1/1
1
恋愛の最も賢い楽しみかたは、「片思い」である。
世界観も恋愛観もかたよった、視野も人間関係も大の大人様には到底及ばぬ、私ではあるが、ここに堂々宣言しよう。
きっと、「そんなことはない」と言われればそれまでであるし、10年後の自分が同じように恋愛を語るかと言われれば、英語の中間考査ほどの、自信しかない。
ただ、言えることは齢16にして、それだけの事を、生意気にも口走りたくなるような 分岐点 があったわけで、それもまた事実、これからの人生訓に片思いの素晴らしさを刻みつけた、高2の梅雨時であったということである。