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車窓

 上


 男は、先日の泥棒事件の犯人であった。

 牢に入れられ、悲観から涙を流すくらいの感情はあったが、どうやら他人のために流す涙はなかったのだろうというくらいには非道極まりない賊である。そのうえ今朝行われた精神鑑定のさなかより、恥も外見もなくずっと泣いているのだから、よっぽど自己愛が強く、悲壮感にあふれた人間のようだった。

「あの探偵が憎たらしい。私の不運たるや、きっと誰も彼もが同情するだろう」

 それは逆恨みにしか見えないセリフだが、しかしこれにはキチンとした理由があった。それを理解するには、先日の泥棒事件というのがやはり鍵となってくるので、いま一度それを振り返ることにする。

 先日、豪華列車で行われていた博覧会にて一番の目玉とされる、とびきりの宝石が盗まれた。「自由の女神の涙」と称されるほどに大きなそれは、歴史的・芸術的価値も相まって、十億はくだらないだろうというくらいの値打ちものである。

 男は大胆にもそれを盗み出そうと行動に移したのだが、そこでとある探偵に捉えられてしまうのだった。

 それが男にとってはなんとも憎たらしくって顔も忘れないといった心持ちだったのだが、しかし男にとって気がかりなのは、盗みに入ったときには既に他の者の手によって宝石が盗まれてしまっていた、ということだ。

「自分は、賊ではありません」

 盗みに入った男は、空になったガラスケースを前に間抜けにもそんなことを言ったのだが(事実、彼は盗みを働いたわけではないが、賊ではある)、そこで音もなく現れた探偵が、素早くそのうえつまらなそうに口をまげてこう言ったのだ。

「君よりも前にこの部屋へ入ったのは、わたしと駅長だけだ。しかし、そのとき何人もの警備員が扉のところから宝石を注視していたのだから、わたしと駅長には盗みようもない」

「で、ですが、私は確かに盗みを働いてはいないのです。体を調べてもらっても構いませんよ」

 そんな訴えも無駄なのだと、あきれたふうに探偵は首を振った。

 自分を舐め切ったような、なおかつ興味すら抱いていなさそうな探偵の態度に、自尊心がすこぶる高いこの男は、内心、苛立ちを感じていた。だが、そんな思いもぐっと堪え、男は身の潔白を訴えるのだった。

 けれど探偵は、さらに証拠を突き付ける。

「この車両の扉は前と後ろの二つしかない。そしてそのうち、一方は駅長が。もう一方はわたしが見張っていたんだ。……もちろんわたしら二人以外にも警備員がいたわけだが、そうなってくると出入り口はそこの窓しかない」

 探偵は、半開きになった車窓を指さした。ちょうど人一人くらいは通れそうなそれは、まさしく男が侵入経路として選んだ場所であり、探偵の言う通り宝石のある車両に入る手段は扉を除いてここしかなかった。

 屋根は一枚の鉄板でできているため容易に穴をあけることはできないし、この車両は人が身を潜められそうな場所もないから、やはり窓というのは唯一の手段だった。

「それに考えてごらんよ。仮に君のいう第三者がいたとして、そいつはどうやってこの車両に侵入したっていうんだ? 窓から入ろうにも、そんな危ないことをするバカは君しかいないだろうに」

 そもそも、第三者なんてものがいないだろうということは、この男が一番よく知っているはずのことだった。

 まず第一に、宝石が展示されている車両の窓が自由に開閉できるようにしておくのは、あまりにも無防備である。

 走行中に窓から入ろうとするのはあまりにも危険であるから、仮に自由に開閉できたからとはいえ警備の面では安全であるとして(それでも、男が無謀にも盗みに入ったのだが)、しかし停車している間となれば、話が変わってくる。なぜなら、ちょっとした台を使えば、誰でも簡単に窓に手が届くのだから。そのため窓を経て盗みに入ろうとするのは、あまりにも容易となる。

 だからこそ、車両の窓は全て閉じた状態で固定されており、ガラスも簡単には割れないものが施されている。

 そのついでとして、他の車両にも、簡単なものではあるが窓という窓には固定具が設置されていた。そんな、いわば泥棒対策を打ち破るために、無数にある窓のうち、外へ出るための窓と、宝石のある車両へ入るための窓に細工をすることで、ちょっと方向性を加えて押し込むだけで簡単に窓が開くようにしていたのだが、だからこそ、その窓を使わなければ男がやったような犯行は不可能だと彼はよくよく知っていた。

 というのも、彼はそれなりに頭のいい人間だから、一見危険に思われる外を経由して窓から窓を移動するという行動が、この場合もっとも成功率が高く、なおかつ危険性も十分に下げることができ、そのうえ、唯一の方法なのだという答えを、列車の整備員として下調べに入った際に、よくよく考え抜いて導き出していた。

 だからこそ、仮に第三者がいたとするのなら、自分と同じやり方でないと犯行は不可能なはずなのだ。しかしなぜだか宝石は何者かに盗みとられていたという事実に、彼は打ちひしがれるのだった。

「あの探偵が、なにかしたに違いない。きっとそうだ、そうなんだ。……あのいけすかない表情、おろおろと惑う私を見て、笑っていたように思える」

 しかしそうは言っても、あの事件に駅長が絡んでいるということはないだろうと思われた。

 展示されていた宝石というのは、本当に値打ちのあるものだった。それが盗まれたのだという嘘をつくことで、わざわざ注目を集めようとする必要がないほど、宝石というのは世間の関心を集めていたし、なによりあの宝石は借り物だというのだから、盗まれたとあれば、鉄道の信用に傷がつくことにもなる。つまり、駅長には宝石が盗まれることで得られる利益が一つもないのだ。そればかりか、多大な損害を被ることになる。

 なら考えられるのは、やはりあの探偵である。

 宝石のある車両には、扉が二つあった。そのうち一つは駅長が守り、もう一つは探偵が守っていたとうことだが、つまりその間、駅長と探偵とは互いに監視できない状態だったのではないだろうかと、男には思われた。

「だが……あの扉には、確か、向こう側の扉が開いたときに、それを音と光で知らせるランプがあったはずだ。つまり、もし探偵が警備員と画策して盗みに入ろうと扉を開けたとき、それは駅長の側に知らされるはずだ」

 しかし、それらしき話題はあの場面では一つもでてこなかったため、おそらく扉は、ただの一度も開かれなかったのだろう。

「つまり探偵は、駅長と共に部屋を出たあと、本当に一度も部屋に入っていないことになる。ともすれば、いったいどうしてあの探偵は、宝石を盗み出したのか……」

 あまりにもそれは謎だったが、男にひとつ閃きが訪れた。

 そうだ。思えばヒントはあったのだ。

「窓だ。やっぱり宝石を盗んだ奴は、窓から入ったに違いない。そしてその方法は、少し考えればわかることだったんだ」

 確実に真相をつかんだという気持ちだった。自分は宝石を盗んじゃいない、盗んだのはあの探偵だと、高らかに主張する権利が自分にはあるのだと、あの人を嘲る高圧的な目を思い出しながら、男は自らを激励する意思を込めて、ぐっと拳を握りしめた。

 なにせこの事実があれば、かの探偵に敗北の味を知らしめ、なおかつ、やつの屈辱に染まった表情が拝めるのだから、これ以上に幸福なことなどない。

 そんなとき、牢獄の鉄棒が激しく打ち鳴らされる音がし、何事かと振り返ると、厳粛な態度の看守が彼を見下ろしこう言うのだった。

「貴様に面会人が来ている。伝言として、先日の事件について話がしたいということだ」

 あの探偵も物好きなものだ。そんな看守のつぶやきを聞き逃すほど、男は無能ではなかった。こんなにも早く、雪辱を晴らす機会が訪れたことに、自らの幸運を笑ってしまいそうでもあった。

 面会室に入ると、机に長い脚をのせた不遜な態度で待ち構える、帽子を目深に被った女の姿があった。デニムパンツに、ハイネックのトップス、その上から黒のジャケットを肩に羽織る、一見男性のような恰好は、彼女のその長身さを引き立てるうえで非常に効果的に働いていた。

 自身に備わっている美というものを意識し、理解したうえで、それを十分に引き立たせるだけの能力がある。そのシャープなシルエットは、留置所にはあまりに不似合いであり、異質な存在であるものの、しかし男にとっては、それこそが待ち望んだ光景なのだった。

「…………」

 男は怒りに堪えて、ふと想像をした。

 あの澄ました顔つきが崩れるさまを。

 自分が味わわされた屈辱を、今度はこの探偵が、身をもって知ることになるのを。

 男は息をのんだ。

 探偵は、男の姿を認めると、机にのせた足をおろし、組みなおして、それから帽子を取って軽く一礼した。

 色眼鏡の奥から、探偵はこちらを見つめていた。

「君に会いたかったんだ」

 探偵が、口だけは笑いながら、両手を胸いっぱいに広げて言う。

「私も会いたかった。ほんとうに」

 色眼鏡の奥に潜む、黒々とした瞳を見据えながら、男はそう返すのだった。


 中


「早速だが」

 探偵は、足を組んだまま話をした。

 今更それを気にするような気持ちは、男にはなく、彼はとにかく話を聞いていた。

 それを不思議に思ったのか、探偵はすこし眉を顰めたが、しかしそれだけで、話を続ける。

「君に罪の自供をしてもらいたくてね。なんでもあの駅長、事件が解決するまで、わたしを離さないというんだ。そろそろ別の事件に向かいたいところなんだが、君が罪を否認しているとなると、それもかなり時間がかかってしまう」

「それはご不便なことですね。でも心配いりませんよ。じきに事件は解決するのですから」

 男は、我慢ができず、軽く笑みさえ浮かべて言葉を返す。

 探偵は、なにやら怪訝な雰囲気を感じ取ったのか、険しい表情をするのだが、それを男は過敏に感じ取って、なにかずる賢いことをされる前にと、言葉を発する。

「すこし私の話を聞いてはくれませんかね。なに、あなただけ一方的に話をするというのは、少々身勝手ではありませんか? 私にも私の時間がある中で、こうしてあなたに貴重な時間を割いているのですから、私の話を聞く義理が、あなたにはありますよ。え?」

「そうかな。……ま、どうせ退屈してるんだ。それに、よっぽど話に自信もあるようだし、聞いてやってもいい」

 そう聞いて、男はずんと体を前に乗り出して、探偵との距離を縮める。

 探偵は姿勢を変えることなく……動きを止めたままで、男のほうを見ていた。

「私はね。貴女が犯人なんじゃないかと思っているんですよ」

「……ほう?」

「あの日、あの列車は確かに走行中でした。そして唯一の出入り口かと思われていた扉は、貴方達がふさいでいた……これでは、あの車両は完全な密室であったかのように思われますが、実はそうではなかったのです」

「…………」

「窓はすべて固定具で開かないようにされていると思われていましたが、実は私は、それに細工をすることで簡単に中に入れるようにしていたのです。そこまでは貴女の想像通りです、ですが……実際に盗みを働いたのは貴女なのです。貴女が、宝石を盗み出したのです」

 探偵は者も言わず、男が語るのを、じっと聞いていた。

「ですが肝心なのは、盗みに入ったのはあなた自身ではないということです。……探偵には助手がつきものですが、あの日貴女に助手は付き添っていませんでしたよね? けれどあの場に、確かに貴女の助手はいたのですよ」

 男は雄弁に語るのだった。呆気なく捕まったとはいえ、日本中を騒がせた賊であることに違いはないのであるから、頭と舌はよく回るのだろう。

 ここからが本番だと、男は一呼吸いれてから再度前をしかと見つめた。

「列車に乗る際、窓の外を見たことはありますか? 他の列車と、同じ方向を向いて並走しているとき、走る速度が同じだと、まるで止まっているように見えることがあるんですよ」

 列車同士がすれ違うとき、その速度はあまりにも早いが、並走しているとき、隣に見える相手は自分に引っ付いているかのように、止まって見える。

「あの日、私達が乗っていた列車は、他の列車とすれ違いもしましたし、並走することもありました。……私が列車の調査、ひいては細工のために整備士として侵入した際、耳にした噂ですが……なにやら貴女、持ち前の財力でおかしなことをしていたという話題があがっていましたよ。そのおかしなことというのはつまり、列車をまるごと貸切ることで、助手の行動が人に知られないようにするための大胆な工作だったのではないですか? なにせ窓から外に出るなんて行為はあまりにも目立ちますからね。私も、人払いをするのに苦労しましたから」

 犯行は、探偵には不可能だったかもしれない。だが、その助手になら可能だったのではと男は考える。

「つまりだ。貴女と駅長とが部屋を出たあと、貴女の助手が目的の車両と並走することで、宝石のある車両に忍び込み、そしてまた再度元の車両に戻ることで、たいしたリスクを冒すこともなく、貴方達は宝石を盗むことに成功したのです」

 男は息が上がってしまうほどに言葉を強めて言い切った。これこそが真実だ、犯人はお前なのだと言葉で殴りつけたような気分で、それが非常にすがすがしく、思わず口角が上がってしまうほど、男は晴れやかな気分になれた。

 そうして、一度、悔しがる探偵の顔を拝んでやろうと、男は探偵を見上げるのだが、なぜか彼女は眉一つ動かさないでいたのが、どうにも奇妙だった。

 すると突然探偵は、大きな拍手をしながら立ち上がるのだった。

「なかなか良い推理じゃないか。残念なのは、それがすべて君の妄想だということだ」

 探偵は、射干玉色のつややかな長髪を華麗にたくし上げると、色眼鏡を外して、その黒々とした瞳で男を見下ろした。切れ長の目は長睫毛によって鋭く印象付けられていて、男は蛇に睨まれた蛙のように、しばらく身動きがとれなかった。

 男は茫然としていたが、次第に、自分がなにを言われたのかを理解して、かっと怒りにまかせて立ち上がり、叫んだ。

「私の推理が妄想だと? 貴様以外に、いったい誰が、盗みを働くことができた」

「まあ座れよ。……まったく、最近のやつはカルシウムを摂らないからな」

「これが落ち着いていられるかっ」

 本来慌てるべき人間は目の前の探偵で、自分は探偵の悔しがる姿を見て笑っているはずだったのに……それとは真逆の状況に、男はさらに混乱していった。

 すると探偵は、落ち着いた声色でこう言うのだった。

「バカにもわかるように、わたしが犯人でない理由を三つにまとめて説明してやろう」

 そう言うと、探偵は狭い面会室の中を歩きまわりながら、人差し指を立てて、つらつらと言葉を継いでいく。

「一つ。わたしには犯行の動機がない。わたしはあんなにでかい宝石を身に着けたがるような成金ではないし、そもそもあの宝石はわたしが所有しているものなので、盗むもなにも、あれはわたしのものだ」

「は、はぁ……?」

「まさか知らなかったのか? ま、それも今から説明するところだ」

 探偵は部屋を一周すると、今度は指をもう一本挙げて、男のほうを向いた。

「二つ。君の言っていた、財力を用いたおかしなこと、というのは……くだんの宝石を、わたしが買ったことだろう。さっきも言った通り、あれはわたしの所有物だ。……あんな風にどこかに展示すれば、怪しい賊が現れて、面白いことにならないだろうかと思っていたんだが、まあ、期待外れということだ」

 男には、自分を見下ろす視線が、ひどく痛く感じられた。

 自分の理論は間違っていないと思いはするのだが、それを聞いて相手は動揺すらせず、あろうことか真っ向から否定され、予想だにしていなかった事態に陥り、彼は困惑しているのだった。

「最後に。わたしがここに来たのは、君の妄想を聞くためでなく、君に罪を認めさせるためだ。よって、間違ってもわたしが捕まることはない」

 そこまで言い切ると、探偵は満足げな様子で椅子に腰を落ち着けた。

 しかし、男にとってはそれで済ませられる話ではない。

 混乱のなかで、彼はなんとか理論を組み立てようと、呪文のように言葉をつぶやき続ける。

「ど、どうして……そんな、違う、違う。貴様の言っていることは、なんの証拠もないことで」

「窓」

「は?」

「窓だよ、君」

 君が犯人でわたしが犯人でない決定的な証拠は窓にこそあると、探偵は言い切った。

「あの窓、防犯のために固定されていたろう? だけど、そこを侵入経路として使うために、開くよう細工をしたのは君だ」

「ああ……そうだ、私は、外に出るための窓と、中に入るための窓を、それぞれひとつずつ……」

「そう。その窓の細工は、君しか知りえない情報だ。窓への細工がばれないように、開けられる窓の数は絞られているし、なにより開けるのには、開け方に工夫が必要なんだろう? だっていうのになぜ、わたしの助手が、窓から中に入ることができたんだ?」

「……それは」

「ほかに細工している窓がないことは、整備士として侵入していた君が、一番よくわかっているんじゃないのか?」

 男は、そのあとすっかり黙り込んでしまった。

 反論しようにも、目の前にある事実が、どうしようもなく自らを阻むのだ。

 自分の推理があり得ないものだと自分自身が証明してしまっているものだから、男はすっかり意気消沈してしまった。

 そして、そんな男に探偵は追い打ちをかける。

 サディスティックな笑顔が、なによりも魅力的だった。

「今朝、線路のわきで見つかったそうだよ」

「……見つかった? なにがだ」

「宝石だよ。忘れたのか? 君が窓から投げ捨てた、自由の女神の涙だよ」


 下


 廊下を歩く、二つの影があった。

 一つはとても大きく、けれどシャープな美しい形をした影だ。

「よかったですね。宝石が見つかって」

「ああ。傷もないようでよかったよ。わたしは、宝石に興味はないが、ああいうのが好きな人間もいるんだからな」

「それにしても、一人でよくやれましたね。内心心配していたのですが、ご無事でなによりです。……聞きましたよ? お手柄じゃないですか」

「たいしたことじゃないさ。ほら、これを見てごらん」

「ん。これは……診断書ですか?」

「彼は精神病を患っている。重度の妄想性障害だ。記憶の改竄、異常な執念。どれも典型的な症状だな」

「それは、まあ」

 探偵の隣に立つ、小さな影の主は、興味なさそうに返事をした。

「こっちはいい気分で、休暇を過ごさせてもらいましたよ。実家のほうに帰って、畑の手伝いをしていたのですが、あなたの面倒をみるよりずっと楽でした」

「言うじゃないか。……あの男は君のことを話していたよ」

「はあ? なんて言ってたんです?」

「なんでも君は、列車の窓から侵入して、宝石を盗んだらしいぞ」

 探偵は、朗らかな笑みで廊下を進んでいった。

 その大きな歩幅で、大理石を踏みつけ、かつかつと。

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