3・ノクラーソンという名の人間
フラウノイル
「フラウノイルとー」
ノクラーソン
「ノ、ノクラーソンの、」
フラウノイル&ノクラーソン
「「アルムスオンの解明談義のコーナー」」
フラウノイル
「はい、ここで自己紹介させて頂きます。ノクラーソンのお目付け役、白蛇女のフラウノイルです。よろしくお願いしまーす(ペコリ)」
ノクラーソン
「なぜ私がここに?」
フラウノイル
「はい、ノクラーソン、これを読んで」
ノクラーソン
「ふむ、『シャララのカンペ』」
フラウノイル
「あ、そこはいいの。その下から」
ノクラーソン
「この下からだな。雪城吹雪さんからのお便りです。『ノクラーソンが良いキャラしてて好きです』……良いキャラ? どういう意味だ? 何故、好きですと告白されるのだ?」
フラウノイル
「褒められてるのよノクラーソン。はい、雪城吹雪さんにお礼を言って」
ノクラーソン
「あ? ありがとうございます?」
パリオー
「解せーん! なんでノクラーソンが人気あって、好きですとか言われるんだー?」
ネスファ
「んー。解るけどねー、ノクラーソンが人気あるの。言い方悪いけど、私達のすることに巻き込まれて1番ドラマチックに人生変わっちゃったし」
ゼラファ
「それでいて同族の為に隠れ里の為に何かできないか、と頑張ってるところは私も見てて応援したくなるぞ」
ディグン
「酒飲ませるとけっこう面白いんだよな、ノクラーソンは」
ロスシング
「そうなの。ノクラーソン見てて気がついたんだけど、天然がウケようと考えずに切り出すジョークって、繰り出すタイミングに速度と切れ味がハンパ無いのよね」
ノクラーソン
「いや、私はジョークのつもりは無いのだが……」
フラウノイル
「ノクラーソンってお酒、好きよね。昔からそうなの?」
ノクラーソン
「いや、よく呑むようになったのは隠れ里に来てからだ。昔は貴族同士の付き合いで呑むこともあったが、そこでは酔うほどは呑まんし」
フラウノイル
「やっぱりストレスからのヤケ酒なの?」
ノクラーソン
「違う違う。酒が好きというよりはみんなでの飲み会という雰囲気が好きなのだ。確かに最近は独りでヤケ酒ということも多いが」
フラウノイル
「飲み過ぎには気をつけてよね。でも私達とお酒飲むのって楽しいの?」
ノクラーソン
「お前たちときたら飾らずに好き勝手言いたい放題で、気にくわないことは気にくわないと口にする。それでいて険悪になることもなくそれどころかネタにして笑い話にしたりとか。私が本心で話をして、それをちゃんと聞いて返してくるなど妻以来だ。それが楽しくてな……」
パリオー
「恥ずかしい奴だなー」
ノクラーソン
「私も言ってて恥ずかしくなってきたわ!」
シャララ
「娘さんとはどうだったの?」
ノクラーソン
「娘には良き父であろうとして、だが良き父というものがよく解らなくて、妻と乳母任せにしてるうちに、娘とはどう接していいか、距離感とか解らなくなってな。今、思い返せば良き父の振りなど似合わぬことはしようとせずに、素直に娘と話をしておけば良かったな、と思うばかりだ。はぁ」
バングラゥ
「よし、今日も飲もうか、ノクラーソン」
ノクラーソン
「お、また新酒ができたのか?」
フラウノイル
「ちょっと待ってね。えーとノクラーソンと言えば白髪混じりの黒髪のオールバックにカイゼル髭がトレードマークよね。なんで毎日、しっかりオールバックなの?」
ノクラーソン
「あー、実は、だな。この、頭頂部の髪が薄くなってきていてな。それが気になって、なんとか隠そうとして、それでオールバックにしているのだ」
パリオー
「いっそ剃りあげてスキンヘッドにしたら?」
ディグン
「隠れ里にはスキンヘッドはいないから、ノクラーソンがスキンヘッドにしたら、それはそれで更にキャラが立つんじゃないか?」
エルカポラ&パルカレム
「「我々は頭部に毛が生えてないですぞ」」
ディグン
「蟲人がいたかー。でも蟲人は顔立ちのせいか、ハゲって感じはしないんだよな。やっぱり髪があったのが無くなるってのがハゲなんだよなー」
ノクラーソン
「うむぅ、いつまでこのオールバックで誤魔化せるか解らんが、それが限界に来たら剃りあげてスキンヘッドにするか。それとも黒浮種にカツラを開発依頼してみるか」
パリオー
「なんで髪型の話がこんなに膨らむんだ? ヤバイなノクラーソン。ネタの宝庫か?」
フラウノイル
「雪城吹雪さん、お便りありがとうございます。雪城吹雪さんにはノクラーソンファンクラブ会員番号0001を送らせて頂きます」
ノクラーソン
「?なんだそれは?」
フラウノイル
「会員が1万人越えたらノクラーソンがドルフ帝国の歌劇場でトークライブをします」
ノクラーソン
「お、おいぃ? なんだそれは! 聞いてないぞ!」
フラウノイル
「ノクラーソンがキャラソンも歌うんだってー、楽しみよねー」
ノクラーソン
「人前で歌えだと!? 私にいったい何を期待しているんだ!? 私は芸人では無いのだぞ!」
パリオー
「バカなッ! 俺のネタを踏み台にしただとッ!?」