第5話 悩みってくだらないことでも悩むけど相談すると気が晴れる。
『いいぞ。今日と同じ10時からでいいか?一ノ瀬にはそっちから頼む。』
柊のメールに俺は返信する。OKと返信がくる。家に帰り、シャワーを浴びた後ゲームをやる。
「遊ぶのは構わないが相談ってなんだ?」
まぁなんとなく察しはつくが、明日になればわかることだ。すると『一ノ瀬さんもOKだって、◯◯ショッピングモールで集まろうだって。』とメールが来たので了解。と返す。いやーしかしゲームは楽しいな。
翌日、昨日と同じように電車に乗り、近くの駅を降りる。柊が先に着いていた。
「あ、ごめんね急に。」
「いいってことよ。一ノ瀬は?」
「あと少しで着くって。」
待ってる間待合室の自販機でコーヒーを買い飲む。5分くらい経ったら一ノ瀬も来る。
「ごめんなさい、電車が遅延しちゃって。」
「大丈夫だよ。一ノ瀬さん、急にごめんね?」
「大丈夫よ?ショッピングモールに行く用があったから。」
3人でバスに乗りショッピングモールに向かう。窓際で町を眺めながら、「友達とバスに乗るの、何年ぶりだろうな‥」と呟く。
ショッピングモールに着き、買い物をする。家族連れ、カップルが歩いている。母親が子供の服を選び、子供が笑顔で試着して購入したり、カップルは彼女が彼氏の服を選んでいる。羨ましいなぁおい。俺と柊は一ノ瀬の買い物の付き合いだが。
「俺も新しい服買うかな。革ジャン欲しいわ。」
「あら、革ジャン買うの?」
「ああ、誕生日迎えたらバイクの免許取るからな。」
「バイク買うの?」
「ああ。とは言っても校則があるから原付かな。」
革ジャンはいいぞ?かっこいいし。バイクに似合うからな。普段使いでもいけるしな。だが100%原チャリに乗る時に革ジャンは着ねえけど。虚しくなるぞ。単車じゃねえとマジでなんとも言えん気持ちになるぞ。後バイクに乗る時はフルフェイスな。
「原付なら大丈夫そうね。ちゃんと許可証出すのよ?」
「わーってますよ。停学になりたくはないからな。」
一ノ瀬が少しだけお堅いモードになるが、柔らかい笑みを浮かべる。俺は顔が少し赤くなる。少しだけ恥ずかしかったから時計を見る。
「ちょうどいい時間だ。飯にしようぜ?」
「うん、どこにするの?」
「ファミレスでいいんじゃねえか?」
俺の提案に2人は頷き、モールの地図を見て向かう。本音を言うと個人経営のラーメン食いたい。がっつりだもの。
ファミレスに入り、店員に席を案内されて座る。親子連れや学生達の話し声が聞こえる中、ドリンクバーとメニューを頼み、俺がジュースを取ってくる。
「と言うわけで柊、相談したいことってなんだ?」
「うん、ちょっとね…」
柊が苦笑いする。それはくだらない事かも。と思っている感じだが別にいいけどな。相談してらくになれればええし。
「僕、恋愛漫画好きなのもあるけど、昔から見た目の事でも女の子みたいって言われてきたから。」
俺と一ノ瀬が顔を見合わせる。「やっぱ悩んでたか…」と言う表情になる。
「女の子みたいって言われるのは慣れてるけど、内心どう思われてるのかなって。中学生の時、揶揄われたことあるから目線が気になって。」
苦笑いしながら謝ってくる。悩みなんて誰にもあるから気にするな。ちょうど頼んだ料理がちょうどきて食べながら考える。
「俺は羨ましいけどな、失礼かもしれんけど、可愛らしい見た目ってすごい武器だと思うぞ?」
「そうね、私から見ても可愛らしいって言うのはアドバンテージだと思うわ。逆に利用してもいいと思うわよ。」
柊が「えっ!?」って言う。いやいやお前、俺のようなブ男からすれば羨ましいぞ?
まぁ多分、男らしさのことも悩んでるだろうからそれも付け足す。
「少し男っぽく見られたいなら髪型を変えるのが手っ取り早いが、それは確実に俺も一ノ瀬も望まないだろう。」
「そうね。望まないわ。柊君に似合う髪型はそれよ。間違いないわ。」
一ノ瀬が頷く。認めるんかい。つうかそこまで言うか、すげえなお前!?
「そこでだ、漫画のジャンルを開拓するのはどうだ?恋愛だけじゃなく、アクションや戦争とか、男が好きなものを読むとかさ?」
「音楽も良いんじゃないかしら、例えばロックとか、洋楽を聴くとかね?」
「成程ね、けど久川君、本当に武器になるの?外見って。」
当たり前よ!まぁ中性的ってのは逆を言えば異性に見られやすいから悩むのはしょうがない。だから教えてやる。
「そうだな、俺は見ればわかるが地味だからあまり目立たない、だけど柊は可愛らしい見た目をしてるからモテるんだよ。変な男も来そうだけど。」
「私も言うけど、可愛らしい見た目は女の子にとっても付き合いたいと思うわ。私はそう思うわよ。可愛いって素敵じゃない。」
「まぁ男らしくなりたいなら映画とかもアクションとか見てみ?」
「うん!髪型はちょっと遠慮するけど他のことはやってみる。ありがとう!」
柊が涙目になりながらお礼を言う。俺は苦笑いし、一ノ瀬は微笑む。
「気にすんな。コンプレックスは誰にでもあるもんだ。俺だって揶揄われたら弄ってくるからな。」
「いいのよ、友達の相談に乗るなんて当たり前だから、その代わり、後で私に悩みができたら相談に乗ってね?」
ウインクして一ノ瀬が冗談を言う。柊の顔が赤くなるが微笑む。
「そんじゃ、飯食ったらボーリングでも行こうぜ?奢ってやるから、んで、来週のテスト頑張ろうや。」
2人が頷く。気が晴れてよかったな、柊。
会計が終わり、近くのボーリング場に行き、投げ放題を楽しむ。柊も心が晴れたのか、楽しく投げる。
「やった!スペアだ!」
「おおー、やるじゃねえか!」
柊が無邪気に喜ぶ。その見た目も相まって可愛らしく、つい微笑んでしまう。一ノ瀬もクスクスと微笑む。
「私の番ね?」
一ノ瀬が立ち上がり、綺麗なフォームで投げる。ストライクを取り、髪を払って戻ってくる。冗談抜きで美しすぎる。隣のレーンの奴ら見惚れてるぞ。
「俺も負けてられねえな。負けたやつは肉まん奢りでもやるか?」
「いいわよ?また奢ってもらうわ。」
「お小遣いなくなっちゃうから負けないよ!」
気合い入ってんじゃねえか。よっしゃ、今日はとことん遊んで、来週からのテストに備えようぜ。今日はとことん楽しもう。3人でボーリングを楽しみ、休憩を挟みながらも5ゲームやり、帰宅した。あーテスト赤点免れるよう頑張ろ。




