表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

心配してるのに〜by 智〜

「ったく!美奈子あいつは危険に対する意識が低すぎる。」

駅へと急ぐ道中、思わず口をついて出た。


お嬢さん育ちで、のんびりしているというか、ポーッとしているというか。普段はいいけど、こういうことはもっとピリピリすべきだ!俺が止めなかったら、きっと仕事にも行ったに違いない。本当は働く必要だってないのに、働きたいなんて言うし。俺は、そんな甲斐性なしじゃないぞ。美奈子あいつが元気に過ごせるのなら、とパートに出ることを許したけど、これを機に辞めてくれて、ちょうどいいんだ。そうしたら、子供だって…。俺は早く子供が欲しい。特に女の子。美奈子にそっくりな。いや、顔がそっくりで、もう少し、のんびりしていないように育てるんだ。決めた!子供が欲しいって、お願いしよう!…うーん。お願いじゃなくって、雰囲気たっぷりに迫る方がいいかな。


「…おい、本村!何ニヤついてんだよ?痴漢と間違われっぞ。」

満員電車で声のする方に首を動かすと同期の小宮山悟朗がいた。

「新婚は、楽しそうでいいよな。独身の俺は彼女すらいないのに。」

「またフラれたのかよ?」

「ほっとけ!」

小宮山はバツが悪そうに言う。この男、なかなか気の良い奴で、俺は好きなんだが、女の子とは友達になれても“良い人”止まりで、なかなか進展しない。


「で?今度は相手のになんて言われたんだ?」

電車を下りてから、会社までの道のり、小宮山の恋バナを聞くことにした。

「良い人だと思うけど、何か違う、ってさ。セックスも何回かしたんだぜ。」

「ヤってから、ソレかよ?」

女の子って、ソノ気がなかったらヤらないものだと思ってた。しかも何回かヤってたとは、意外だな。美奈子とは大違いだ。

そうそう。美奈子と初めてセックスした時、緊張したのか、いよいよって時に急に勃たなくなって、すげー情けなかったんだ。もう、フラれるんじゃないかとまで考えた。でも美奈子は「こんな時もあるわよ。」ってベッドの中で抱きしめてキスしてくれたんだ。救われたな。そしたら、ムクムクと元気になって、そのままセックスができた。俺は、この時にも、また惚れたんだ。


「お前は、美人で料理上手な嫁さんがいて、いいな。誰か友達を紹介してくれるよう頼んでくれよ。」

そうだ!美奈子のことで、会社に着いたらすぐ相談するんだった。早いとこ部長をつかまえないと!

「悪い!急用を思い出したから、先行くわ!」

「おいおい、話をはぐらかすにはベタすぎないか?」

「今度また聞く!」

急がないと!奴が現れる前に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしくお願いします。☆小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ