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知ってるよ。  作者: いねこ☆
5/6

飛び降り

屋上に続く扉を開けて、空を眺める。

今日は生憎曇っていて、それでも、空から差し込む光は、すごく綺麗で。


ふと周りを見回してみる。


「誰あれ」


今にも、自殺しそうな勢いでフェンスの向こうに立っていたのは、見かけない顔。



とりあえず声でもかけてみるか。

自殺されても困るし。


「あの、危ないですよ」


ふと差し込んでいた光が強くなった。

その瞬間、その人影がこちらを向いた。

光が強くて、顔が見えない。


「あ、あの、そこ危ない・・・ああっ」


その人影は、こちらを見て微笑んで、すぐにいなくなった。

やばいっ

そう思って、フェンスから顔を覗かせる。


あれ?


「いない・・・」

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