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第15話 海行く時は日焼け止めクリームを塗らないと背中が死ぬ。

バーベキューをする場所を指定され、そこに車を停めて、着替えを持って更衣室に向かう。俺たち男組はすぐに終わり、コインロッカーに貴重品をいれ、女子組を待つ。


「うおおー!海じゃー!」


海を見て思わず叫んでしまう。一面に広がる大海原が夏の日差しをキラキラと跳ね返して眩しく、潮の香りが鼻をくすぐり、波が押し寄せる音が耳に心地よい。


「テンション高いな久川!」

「気持ちはわかるよ、綺麗だもん!」


平賀が海を眺めた後俺の肩をこづき、揶揄い、ながらも海を見て昂っており、柊は目をキラキラと輝かせている。


「あとは女子たちを待つだけか」

「女子は着替えの時間かかるもんな。」

「平賀君のお姉さんも海に入るんだよね?」

「ああ、せっかく来たから入りたいんだって。」


渚さんも入るのか。許せる!言っちゃ悪いがあのスタイル、多分男どもの目線釘付けになるだろ。美人姉さんとイケメン弟の姉弟とか勝ち目ねえよ。しかしパラソルとシートをなぜ俺が持つんだ。じゃんけんで負けたからか!


「おまたせ〜!」

「待たせてごめんね?」


女子達もやっときたか。俺たちは振り向き、返事をしようとするが固まってしまった。


「どうしました…?」


早坂が目を点にして首を傾げる。そりゃねえ、一ノ瀬は水色のビキニを着ているがそのスタイルの良さと美しさを両立させ、島村はオレンジ色のビキニを着ているがギャルな見た目と相まってマッチして、早坂は花柄のワンピースタイプを着て、そのおとなしい見た目とマッチしている。周り見ろ周り!男ども見てんぞ!


「見惚れちゃった?」


島村が揶揄うように人差し指を口に当ててウインクしてくる。やめて、反則だから。


「ああ…見惚れた。」

「良は正直だね!」

「う、うるせえ!」


平賀が顔を赤ながら島村のからかいにそっぽを向ける。あーこいつあれだな?島村のこと好きだな?結構2人でいるし。


「い、一ノ瀬さんも綺麗だよ!」

「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。けどそう言ってもらえると選んだ甲斐があったわね?」


クスリと笑い、柊も顔が赤くなっているヤメロォ!美少女と男の娘のキラキラとか反則だろ!つかお前ら絶対付き合おうとしてるだろ!姉弟みたいだけどなんかこう、雰囲気出てるぞ!


「うう…初めて着るから恥ずかしいです…」

「いやいや、似合ってるから!まじで似合ってるから!」


早坂が顔を真っ赤にしながら恥ずかしがっている。いや、物凄くマッチしてるし、清楚な雰囲気出てるぞ。それに…早坂さんも意外とスタイルがいい、着痩せするタイプだな。


「あれ?渚さんは?」

「もう少ししたらくるよ!」

「ごめん、みんな待った?」


渚さんが来る。あ、やばい、黒のビキニに魅力的なプロポーション!圧倒的ではないですか、我が軍は。つかおい、カップルですら見惚れてんぞ、男の方が。つか彼女に耳つねられたり睨まれてるやついるぞ。だが見る気持ちはわかる。男だもん。


「おい平賀、お前羨ましいぞ。」

「…そこまで言うか?」


羨ましいですはい。 男ってのはな…この瞬間を見るために生まれてきたんだ!そうだろう!?ふぅ、落ち着け俺。心を保つんだ。うん。


「とりあえず場所取るか。」


荷物持ちは辛いの。パラソル思いの。いや、平賀もクーラーボックス持ってるけどよ。

場所を見つけ、シートを敷き、パラソルを立てる。浮き輪を膨らませ、ビーチボールを持つ。あと日焼け止めを塗って。


「すまん平賀、日焼け止め塗ってくれ。」

「おう、任せろ。」

「一ノ瀬さん、アタシにお願い!」

「勿論よ、渚さん、早坂さんにお願いしますね。」


役割分担して日焼け止めクリームを塗る。これを塗らないと背中がやばいことになるからな。シャワーが地獄になるからな、うん。全員が塗り終わる。


「じゃ…行くぞ!」

「だね!行こう行こう!」


荷物も飲み物しかないからな。全員で海に向かう!


「あー気持ちいい〜溶ける〜」


波に揺られながら浮き輪でぷかぷかと浮かぶ。いや〜久々だわこの感覚。楽しいよなぁ。ケツが冷てえ。ひんやりして最高や。


「それ!」

「うおっ!?高いな!!」


島村と平賀が波打ち際でビーチボールで遊んでいる。島村が勢いよく打ち上げ、平賀がなんとかキャッチするが倒れてしまいバシャン!と水飛沫が上がる。


「あはは!派手に転んだね!」

「いきなりだからな!お返しだ!」


平賀がお返しと言わんばかりにスパイクするが、うまくレシーブする。ボールが弧を描き、平賀がまた返す。笑い合いながら遊んでいるその光景はカップルにしか見えない。まぁ確かにお似合いだけど。


「アタシ、こう見えても中学生の時バレーやってたんだよね!」

「へ〜どうりで上手いわけだ。」

「アハハ!まぁ2年生の頃に辞めたんだけどね。」


島村が太陽のように眩しい笑顔を見せ、経験者だったことを語る。島村の笑顔に平賀は顔が赤くなり、頬を軽く指でぽりぽりと掻く。


「なんで辞めたんだ?」


平賀が気になったことを聞く。2年生の頃に辞めたって言ってたな。


「あ〜、うん、まぁちょっとね…気にしないでいいよ!」

「…わかった。嫌なこと聞いて悪かったな。」

「いいよいいよ!さ、もっと楽しもうよ!!」


島村の表情がほんの少しだけ暗くなる。平賀は地雷を踏み抜いたことにバツの悪そうな表情をし、謝罪するが、島村はまた笑顔に戻り平賀のことを許す。


「うわぁ、すごい揺れるね!」

「高い波が来たもの。仕方ないわよ。」


沖合では柊と一ノ瀬はレンタルしたゴムボートに乗り楽しんでいる。柊がオールを漕ぎ、ゆっくりと進んでいる。一ノ瀬が悪戯な笑みを浮かべるとわざと揺らす。


「うわわ!?あぶないよ〜!」

「ふふっ…楽しいでしょ?アトラクションみたいで。」

「うん!大分海水が入ってきたね。」

「いいじゃない、冷たくて気持ちいいから。」


ボートの底に溜まった海水がチャプチャプと音を立て、2人の足元を濡らす。

太陽の光がオレンジ色のボートを照らして、ちょっと眩しい。だけど島村達とは別に、2人の世界に入ってんな。


いやーほんと海って楽しくてしょうがねえ。俺浮かんでるだけだけど。

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