた、ドラゴンっぽい混合魔法も披露してやろう」



 ♢♢♢♢♢♢



 俺の超級魔法ショーを見て唖然としているナカノ国の兵士たち。

 俺は兵士たちに向かって、大声で叫んだ!


「俺は日本から来た転生者キシ・カイセイ、人間族最強魔導士だ! 明後日、王宮にホニーのパンツを取り戻しに行く。国王に伝えておけ、ちゃんとパンツを用意して待っておけとな!」

 見よ、高校入学時、演劇部に1回だけ見学に行ったことのある俺の渾身の演技を!


「ついでに、パンツ泥棒だけじゃなく、今後一切変態行為をしないと約束するまで、キッチリお仕置きしてやるからな! だいたいパンツ泥棒なんてなに考えてんだ。そんなにパンツが大事なのか! いいか、パンツってのはな、身につけるものであって——」


「チ、チョット!!! アンタいったい、何回パンツって叫んだら気が済むのヨ!!!」

 頬を赤く染めたホニーが叫んだ。


「と、とにかく、絶対に逃げるんじゃネエぞ!!!」


 こうして、元ナンバーズ諸国の鍛治師たちを救出するという、俺たちのミッションはやっと完了した。

 まあ、後半は、まったく関係ないことで揉めてたんだけど……


 じゃあ次は、ホニーのパンツ奪還作戦に全力を尽くすことにしようか。


 待ってろよ、パンツ国王!

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