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結婚経験ナシのおっさんが、いきなり聖女と令嬢と獣耳娘の保護者になったら  作者: 大橋 仰
④はじめてのダンジョン 編

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ダンジョンボス

 俺たちはこのダンジョンの最下層である50階層にやって来た。ダンジョンボスであるトカゲモドキーから十分距離を取った場所で様子を見ている。距離が離れているのでハッキリと姿が見えないのだが、ヤツがダンジョンボスであることに間違いない。向こうはまだこちらに気づいていないようだ。


 ユニークスキルを使ってトカゲモドキーを調べてみると、なんと、レベルが85もあるではないか。


 今の俺のレベルは99だけど、いまいち実感がないんだよね。前回のターンでの俺のレベルは86が最高だった。だからはっきり言って、この『トカゲモドキー』さん、俺からするとメチャクチャ恐ろしく見えるんだけど。


「ちょっとカイセイ! ひょっとしてアンタ、ビビってんの?」

「バカ、黙れ。いいかホニー、アイツのレベルは85だ。もしお前が一人の時、アイツと出くわしたら一目散に逃げるんだぞ」


「でも、カイセイさんのレベルは99なんでしょ? カイセイさんなら倒せるんじゃないの?」

 アイシューめ、余計なこと言いやがって…… ほれ見ろ、ミミーがキラキラした目で俺を見つめてるじゃないか。


「ま、まあ俺一人ならなんとかなると思う…… かな。でもほら、お前らが一緒だから、ここは安全に配慮して——」


「オレっちたちなら、ここでおとなしくしてるから、オニーサンは思う存分戦っていいゾ!」

 あのなぁ…… レベル85って言ったら、魔王の次に強い『魔人族四天王』クラスなんだぞ。そんなの俺に倒せるのか? 女神様は『容易に倒せる』って言ってたけど、なんせあの女神様の言うことだし……


 なんだよ、ミミーだけじゃなく、ホニーとアイシューの目まで輝いてきたじゃないか…… しまった…… 見栄なんてはるんじゃなかった。

 ああもう、仕方ない!


「わかったよ! じゃあ、ここから超級魔法を使った遠距離攻撃を試してみよう。でもいいか? 俺はトカゲモドキーと戦ったことがないんだ。だからアイツが反撃してきたらすぐに逃げるからな。俺が撤退って言ったら、すぐ俺につかまるんだぞ」


 俺は火、水、風の超級魔法陣を各々一つずつ発現させ、トカゲモドキーの頭上へと移動させた。

 そして——

 トカゲモドキーに向かって超級魔法を連打した!

 轟音が鳴り響き、目を覆うほどの光が溢れた!


 うわっ、スゲー。自分でやったこととはいえ、超級魔法の3連発って恐ろしい威力だな。トカゲモドキーのHPが、残り3分の1程度に激減してるじゃないか。俺のMPは、まだ8割程残っている。これ、いけるんじゃないか?


 何が起こっているのかわからない様子のトカゲモドキーは、慌てた様子で周囲をうかがうのみ。こちらに攻撃を仕掛ける様子はない。これはチャンスだ。

 俺はもう一度、超級魔法の3連発をトカゲモドキーにぶちかます!


 再び轟音と閃光が周囲の世界を支配した。

 トカゲモドキーは完全に沈黙した。HPはゼロになっている。


「オニーサン、やったのカ!?」

 興奮した様子でミミーが尋ねる。


「たぶんやったと思うんだけど…… 俺、ちょっと確認してくるよ。念のため、お前らはここで待機な」


 トカゲモドキーに近づいて見たところ…… 確かに仕留めたようだ。自分のステータス画面を確認したところ、少しではあるが経験値が加算されている。


 俺は動かなくなったトカゲモドキーを眺める。コイツ、見た目は確かにトカゲっぽい。でも……


「なんでトカゲのくせに、翼が生えてるんだ?」

 俺は思わず独り言をつぶやく。


 俺はこの世界に来て、トカゲモドキーを見るのは今日が初めてだ。でも、俺はコイツのことをよく知っている。日本にいた頃、マンガやアニメでよく見た記憶がある。


「コイツ、ドラゴンじゃねえのか?」

 あれ? でも、この世界にはドラゴンなんて生息していないのでは?

 少なくとも、俺はそう聞いてたんだけど……


「俺、強すぎるんじゃないのか?」

 こんな最強生物みたいなヤツを、1分もかけずに倒しちまったんだぞ。俺、本当にヤバい存在になってしまったのでは……



 まあいいや。名前の由来は『トカゲもどき』ってことなんだろうから、コイツもトカゲの仲間だと言うことにしておこう。ホニーにドラゴンを見たなんて言ったら、また面倒なことになりそうだからな。


 気を取り直して周囲の様子を確認したところ、コイツのものだと思われる巣を発見した。その中には沢山の魔石があったのだが、残念ながら黒魔石はないようだ。

 ただ、そこには人間の赤ん坊ぐらいの大きさの、異様に輝いている魔石が含まれていた。これは珍しい。では、このデッカい魔石も含めて、巣の中の魔石を回収しようかと思っていたところ——


 ん? なんだか地面が揺れているような気がする。

 改めて『広域索敵』で周囲の階層をを眺めて見ると……


 あれ? 魔獣達が一斉に動き出してるぞ?

 大部分の魔獣は上層を目指しているようだ。


 あ? これ、やっぱり日本のマンガやアニメで見たことがあるぞ。これってスタンピードとか集団暴走とかいうヤツじゃないの?


 え? この世界でもこんなこと起こるのか? 俺、聞いたことないんだけど……


 まずい! 理由はよくわからないが、このままではダンジョンから魔獣が溢れ出してしまうじゃないか! それに、これだけ一斉に魔獣が動いたら、下手をするとダンジョンが壊れてしまう可能性もあるぞ。


 俺は風魔法を使い、一気に娘さんたちの元へ向かう。


「おい、退却だ! 早く俺につかまれ!」

「チョット、カイセイ! トウタスーを持って帰らないと…… むぐっ!」


 俺は有無を言わさずホニーを右手で抱き抱える。危険を察知したアイシューとミミーも俺にしがみついてきた。もちろん倒した魔獣を持って帰る余裕などない。



 俺は3人をひっ捕まえて、一気に出口へと向かうため超高速で飛翔した。


 出口へと向かう途中、ダンジョンに取り残された大勢の冒険者達と出会った。魔獣に囲まれている者もいたため、危険だと判断した者たちには魔獣撃退の手助けをしてやった。


「後で助けに来るから、それまでなんとか持ちこたえろ!」

 とりあえず、冒険者たちの安全は確保出来たと思う。これでしばらく冒険者の連中が命を脅かされる心配はないだろう。


 俺たち4人はダンジョンから脱出した。途中で冒険者たちの魔獣討伐を手伝ったため、思いのほか脱出するのに時間がかかってしまった。すでにダンジョンから溢れ出た魔獣もいたようだが、レベルの低い上層の魔獣だけだったようで、今のところ大事には至っていないようだ。


 俺は娘さん3人に告げる。

「理由はわからないが、魔獣たちが暴走を始めた。俺はこれからダンジョンに戻って冒険者達を助けてくる。お前らは入口の前に陣取って、外へ出ようとする魔獣をやっつけろ」


「オウっ!」

「おお!」

「はい!」


「指揮はミミーがとれ。いいかミミー、人と魔獣を間違えるなよ? まあ、お前の索敵能力は超一流だから、大丈夫だとは思うが」


「オウっ! オレっちにドドーンと任せろだゾ!」


 俺が3人に背を向け、急いでダンジョンに向かおうとしたところ——


「カイセイさん!」

「なんだアイシュー?」


「気をつけてね!」

「ああ、わかった!」



「オニーサン!」

「なんだミミー?」


「魔獣をやっつけろだゾ!」

「ああ、任せろ!」



「カイセイ!」

「なんだホニー?」


「トウタスー、持って帰って来てネ!」

「お前はもう喋るな!!!」

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