美穂side
「本当だって!」
「えー?ありえないよ」
茜は何を言ってるんだろう。
屋上から飛び降りた男の人が実は宇宙人??
馬鹿なのかこの子は。
「そもそも・・・」
保健室のベッドから抜け出し、帰る準備をしながら
私は呟いた。
「宇宙人って、本当にいると思ってるの?」
「いるよ!絶対に!」
「そう」
私的にはいないと思いたいけどね
茜に聞こえないように、囁いた。
ガラッ
「失礼します」
保健室に入ってきたのは、黒縁眼鏡をかけた幼い男の子。
私たちの顔を見るなり申し訳なさそうに頭を下げた。
「あの、先生は・・・」
「あら、平山君、来たのね」
平山君って言うんだ・・・。
体も平だもんね笑笑
「ねぇ、みほっちー、名は体を表すって本当なんだねー」
どうやら茜も同じことを思っていたらしい。
「今日はどこ行く?」
嬉しそうな先生の声。
「どこでもいいわよ。あなたの好きな所で。」
ん?何か変じゃない??
「じゃぁ・・・映画とか・・・」
「あら、いいわね!陽だまりの彼女が見たいわ!」
「いや、僕は謝罪の王様が見たいです」
まさかまさか・・・デート!?
先生と平山君の話は5分程度で終わった。
「先生、僕、教室から鞄取ってきますね」
「ええ」
そして、平山君とすれ違う時、
「今聞いた事、絶対に人に言うなよ」
どこかで聞いた事がある声に対して、頷く事しか出来なかった。