第一章プロローグ「この死にかけた世界で」
美少年にコンプレックス吹き飛ばしてもらいながら性癖をぶつけたいっていうのを混ぜ込んだ小説です
この一度死にかけた世界で、私は校舎の窓から飛び降りた。
私が産まれる少し前、隕石の破片が降り注いだらしい。
世界中の人が頭を寄せてどうにかして隕石を逸らせないか、壊せないか、必死になって考えたけれど、それでも小さなたくさんの破片が世界中に降り注いで、被害を免れた国もあれば、とてつもない被害を受けてしまった国もあって大勢の人が死んでしまった。
私が住むHALも、たくさんの人が死んでしまって元々首都があった場所には大きな大きなクレーターが遺っている。
すごく大変な時期が続いたらしい。
食べる物にも困って、寒さに凍えて、職が無くなって、それで自殺してしまう人もたくさんいたみたい。行き場のない怒り、見えない不安に他の国を羨んで戦争を始める国も出てきた。
もう誰もが世界の終わりを信じた。
けれど、世界は滅亡しなかった。
だから、私は今ここで生きて、苦しんで、前途の通り、校舎を飛び降りた。
目に映る世界がスローモーションで流れて、頭に過ぎるのは過去のこと。
辛い時期があったんだ、お前より辛い目にあってきたんだ、お前より辛い目に遭ってる人がいるんだ。
だから、なんだって言うんだ。
私はいつも考える。どうして世界は隕石が降り注いだ時に滅びなかったんだろう。
死に体のまま生き延びたって、あとに産まれる人が苦しいだけだって、思わなかったのかな。それとも、まだこの世界に未練でもあった?
私だったらもう投げ出してしまいたいくらいにこの世界が大嫌い。
でも、これでおさらばかな。
――これは地球とよく似た惑星の、流星にまつわる物語。