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結婚経験ナシのおっさんが、いきなり聖女と令嬢と獣耳娘の保護者になったら  作者: 大橋 仰
⑤女神テラ様降臨 編

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女神の使徒コテラ 後編

 俺は改めて娘さんたち3人の様子を見たところ——


 アイシューは状況が飲み込めず、相変わらずポカーンとしている。

 ホニーはヒョットコっぽいお面が笑いのツボに入ったようで、必死に笑いをこらえている。

 ミミーはまったく興味がないようで、半分眠っている。


「ハァ…… わかりましたよ。あなたは女神テラ様じゃなくて、変なお面を被った女神様の使徒コテラ様です、これでいいですか?」


「あっ! あなた、今、変なお面って言いましたね! いいですか、このお面は——」

「お面の説明はいいよ! 話が進まないだろ! ほら、ミミーが退屈して今にもお昼寝しそうじゃないか。早くここに来た目的を話せよ、このポンコツ!」


「ああっ! あなた、またポンコツって言ったわね! ポンコツって言う人がポンコツなんだからね、このポンコツ!」


「……女神様は今俺のことポンコツって言ったから、これで女神様はポンコツ確定ですからね」

「ああっ! めたわね、この策士!」


「……このやり取り、確か以前にもありましたよね? 学習しましょうよ、女神様……」


「ぐぬぬぬ…… はっ! そうです、私はテラ様の使徒コテラですので、そのようなことは存じません。そのような話は初耳です。ええ、初耳ですとも」


 なんだよ。一瞬、その設定忘れてたくせに…… このポンコツめ。


 いつもなら、こんな風に話が前に進まない時にはアイシューがツッコんでくれるのだが…… 流石のアイシューも、女神様と思しき人物にはツッコめないようだ。


 仕方ない、今日は俺がしっかりしないといけないようだ。よし、ここは冷静に行こう。


「話をもとに戻しましょうか。えっとコテラ様でしたっけ? コテラ様は俺に何か言いたいことがあってここに来られたのではないのですか?」


「その前に、私のお面をバカにしたことを謝るべきじゃないかしら? さあ、ちゃんと言葉にして謝って下さい。『おめんなさい』って。なんちゃって、てへ」


 …………無詠唱で超級魔法陣を3つ発動。


「カ、カイセイさん! 何やってるんですか!」

「止めてくれるなアイシュー! どうせこの人には何をやっても効かないんだ。ならせめて、超級魔法をぶっ放して、俺の心をスッキリさせたいんだ!」


「そんなことしたら、周りのお店が消し飛んじゃうでしょ!」


 そんな俺を見たコテラことテラ様がひとこと。

「……まったく。あなたはすぐに怒るんだから」

「喜怒哀楽の塊みたいなアンタにだけは言われたくネエよ!!!」


 ♢♢♢♢♢♢


 さて、バカなやり取りが展開されること更に数十分。やっと話が本題に入るようだ。

「女神テラ様は、ホコーラの街であなた方をお待ちです。私はテラ様より、皆様をホコーラの街までご案内するお役目を仰せつかりました」


「そういうことならメール…… じゃなくて俺のステータス画面にメッセージを書き込んでくれればいいのに」


「……あなたはナンダカンダと理由を付けて、ホコーラの街に来ないじゃないですか…… ちなみに、この後のご予定は?」


「まあ…… せっかくアイシューとホニーのレベルが60を超えたんで、二人に上級魔法の練習でもさせようかと……」


 先日俺は、この街にあるダンジョンのボスを倒した。その際、パーティーメンバーにも経験値がシェアされたため、アイシューとホニーのレベルは一気に63まで上昇したのだ。


「ほら、ご覧なさい。あなたは女神様に会いに行くつもりなんてないじゃありませんか」


「女神様に来いと言われれば、もちろんすぐにでもホコーラの街に行きますよ」


「…………そういう台詞が聞きたいのではありません。女神様にお会いする者は、自ら進んで自主的にかつ積極的に大胆に、それはもう『女神様に是非お会いしたい!』という気持ちを持つものなのです」


 そういうことか…… 女神様からお願いして来てもらったのでは、女神様の沽券こけんにかかわるのかな。でも……


「女神様はコテラ様を迎えの使者として遣わされたんでしょ? それならやっぱり、女神様が俺たちに『ホコーラの街まで来い』と言ってるのと同じでは?」


「あっ……」

 また『あっ……』って言ったな……


「こ、これはその…… そ、そうです、ここに来たのは私、女神様の使徒コテラの意志です! 女神様は一言も皆さんに来て欲しいなんて言ってないんだからね!」


「……わかりましたよ。別に俺も女神様に会いたくないわけじゃないんだから。よく考えれば、俺がまた生き返らせてもらった…… コホン、いろいろと助けていただいたお礼もまだ言ってなかったですからね。すぐにでもうかがうべきでした。申し訳ありません」


 よくよく考えると、俺って礼儀知らずなのかも知れないな。2度も生き返らせてもらったのに、お礼の一つも言ってないんだから。ちょっと反省だな。


「…………どうしたんですか? 何かいつもと様子が違いますが…… ひょっとして! カミナリに打たれて頭がおかしくなったんですか!?」


「あああっっっ! そうだ、思い出したぞ! テメー、よくも俺にカミナリなんか落としやがったな! あれ、スッゲー痛かったんだぞ!」


「わ、私は女神様の使徒コテラですから…… あっ、ほらっ、着ている服だって違うから——」


「このポンコツ! その服の話はとっくに——」


「もう、カイセイさん! また服の話に戻ったら、永遠に話が終わらないわよ!」


 アイシューの一言により冷静さを取り戻した俺は、とにかく話を進めることに全力を注ぐことにした。


「じゃあ、今すぐホコーラの街に向かいましょう。お前らもそれでいいよな?」

 俺は娘さん3人の顔を見る。


 アイシューは力強く頷く。

 ミミーは眠りまなこで頷く。

 ホニーは…… 半笑いの表情で頷く。なんだよホニーのヤツ。よっぽどヒョットコっぽいお面が笑いのツボに入ってるようだけど、いつまで笑ってんだか。


「じゃあ、これから宿屋に戻って荷物を取ってきますので、ちょっとだけ待っててもらっていいですか?」

 俺がそう言うと、コテラことポンコツ女神様が、『チッチッチ』と人差し指を左右に揺らした。……イラッとしたが、ここは我慢だ。


「ご懸念無用です。皆さんの荷物は、すでにホコーラの街にある『祈祷きとう所』に送っておきましたから」


「え! ひょっとして、それって瞬間移動ってヤツですか!?」

「いいえ、宅配便を使いました。3日後には着くそうです」


「……そうですか」


「それから、宿代も私が立て替えておきましたので。すぐに出発出来ますよ」

「えっと…… 宿代は使徒様が代わりに払ってくれたのではないのですか?」


「何言ってるんだか。ダンジョンで大儲けしたくせに。あっ、それから宅配便代も立て替えただけですからね?」

「アンタが勝手に宅配便を利用したんじゃねえか…… ああもう、わかりましたよ、ちゃんと払いますから。でも、今は持ち合わせが少ないんですよ。まとまった金は宿屋に置いていた荷物の中に入れてたんで」


「じゃあ特別に、しばらく返済は待ってあげることにしましょう。利子は1日につき10パーセントですからね」


 アンタ、どこの悪徳金融屋だよ。金融庁に訴えてやるからな。

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