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第8話 バイト探しって面倒くさい

土曜日、思いっきり爆睡していると携帯の音が鳴る。


「なんだよ…せっかくの土曜だぞ、サラリーマンも会社員も寝てるっつうの。神様だって寝てるっつうの。」


ぼやきながらスマホを見ると島村から通知が来ている。なんだよ?


「急にごめん!バイト探したいんだけどいいかな?」


あーバイト探しか。赤点免れたから即座に動いたな?行動力高えな。今何時だよ?

時計を見ると9時50分。すまん、めっちゃ寝てたわ。とりあえず12時からなら大丈夫と送る。島村からお礼のメールが届き、シャワーを浴びて着替えて電車に乗る。


駅で待っていると島村が手を振りながらくる。ん?なんで平賀もいるんだ?


「やっほー!急にごめんね?」

「よう、俺もバイト探そうと思ってさ、いいかな?急だけど。」

「まぁいいぜ。んじゃ探しますか。」


3人で歩いてバイトを探しに行く。とある大手スーパーの窓に貼ってある募集のチラシを見て時給や募集内容を確認する。


「ここはいいかもな。時給は1100円、レジと品出し両方募集してるから品出しを選ぶといいな。」


しかし時給1000円台か、俺が前世で学生だった時は800円とか860円とかだったのにな。


「品出しって楽なの?重い物を運ぶイメージがあるんだけど。」

「確かに、商品の場所も覚える必要があるだろ?」


2人が疑問を口にする。大丈夫、昔は俺もそう思ってたから。スーパーの中に入っていく人たちを尻目に説明する。


「確かに、場所を覚えるのは最初は大変だけど大体1〜2週間くらいで覚えられるぞ。それに、たまにレジはやるかもしれないがその時はその時だ。とりあえず電話番号とスーパーの名前をメモしとけ。」

「う、うん。わかった。」

「何ヶ所か回ったほうがいいな。次行くか。」

「あ、その前にジュース買ってくる。」


店内に入りジュースを買ってくる。何も買わないで帰るのは申し訳ないからな。少し歩いて次はホームセンターを見る。


「お、ここ良さそうじゃん。レジだけだけどさ。冬川、どう思う?」

「いいんじゃないか?レジ業務はクレーマーがいなければそこまで難しくはないからな。」

「やっぱクレーマーの相手って大変かー。」

「ああ。勿論、店員のミスなら言われても仕方ないけどカスハラしてくる馬鹿は大勢いるからな。」

「カスハラって何?」

「カスハラってのはな…」


カスハラのことを説明する。要は度の過ぎたクレームをしてくるやつで暴言とか吐いてくるやつだ。脅迫とか人格攻撃をしてくる奴もいる。

それを説明すると平賀はため息をつき、島村は少しビビる。


「店員相手にストレス発散してくるバカはいるから本当に気をつけろ?」

「了解。気をつけないとな。」

「私も気をつけよ‥それじゃ次行こ次!」


歩いて次は大手の様々な中古取扱の店に行く。あーここはよく知らんな。買い取り業務とかやるのはわかるが。


「すまん、レジ打ちはわかるが中古買取はよくわからないな。ゲーム機とかだとおそらく動作確認とかするのだと思うけど。」

「知り合いの先輩がやってたよ。大変そうだったけど。」

「あとは状態でランクみたいのをつけるから大変かどうかはわからないな。」

「だな、いろいろ検討して電話してみるよ。あ、買いたい漫画あるからいいか?」

「いいぜ、俺も見たい漫画あるし。」


中に入る。別れてゲームコーナーを少し見たあと漫画を探そう小説コーナーを通るとある人物が目に入る。


「あれ?早坂さん?」

「あ…久川君…?どうしてここに?」

「ああ、島村と平賀のバイト探しに誘われてな、何やってるんだ?」

「あ…はい。本を買いに、お小遣いを貰えたので…。」


お小遣いか。1位取ったからかもしれんが深く詮索するのはやめよう。


「久川君もアルバイトを‥?

「いや、俺は考え中かな?免許取りたいし。」

「免許‥ですか?」


二輪取れれば原付で通学楽になるし、卒業前に車の免許を取るとき楽になるからな。


「羨ましいですね…私は多分アルバイトはやらせてもらえないから…」

「いや、アルバイトも大変だぞ?学校終わったら働くんだから。まーお小遣いは増えるけどな。」


ある意味メリットデメリットあるものだ。夏休みも半分は無くなるからな。みんなが遊んでる中バイトやってる時のあのなんともいえない気持ちよ。その分好きなもの買えるけどさ。


「あれ、早坂さんじゃん。」

「あ、平賀君、島村さん…こんにちは。」

「やっほー!」


2人が気付いて俺と早坂のところに来る。


「気になる本あった?」

「はい…。前から興味あった本があって…今レジに行こうと思ってたところです。」

「おお〜!もしよければアタシ達と一緒に遊ばない?これからファミレス行って話そうかなと思ってるんだけど。」


島村が早坂に提案する。早坂は「親に確認しますね…。」と言いメールを打つ。すぐに返信が返ってくる。


「…18時までなら大丈夫です。門限が…」

「大丈夫だよ。俺たちもそれまでには帰るからさ。」

「うん!それじゃ行こうよ!」


早坂が会計を済まして外に出る。早坂は近所なのだろうか、自転車を押しながら、俺たちは歩いてファミレスに向かう。


近くのファミレスに入り、ドリンクバーとポテトを頼む。


「あの…島村さんは欲しいものとかあるのですか?」

「うん!化粧品とかかな。あとはまぁ…携帯代だよ。私立だから親に苦労はかけたくないからさ。」


ポテトをつまみながら話す。しかし苦労をかけたくないか。だよな、私立って高いし、携帯代だけでも自分で払いたいよな。あと定期代。


「島村さんは幾らくらい稼ぎたいんだ?」

「ん〜次5万は稼ぎたいよね。本音を言うと10万とか稼げたら楽になるけど。」

「毎月10万とか稼ぎたい気持ちはわかるが、稼ぎすぎると税金かかるようになるぞ。」

「えっ!?」


俺が税金と言うと3人が驚く。まぁ知らないよな普通は。親の扶養とかも知らないだろうし。


「どう言うことだよ?学生だから税金はないはずだろ?」

「103万円を超えると所得税がかかるようになり、106万を超えると厚生年金や健康保険に加入することになる。」


俺がジュースを飲みながら説明すると島村と平賀が顔を見合わせる。まじかよ、みたいな表情であり、健康保険とか厚生年金とかニュースや教科書でしか見たことのない言葉であろうから困惑している。


「まぁ学生の間は平日だと1日3時間くらいだし土日も運が悪いとフルタイムになるだろうけど、まぁ月に多く稼げても6万くらいだからそうそう心配しなくて大丈夫さ。」

「うわ〜税金とか払いたくないよ。」

「高校生のうちからは払いたくないな。」


2人がボヤく。そりゃそうだ。俺だって給与明細を見た時結構な額を引かれてて頭抱えたもんだ。正直、学生の方が金持ってるよなぁ。車とか買うと月の給料めっちゃ減るぞ。つうかボーナスから税金と厚生年金取らないでくれよ。マジで気落ちするんだよあれ。


「…あの…なんでそんなに詳しいのですか…?」

「親が教えてくれたんだよ。バイトしたいなら気をつけろってね。」


勿論嘘だけどな、前の世界で経験してるのよ。お前ら、大人になって初めてボーナスもらったら引かれる年金と健康保険の額で頭抱えるぞ。


「私もお父さんに聞いてみようかな‥」

「親父さんとは話すのか?」

「勉強には厳しいですけど…仲は悪くないですよ‥?」


少し恥ずかしそうに、頬を赤らめている。てっきり90点以上は許さない!って親だと思っていたわ。


「まぁその…普段は学校から帰ったら2時間は勉強ですので大変ですけど。」

「俺ぜってぇ無理だわ。親と殴り合う自信あるわ。」

「いえ、土日に出かけてますので。それに…友達ができたことを話したら喜んでましたから。」


クスリと笑っている。なるほどな、まぁ親の気持ちはわかる。頭が良ければ就職や進学に有利だからな。大手企業に行ければ、公務員になれればいいもんな。工場勤務も悪くないけどよ。


「それじゃあさ、土日暇ならアタシや一ノ瀬さんと遊ぼ?それに早坂さん可愛いからメイクとか教えてあげる!」

「はい…。…え?め、メイクですか…?よろしくお願いしますね。」


恥ずかしそうに顔を隠す。平賀も頷く。


「うん、早坂さんかわいいから化粧するともっと綺麗になると思う。イメチェンしてみるのはありだよ。」

「え…ええ…!?」


早坂の顔が真っ赤になる。島村が苦笑いしながら、早坂の良さをとことん褒める。ギャルと真面目っ子なのに妙に相性が合ってるな。

そういやバイトどうするんだ?


「んで、2人はバイトどうするんだ?条件いいところはすぐ取られちまうから早めに決めた方がいいぞ?」

「私は決めたよ。スーパーにするんだ。」

「俺はホームセンターだな。レジでも頑張るさ。」

「あ、あの‥頑張ってください!」


島村と平賀は真剣に言う。そうか、頑張れよ。

その後駄弁り続け、ちょうどいい時間になったので別れることにした。

早坂は礼儀正しく頭を下げて帰宅し、俺たちも駅で別れて家に帰宅する。俺もバイトやろうかねえ。

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