Error Code 001 プロローグ
はじめまして、小倉あゆと言います。
失恋をメインにして書いています!青春の切なさ、甘さが伝わる作品を書いていきたいなぁーと思っています!
俺は、恋が出来ない。
…というか、してはいけないんだと思う。
女子が怖くて話せないとか、過去に女子にいじめられてそれ以来トラウマとかは全くないし、むしろ普通に可愛いとかも思う。
それでも俺は、「好きになる」という行為というか、感情を持ちたくない。
もうあんな思いは二度としたくない。
”あんな思い”なんて言うと大袈裟かもしれない。
誰もが経験するであろういわゆる失恋ってやつだ。
ただ、普通と違うのは恋がトラウマになるというか、信じられなくなるレベルの失恋ってこと。
他の人からしたらなんてことないただの失恋かもしれない。でも、俺にとっては大きな出来事だった。
そのおかげで今でも
「お前らいい感じじゃん!」とか、
「もしかしたら脈アリなんじゃない!?」とか、
「お似合いだよー!」とか
なんの確証もないただの推測は一切信じられなくなった。
その”あんな思い”というのは、俺が高校に入学してすぐのことだった。
俺には中学が同じで、何度かクラスが同じだった好きな人がいた。
この春晴れてお互い同じ志望校に合格したから俺は内心めちゃめちゃテンションが上がってた。
実は中三の時、俺はそいつに告白したけど返事はうやむやにごまかされてしまったまま高校生になってしまった。
今思えば、その時に諦めてしまえばよかったんだと思う。
俺は、高校生になってからそいつと毎日LINEするような仲になった。
ある時、勇気を出してそいつを放課後の寄り道に誘った。
そいつは意外とすんなりOKしてくれたからその日ならいけるかもしれない、と思ってもう一度告白することを決心した。
その日はお互い部活の後だったから1時間ぐらい駅前のスタバで話した。
だから帰りは夜8時ぐらいだったかな。
月が綺麗な日だったのを覚えている。
そして、タイミングはさすがに寄り道中だったら気まずくなるかもしれないから帰り道の、信号待ちの時を狙った。
心臓がばくばくして、顔が熱くなる。
でもなぜか、頭は冷静だった。
脳内シュミレーションは何度もした。
授業中とか、登下校の時とかになんて言えばいいか、どの言葉がいいか何度も何度も考えた。
落ち着け自分。
あとは口にするだけだ。
声が震えそうになるのを抑える。
「知ってると思うけど、俺はまだお前のことを諦められてない。もしよかったら俺と付き合って欲しい。」
やっぱり全部シュミレーション通りには言えない。
でも、伝えたい事は伝わったはず。
そう言うと、
「うん、知ってる。ありがとう。」
そう、少し照れくさそうにあいつは笑った。
その笑顔を見て、やっぱり好きだなぁと思った。
俺はなんだか急に緊張してきて、
「返事は待つから。ゆっくり考えて欲しい。じゃあ、気をつけて帰れよ。」
赤くなった顔を見られないようにするのに必死だった俺は、そう素っ気なく言って
「今日はありがと!ばいばい!」
というあいつの顔を見れずに自転車を漕ぎ出した。
その時の俺は”やっと言えた”という達成感でいっぱいだった。
正直、その時は勘違いかもしれないけど脈アリなんじゃないかと思った。
…ただし、告白の返事が来るまでは。
それから数日後、あいつからLINEで返事が来た。
画面を開くとそこにはたった一言
「ごめん、やっぱ無理です」
と書かれていた。
最初それをみた時、正直理解出来なくて固まってた。
当然だ。脈アリかもしれないと思ってた相手から急に
「無理」
なんて言われたんだから。
今すぐあいつに会って理由を問い詰めたかった。
でもそんなことしたら重いとか言われるんだろうな。
頭が真っ白になって、涙も出なかった。
あんなに好きだったのに。
「なんで?」
がずっと頭の中をぐるぐるしてて、生きているのに死んでいるような、上手く笑えない日々が1ヶ月ぐらい続いた。
そして後日、俺は驚愕の事実を知ることになる。
俺を振った約一週間後、あいつには名前も聞いたことない(つまり違う中学出身)、性格は良さそうだけどたいしてかっこよくもない(教えてくれた友達情報)彼氏ができたらしい。
教えてくれた友達は、嘘をつくようなやつじゃない。
だからこそ、”嘘だ”と否定することもできない。
誰か嘘だと言ってくれ、と願っていた。
でも、やっぱり現実だった。
俺はそれを知った時、なぜか”悲しみ”でも”嘆き”でもない”怒り”という感情が溢れて来て仕方がなかった。
「上手く行きそうと思ってたのは俺だけだったのかよ」
「LINEでしか話したことがない、よく知らないような奴と付き合うのかよ」
「こんなタイミングで振るぐらいなら、中学の時にはっきり振ってくれたらよかったのに」
「期待させるようなことするなよ」
──そんな負の感情ばかりが溢れて来てしまって。
”あいつと話したくない”
”あいつの顔を見たくない”
”こんな記憶消してしまいたい”
そんなことばかりを考えながら毎日を過ごすようになってしまった。
つまり、俺の高校生活は最悪のスタートを切ったのだ。
それでも不幸中の幸いだったのは、俺には親友がいたということだった。
親友であり幼なじみの香月翔にこの話をすると、第一声は
「お前は悪くない」
だった。
俺はこの一言を聞いた時、心が軽くなった気がした。
ずっと、誰かにそう言って欲しかった。
翔はいつも俺が欲しい言葉をくれる。
まるで魔法使いみたいだ。
笑えなかった日々から、少しずつ、ぎこちないながらも笑える日々に変わって行った。
俺はこの一言に救われた。
たぶん翔がいなかったら、俺は壊れてしまっていただろう。
そして今、俺はまだこのことを乗り越えられずにいる。
忘れてしまいたいのに、忘れられない。
また好きな人が出来ても、またこうなってしまうかもしれない。
そう思うとひどく臆病になってしまう。
それなら俺は好きな人も、恋も必要ない。
この苦しさも、この辛さも全部これで最後にしたい。
──そう考えるようになった。
過去の失恋にとらわれた俺は、まだ明るい未来なんて想像できない。
俺は失恋しか知らない。
だから、まだ新しい1歩を踏み出す勇気が出ない。
でも心のどこかでは新しい恋をしてみたいと思っている。
これは矛盾だと分かっている。
自分でも自分が女々しいと思う。
それでも、簡単に考え方を変えられない自分がいる。
俺はこの失恋を乗り越え、新しい自分になることができるのだろうか___。
いかがでしょうか?
まだ1話なのでキャラ設定などわからない所が多いと思います。
2話からも投稿して行く予定なのでお付き合いよろしくお願いします!
もしもっと早く続きが読みたいという方がいれば、インスタやpixivにも掲載中です。
インスタ:あゆ(ayu_ogara)
pixiv:小倉あゆ
インスタのDMに来てくれたら1番早く最新話が読めます!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!