メシマズ属性 リアルだと命に危険性が有るというかトラウマ
次の日。
目的の場所に着いたら何故か香ばしい香りがした。
ジュウ~~。
ジュウ~~。
油で揚げる音が聞こえる。
香ばしい魚の匂い。
ジュバッ!
三杯酢に浸けた魚の丸揚げは辺り一面に酸味のある匂いが漂う。
その匂が鼻孔を擽る。
ゴクリ。
思わず唾を飲み込んでしまう。
「おい」
「お~~カイル来たのか」
「来たのか? じゃない」
「何?」
中華鍋に満たした油で揚げたサバを三杯酢に浸ける柴犬。
肉球……ではなく。
手で器用に菜箸を使いサバを揚げる柴犬。
「何やってるの?」
「両親が魚釣りに行ってサバが取れた」
「そんで?」
「なので唐揚げにして三杯酢に浸けてる」
「じゃないよ何で呼び出したの?」
「ゑ? お裾分け」
「……」
三杯酢に浸けたサバを差し出す柴犬。
此奴ズレてる……。
「あ……嫌いだった?」
「いや……好きだけど」
「そうか~~良かった~~でないと我慢して食う羽目になる所だった」
「我慢って……嫌いなのか? 揚げ物」
「いんや魚全般苦手」
おい。
「何で其れで魚を調理してる? というか良く食う気起きるな」
「あ~~魚が苦手な理由聞いちゃう其れ?」
「いや良い聞かない」
「其れはねえ~~」
「聞けよ」
いや本当に。
「母親がメシマズ属性だから」
「は?」
「だがらガチのメシマズ属性」
「え? リアルでガチ?」
「うん面倒だから適当に火を通して味をつければ良いと思ってるの」
「あ~~」
居るの?
本当にそんな奴。
「因みに成人するまで御飯は御腹を膨らませる物と思ってました」
「ゑ?」
聞き違いかな?
「生臭くて油こくて塩辛く不味いのが普通と思ってました」
「ええ~~」
実感の籠もった声だ。
此れはガチなやつだ。
「なお其れで父親は尿道結石になったし」
「え?」
「しかも三回」
「マジで」
「三回目は尿道に癒着して腎臓が片方使えんことなった」
「ゑ? 何で病院行ったんだろう?」
「個人の病院なんだけど其処が悪質でね」
「何したの?」
「結石を砕かずに痛みだけ止めてた」
「其れ治ってないじゃん」
「それで腎臓が使えなくなった」
「うわ~~」
悪徳医師じゃん。
此れは訴えたんだろうな~~。
「しかも其の体質は僕にも受け継がれ福岡に居る時結石が出来た」
「悲惨」
遺伝子って怖いね。
「後は全員高血圧だね塩分の多い料理を毎日食べてたから」
「踏んだり蹴ったりやね~~」
メシマズ属性。
下手すれば命に関わるということか……。
親は選べないと言うけど。
せめて御飯だけは美味しいのを食べたいよね。
「アレ? オチは?」
「ゑ? 雑談だよ?」
「そうでしたあああああっ!」
雑談にオチを期待するのは無理だね。




