絶対の密室 問題編
ぜひコメントで推理してみてください
次は私の番のようだな。諸君待たせた。舟口桃華が謎を出してやろう。
髪が長くて、目は吊り上がっている。顔がすっきりとした印象がある、高校三年生という印象だ。
「あっ。お願いします。」
俺は咄嗟に答えた。なんか威圧しているような気がしたからだ。鷹に睨まれたらこんな感じなんだろうなぁ。自然と敬語になってしまう。
「これは、私の創作話だ。ただ、現実でも起こそうと思えばできる話だから、問題なかろう。」
皆が頷く。主と配下のヒエラルキーを言葉だけで生み出すとは大したもんだ。
「では、話すぞ。まず、ここに部屋がある。どこでもいい。なんなら、この部室ということにしようか。」
この部室は言ってしまえば単なる教室だ。黒板が先頭にあって、その後ろに席が続くというようなごく普通の。出入り口は二つ。一つは中からしか閉めれない、スライド式の錠。一つは中からも外からも鍵で閉める錠前。これは中からは鍵なしで閉められない。鍵は普通によくみる金属製の鍵である。柄の部分の穴にリール式キーホルダーが付けられている。そこのキーホルダーに特別室と書かれたテープが貼り付けられている。後ろにはロッカー。鍵は各生徒に配られた個人用鍵で閉めることができる。廊下側の横は掲示物。外側は窓がある。窓もスライド式の錠前。景色にはグラウンド、木々が見える。他の備品といえば、時計が前方の上にかかっていて、その横にスピーカーがついている。その近くにプロジェクター。というような配置である。
ただ、これは舟口さんの創作だから、どこまでが彼女の想定したトリックに使われる道具なのかはわからない。
「それでだ。仮に私としておこう。夏休みに船口が昼の正午にこの教室に忘れ物を取りに行ったとする。そうすると鍵が閉まっているんだ。で、わたしは職員室に鍵を取りに行った。ただ、鍵はなかったんだ。そこで不審に思ったから先生に報告。どうしても開かないので、窓から入ることにした。幸いここは2階なんだ。だから脚立を使って2階まで上り、そこから窓を開けて侵入しようとした。そこで、先生は死体を見ることになる。頭部を斧でぐしゃりとやられていたからな。先生もことの重大さに気づいたらしい。窓を壊して侵入したんだ。そうだな大体12時40分を過ぎたところだったかな。そうすると妙なことに、部屋にはだれもいない。なのに、密室だったんだ。ここでいう密室とは内部からは解除できるが、外部からは如何なる侵入者も拒むという意味と定義づけておこう。その時の状況だ。女子生徒の頭に斧が突き刺さっていた。かなり奥まで差し込まれていたからそれなりの力が必要だな。で、この部屋の鍵は鍵穴には刺さっていた。ただ、それは施錠されていた。周囲には何もない。教室もこの部屋と全くの同一であることを保証しよう。勿論、鍵は除く。これが私の出すミステリだ。」