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結婚経験ナシのおっさんが、いきなり聖女と令嬢と獣耳娘の保護者になったら  作者: 大橋 仰
⑥心優しいキタノ国の冒険者たち 編

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お前の両親は何者だ?

 俺たちは今、ナカノ国に向けて、俺の風魔法で作り出した気流を使って大空を飛行中。

 パーティメンバーのミミー、アイシュー、ホニーはもちろんのこと、キタノ国の3人と、ただ今絶賛改心中の元悪魔教徒オボエテ=ロヨ・コノヤロウも一緒だ。



 元悪魔教徒コノヤロウは、アイシューが言った『お困りのようですね、コノヤロウさん。もしよろしければ相談に乗りますよ?』という腹黒い…… いや、心温まる言葉に対し、まんまと騙され…… いや、素直に協力を依頼した。


 それから、アイシューが『あなたはみんなから、なんて呼ばれているのですか?』とフレンドリーに尋ねる演出…… いや、心配りをしたところ、『名前のオボエテからとって、オーボエと呼ばれています』と答えたので、俺たちはコイツのことを日本で聞いたことのある楽器風の名前で呼ぶことにした。

 ちなみに趣味は楽器の演奏なんだと。

 自動翻訳機能さんお見事です。



 ナカノ国に向かう大空の上で、俺はオーボエから悪魔教徒についての情報をいろいろと聞き出した。


 まず悪魔教徒とは、別に特定の悪魔を崇拝しているわけではないそうだ。

 女神様を信仰する女神教? を棄教した無宗教集団のことを指すらしい。


 その無宗教集団を周りの人間が、『女神様を崇拝しないなんて、悪魔のようなフテエ野郎どもだ』と考えたことから、悪魔教徒という当事者たちにとっては不名誉な名称が定着したそうだ。


 歴代女神様は、人が死ぬと輪廻の輪の中に戻ると人々に教えていたため、死者の復活を目論む人々は女神様への信仰を放棄するしかなかったのだと、オーボエは述べていた。


 だから『自分はもともと女神テラ様が大好きだった』と、懸命にアピールしていた。

 わかったよ。今度女神様にあったら、ちゃんと伝えといてやるから。


 それから、悪魔教徒と呼ばれる集団は複数あるそうだが、相互に連絡を取り合っているわけではないとのこと。


 ただ、数年前に他の悪魔教集団に所属しているという、黒いフードで顔を隠した男がオーボエたちの元を訪れ、レベルやマナ等の知識とマナを吸い取る魔道具の設計図をもたらしたそうだ。


「今考えると、その黒いフードの男に我々は利用されていたのだと思います。完成した魔道具も数個その男に渡してしまいました……」

 オーボエは後悔の表情を浮かべながら、言葉を絞り出した。


 なるほど。じゃあ、その黒いフードの男ってヤツは、今後要注意だな。

 マナを吸い取る魔道具も持っていることだし。



 ♢♢♢♢♢♢



 それからしばらくの間、俺はミミーたちと話をしながら、ナカノ国目指して大空の旅を続けているのだが……


 今、俺たちはオーボエの仲間たち、そう、ナカノ国で家畜泥棒を目論んだあげく、ナカノ国の兵士たちに捕縛されそうになっている元ナンバーズ諸国の鍛治師であり、今では悪魔教徒に身を落とした連中の救援に向かっている。


 でも、本当にこんなヤツらを助ける必要があるのかと、疑問に思わないわけでもない。

 そりゃあ、確かに俺には元鍛治師たちに聖剣を作ってもらうという目的がある。

 連中がナカノ国に連行されると困るし、更に言えば殺されるなんて事態は絶対に避けねばならない。

 でもコイツらって、ナカノ国の放牧場からウシやブタを盗もうとしているヤツらだろ? 正直言って、あんまり気が進まないんだよな。


 それに心優しいキタノ国のシーナ王女とシオス王子も一緒なんだ。


 俺たちがナカノ国に行くと言うと、シーナとシオスは、

「悪者まで助けるなんて、素晴らし過ぎます! 私も一緒に連れて行って下さい!」

「悪魔教徒を助けるとは、きっと何か事情があるのでしょう! 是非、事の顛末をこの目で見届けさせて下さい! 王族として生きる上での指標にさせていただきたいのです!」

 なんて、目を輝かせて言うんだよ。

 それで結局、ついてきちゃったし……


 二人とも、そんな純粋な目で見ないでくれよ。俺はただ見返りが欲しいだけなんだ……

 ああ、もうダメだ、もう耐えられない。こんな心優しい二人を騙すようなこと、俺にはとても出来ない!


 そんな俺の苦悶の表情を見たホニーが、空中で俺に近づいてきた。そして——


「わかるワ、カイセイの気持ち。きっと今、カイセイの心の中で、お父さんとお母さんが怒りを爆発させてるのネ」


「は? おいホニー。お前、何言ってんだ?」

「フフっ、アタシ、知ってるんだからネ。こういうのを『両親の癇癪かんしゃく』って言うんでしょ?」


「…………それを言うなら『良心の呵責かしゃく』だ……」

「え? お父さんとお母さんが何かを噛むの?」

「……それは両親の咀嚼そしゃくだ」


「え? お父さんとお母さんが植民地支配を目論もくろむの?」

「それは…… 両親の租借そしゃく…… かな? エラく壮大な野望を持つ夫婦だな」


「え? お父さんとお母さんが——」

「ホニー、もう黙れ」

 俺がそう言うと、ホニーはふくれっ面でアイシューやミミーがいる方角に飛び去って行った。


 平常運転のホニーは放っておいて。

 よし、腹を決めた! シーナとシオスに本当のことを話そう。

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