第17話 キャンプ場で食べるバーベキューの美味さは異常。
15:00、海で泳ぎ、遊び、とにかく騒いだ俺たちは片付けをしてシャワーを浴び、海のベタつきを洗い流し、更衣室に向かう。そういやこの足についた砂って昔から苦手なんだよな俺。なんか歩きにくく感じるし。
「いやーいい海だったな。」
「うん、またみんなで来ようよ!」
「だな!」
3人で雑談をしながら着替え、外で待つ。潮風の心地よさを感じながら雑談をし、周りの家族連れも談笑しながら帰宅する者、キャンプ場に戻る者、俺たちの様にバーベキューしに向かうカップルやグループなど様々だ。
「お待たせー!」
「待たせてごめんなさいね。行きましょ!」
女子達も着替え終わって出てくる。よっしゃ!バーベキュー場に向かいますか!
少しだけ歩き、車のバックドアを開けコンロを用意する。流石に少し早いので16:30まで談笑した後、女子達は野菜を切りに、俺は慣れた手つきでコンロを組み立てる。会社のイベントで何度やらされたか。
炭を入れ、火を起こす。パチパチと言う音が小小気味良い。
「野菜切ってきました‥」
「準備できたわよー!」
女性陣も野菜を持ってくる。玉ねぎ、ピーマン、にんじん、ナス、とうもろこし、かぼちゃを持ってきて、肉と一緒に並べていく。あーいい匂いじゃ。たまらんのう。
各家で作った大量のおにぎりも用意し、紙皿に焼肉のタレを入れて焼けるのを待つ。おにぎりだけで20個はあるからな。俺と平賀は食うからともかく、女性陣と柊はそんなに食えるのか?まあいいか。
「柊、紙コップ頼む。」
「うん!」
柊が紙コップを用意し、おれがジュースを注いでいく。炭酸特有のあのシュワ〜と言う音が響き、喉が渇いているからごくん。と音を鳴らす。肉が焼けてきた。美味そうだ。
「1日お疲れ様!食べましょ!」
「「「「「「かんぱーい!」」」」」」
紙コップを掲げて軽く触れ合わせる。喉が潤い、ゴクゴクと言う音を出して飲んでしまう。カラッカラだったもの。
「いやー波の音を聞きながらのバーベキューは乙な気分になるな。」
「ええ、本当にいいですね…。」
俺が肉や野菜をひっくり返したりして焼きながら海を眺めて呟く。早坂は頷き、海を見て微笑む。三つ編みをほどき、ストレートヘアーが風になびき海を眺めるその横顔は美しかった。
俺はつい見惚れてしまう。
「どうしました…?」
「な、なんでもない!」
本人を目の前にして言えるか、美しくて見惚れたなんて。
「見惚れてたろ?」
「うるせえ。見惚れるに決まってるだろ。」
平賀がニヤニヤしながら言いやがる。揶揄いやがってこの野郎。肘で小突いてやる。ついでに俺の返答に早坂の顔がボフン!と音を立てた様に赤くなる。
「相変わらずね、あの2人。」
「弟とほんと仲良いのね。」
仲はいいが珍獣とイケメン、バカとエリートと真逆だがな。なんだこの差は、泣くぞ。
「まぁ歩夢と話してから、いつのまにかこのメンバーで固まった感じっすけどね。」
「亮介君が漫画読んでるのを見て、話しかけて仲良くなって、一ノ瀬さんと話す様になって、それで仲良くなってったんです」
柊が渚さんに説明する。なつかしいなぁ。俺がこの世界に来たの4月ごろだったから結構経つな。
「私はテスト勉強の後に仲良くなりましたね‥。」
「だな。一ノ瀬より頭いい奴がいるとは思わなくてびっくりしたぞほんと。」
びっくりしたもんなほんと。
「肉美味いな。」
「ちょっと高めの買ったからね。」
焼いてる牛肉がじゅうっと音を立てながら縮み、表面に黄金色に焼き色がつく。脂が炭に滴り、煙が上がり匂いが広がる。タレにつけ、肉を食べ、おにぎりを頬張る。
「うめぇ〜」
口の中に肉汁が溢れる。いやー本当にうまい。雰囲気もあって尚更だ。
島村が焼けたナスをタレにつけて口の中に入れる。
「この肉汁の染みたタレにつける野菜が美味しいよね!」
「わかるわ。ご飯が進むし、野菜も美味しく食べられるものね。」
島村が頬を抑え、一ノ瀬も頷く。肉汁が沁みた焼肉のたれにつける野菜は格別だ。
「とうもろこしにタレ塗るよー!」
「お願いします…」
「お!サンキュー!」
柊がハゲを持ち、とうもろこしにタレを塗る。ん〜この匂いがたまらん!炭火焼肉とかも即だけどタレが隅に滴り落ちたあの匂いは食欲をそそる!
フーフーと息をかけて冷ます。
「あちち!うん、美味しいね!」
「この甘味とタレの甘味が合わさってたまらん!」
俺と柊が頷き、拳をコツンとぶつける。いやーほんと最高の1日だわ。
「あら、そろそろ時間ね、みんなー、食べ終わったら片付けるわよー!」
「わかりました…」
「え、もう!?楽しい日は時間が過ぎるの早いよね〜。」
わかるわ〜仕事の日は長く感じるのにな。まぁ野菜も肉もちゃんと全部消費したからいいか!
女子達は洗い物や生ごみの処理を、男達はコンロの片付けや椅子やテーブルの片付けを行う。
車に乗せて皆んなも乗り、渚さんが管理人に報告しに行く。
19:30、キャンプ場を出て高速道路に乗る。柊と早坂は疲れたのか寝ている。
「寝ちゃったわね、疲れたのかしら。」
「だな、ぐっすり寝かせてやろう。」
2人の可愛らしい笑顔に癒される。寝息をたてながら一ノ瀬に寄りかかる早坂の頭を一ノ瀬は微笑みながら撫でる。
俺は頬に手をつきながら夜景を眺めている。…ん?何か光が見えたぞ。
「なんだ?」
「どうした久川?」
「あれ花火じゃねえか?」
「えっ、ほんと!?」
「あら、ほんとだわ、綺麗ね。」
やっぱ花火だ。どっかの町で祭りやってんだな。いいねえ。
「じゃあSAに停めてちょっとだけ見ましょ?」
渚さんの提案に賛成し、少し先のサービスエリアに停まる。同じ考えの人々がいるのだろう。結構な数の車が停まって花火を見てる人が大勢いた。
「柊君、早坂さんおきて!花火見るよ!」
「う〜ん、花火…?」
「すいません、寝ちゃってました‥」
目を擦りながら起きる。車を降り、ジュースとポテトを買いながら眺める。
「綺麗…」
「うん…見れてよかったね!」
7人で花火を眺める。ヒュ〜…ドドン!と音が響き、周りの人々も歓声や拍手を上げる。
俺もスマホで動画や写真を撮り、親に送る。最高の1日だな。
最後まで見たかったがさすがに夜遅くなる。楽しい夏のひと時を楽しみながら帰路に着いた。




