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アラサー転生記  作者: 藪科学者
チュートリアル
2/2

#2 探索

お久しぶりです。

 目が覚めるとそこは・・・


 「異世界なんだよな〜」


 俺はいい加減に現実を受け止めることにした。

 家に帰り、バッタリと出くわした空き巣に殺され、神様に出会い、異世界に転生し、ドラゴンに襲われ、魔法を撃って、その余波で気絶したという現実を。


 「にしても、いろいろ起こりすぎじゃね?」


 とりあえず、気絶する直前に見つけたログを確認する。


 【ログ】

 ーーーユニークスキル「#$&#*@+!¥」を手に入れた

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーー魔法「爆裂魔法」を手に入れた

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーー魔獣「翼竜(ワイバーン)」を倒した

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーーアイテム「翼竜(ワイバーン)の死骸」の回収に失敗した

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーー魔獣「ゴブリン・兵士」を倒した×41

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーー魔獣「ジャイアントボア」を倒した×5

 ーーー魔獣「キラーラビット」を倒した×13

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーーアイテム「ボロボロの短剣」を回収した×7

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ーーーレベルアップ(Lv59→Lv60)した

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 「あれ、翼竜(ワイバーン)だったのか。翼竜(ワイバーン)が落ちた場所でゴブリンが魔獣と戦ってたのかな?一番初めに書いてある謎のユニークスキルはなんなんだろう。ツッコミどころ多すぎなんですけど。。。」


 設定からログを常時表示するようにして、見逃さないようにしておく。

 俺が好きだったRPGのインターフェイスにどことなく似ていたので、設定も簡単に出来た。

 とりあえず、翼竜(ワイバーン)が落ちたあたりに向かうことにする。

 他の魔獣の死骸はアイテム欄に回収されゴブリンのものと思われる武器や防具も回収されているのに、どうして翼竜(ワイバーン)の死骸が回収できなかったのかも気になるしな。


 歩きつつ、メニュー欄を見る。

 先ほど翼竜(ワイバーン)が近づいて来ていた事をいち早く教えてくれたのは「危機感知」というスキルだった。

 そして、その直前に勝手にスキルが有効化(アクティベート)されたようだ。

 スキル欄を見ると、いろいろ並んでいるスキルの中で「危機感知」だけが有効化(アクティベート)されていた。


 「神様が死なないようにしてくれたのか?」


 いや、だったら転生(スポーン)させる位置を考えろよ。

 悪態を吐きつつスキル欄を見ていたが、「ユニークスキル」の項目はなかった。

 ちなみに、スキルの有効化(アクティベート)はいつでも行えるようだ。


 「有効化(アクティベート)されたスキルを無効化(ディアクティベート)する事もできるみたいだけど、必要あるのか?この機能・・・」


 とりあえず、獲得済みのスキルはすべて有効化(アクティベート)しておいた。

 というか、スキルゲットしすぎじゃね?

 こんな簡単に手に入ってていいのかよ。

 転生したばかりだというのに、既に約20個ものスキルをゲットしている。


 「スキルレベルって書いてあるけど、どうしたらレベルが上がるんだろう。」


 考えていても仕方がないので、今度はアイテム欄を眺めてみる。

 木の実や薬草、武器、防具、そして魔獣の死骸が入っている。


 「うげ、死骸のまま回収されてるのかよ。」


 部位ごとに分けて回収して欲しいもんだ。

 魔獣の肉を食べることには抵抗があるし、とりあえずは木の実を食べる事にしよう。

 そんな事を考えていると、翼竜(ワイバーン)の死骸が見えて来た。

 俺は緊張感を高めながら、マップとログに注意しながら、周囲を警戒して進む。


 「でっかいなぁ・・・」


 俺の語彙力ではこれ以上の言葉が出てこなかった。

 ひたすらに大きい。

 小山のような紺色の塊が、横っ腹だけ真っ黒に焦げている。


 「えっと、この近くに川は・・・」


 決して現実逃避をしているわけではない。

 翼竜(ワイバーン)を殺してしまったという罪悪感や、こんな巨大な生物がいる世界で生きていかなければいけないと言う現実や、色々ありすぎた事による疲労感が一気に襲って来たわけではないのだ。


 川の水で喉を潤し、ゴブリンのものと思われる短剣を取り出す。

 もちろん、呪われていないものを選んだ。

 それをしっかりと洗う。


 ーーースキル「洗濯」を手に入れた

 

 違う気がするが、まぁ良いか。

 とりあえず有効化(アクティベート)しておく。

 何本かの短剣を洗い、ちょうど良さげな石を探して刃を研ぐ。


 ーーースキル「研磨」を手に入れた


 一通りの作業が終わったところで重い腰を上げ、翼竜(ワイバーン)の元まで戻る。


 「流石にこのままじゃ悪いしな。」


 せめて美味しく食べてやろうと、解体することにした。

 大きすぎるので、どこから手をつけて良いかわからない。

 まずは、焼けて黒くなっている部分に短剣を突き立てて皮を剥がしていく。

 固すぎる。鱗が取れているにも関わらずこの硬さがあるとは。


 気合いを入れ直して、一気に皮を剥がす。


 ーーースキル「解体」を手に入れた

 ーーースキル「基礎体力」を手に入れた


 「はぁ・・・はぁ・・・。これ、あとどれだけかかるんだよ・・・」


 先の見えない作業なうえ、焦げた皮を剥がすだけでこの重労働だ。

 獲得したばかりのスキルを有効化する。


 「これで多少は楽になれば良いんだけど。」


 俺は黙々と作業を進めた。

 「解体」スキルのおかげか、どこから処理すれば良いかがなんとなくわかった。

 そして、解体と基礎体力のスキルレベルが2になっていた。

 このことから考えると、有効化した状態のスキルを使うとレベルが上がるようだ。


 ーーースキル「推理」を手に入れた


 お腹が減って、良い感じに焼けていた翼竜(ワイバーン)の肉を食べてみたが、びっくりするぐらい硬かった。

 仕方がないので木の実を食べた。


 日が落ちて暗くなって来たので、野宿する場所を決める。

 流石に森の中で寝るほどアホではない。

 かといって、どこが安全かはわからない。

 平原にするか川の側かで迷った結果、川の側にした。

 理由は簡単。

 トイレが簡単にできるし、汗をかいたので体を拭いておきたかったのだ。

 安全性に関してはマップと「危機感知」スキルのおかげでなんとかなるはずなのだが、全然眠れなかった。

 外で野宿した事なんて無かったし、仕方がない。


 翌朝、川で用を足して朝食に木の実を食べ、解体作業に戻った。

 言い忘れていたが、解体した部位はアイテム欄に収納されてくれている。

 多分だが、翼竜(ワイバーン)の死骸は大きすぎて入らなかったのだと思う。


 「あ〜疲れたぁ〜」


 昼過ぎまでかかってようやく解体作業が終わった。

 鱗は硬すぎたので、そのままアイテム欄に入れてある。

 武器や防具に使えそうだし、売ればお金になるだろう。

 昔やってたRPGを思い出してきたぜ。

 最終的に、解体と基礎体力のスキルレベルが4になっていた。

 

 「アイテム欄に入てあるのはいいけど、腐らないかな?」


 干し肉とかにして保管するのがいいんだっけ?

 めんどくさいのでとりあえず翼竜(ワイバーン)の肉は放置して、ジャイアントボアとキラーラビットの肉を焼いてみることにした。

 木の実の在庫は、このペースで行くと3日分くらいだ。

 アイテム欄に火起こしが出来そうなスクロールが入っていないか期待したのだが、昨日使ったスクロールの他にはスクロールはなかった。

 魔法の使い方は知らないので、森で拾って来た小枝と木片を使って火を起こしてみる。

 3時間かかった。


 「ガスがないだけでこんなに不便なのか・・・」


 元いた世界の高度な文明に気づきつつも、黙々と肉を焼いていく。

 相変わらず翼竜(ワイバーン)の肉は硬かったが、兎の肉は臭みはあるものの柔らかくて美味しかった。

 猪の方は、臭みが強くて食べれたものじゃなかった。

 どうせなら、酒に漬けて臭みを取ったりして美味しく食べたい。

 といっても酒が手に入るめどが立つはずもなく、腐らせてしまうのももったいないのですべて焼いておいた。

 さて、これからどうするかな。


 「いつまでもここにいても仕方がないか。」


 いい場所ではあるが、自給自足の生活は長続きしそうにないし、また翼竜(ワイバーン)が襲ってくる可能性もある。

 できれば人間のいる場所に行きたいが、マップで人間の街を検索しても出てこなかった。


 「まぁ、流石にそうですよねぇ。」


 翼竜が襲ってきた方向には右から左まで永遠と長大な山脈が続いている。

 高低差がかなりあり超えられそうにないことと、翼竜(ワイバーン)が飛んでくることも考え、少し距離を取りつつこの山脈沿いに南下していくことにした。

 マップで見たところ北側には海があり、進めなくなる可能性が高いからだ。


 この世界に来たばかりなので、よくわかっていないこともある。

 なるべくモンスターに出会わないよう、慎重に警戒しつつ進んでいこう。


 「長旅になりそうだ。」


 荷物も故郷もないので、さっさと出発する。


 昨日転生した場所まで戻ってきた。

 

 「この世界での初期スポーン地点だし、目印をつけておこう。」


 どうせ長旅になるのだ。ゆっくり進んでいけばいい。

 そう思って、ストレージの中から目印にできそうなものを探す。

 何も入っていない。

 とりあえず、昨日川辺で研いでおいた長めの剣を突き刺しておくことにした。

 刃渡り1mほどの細剣(レイピア)だ。

 地面が硬いだろうと思い、思い切って地面に突き刺す。


 「おわっ!?」


 思ったよりも地面が柔らかかったようだ。

 鍔までめり込んでしまい、ほとんど見えなくなってしまった。

 マップに初期スポーン地点というマーカーをつけておく。

 なんというか、記念だ。

 ここから俺の異世界での冒険が始まったという証。


 「俺は、この世界で生きていくぞ!」



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 決意を新たに出発して3日。

 俺は荒野をさまよっていた。

 木の実と肉があるので食料には困っていないが、いかんせん水が心もとない。


 出発した草原では膝高ほどの草が生えていたが、次第に植物が少なくなり、遂に植物が一切なくなった。

 まるでグランドキャニオンのような景色が広がっている。


 そして、相も変わらず右手には高山が永遠と連なっている。


 「初期スポーン地点の位置くらい、もう少し考えてくれよ。」


 神様に悪態を吐きつつ歩き続ける。

 そしてマップが更新されたその時だった。


 ピーーーーー!!


 聞き覚えのある警告音が鳴り響く。

 画面いっぱいにっ表示される「危機接近中」の文字。

 気を引き締めて周辺を警戒する。

 またワイバーンか?

 山のほうを見たが何もない。

 マップには敵を表す赤い点が一向に表示されない。

 どこだ?

 周囲への警戒を高める。

 何かあるはずだ。

 さっきまでとは違う何かに気づけ!

 どこだ?何が原因だ?


 コロッ...


 小石が転がるかすかな音を俺の耳がとらえた。


 「地面が、揺れてる?」


 そうだ。ほんの少し、わずかに地面が振動している。

 いまだに敵を表す赤い点は表示されない。


 「まさか!地面の下か!?」


 原因が分かったところで俺にできることは少ない。

 なるべく高い位置に行こうと、丘になっている部分に向かって走りだす。


 「くっそ。何かないのか?」


 アイテムボックス内から、剣を取り出す。

 これでどうにかなるもんでもないだろ。

 万が一に備え、スキル欄を確認してすべてアクティベートされていることを確認する。

 そういえば、スクロールはないけど、スクロールで発動した魔法はゲットできたんだっけ。

 スキル欄の横にあった魔法欄を開く。


 グァルァ”!!


 地面から巨大なミミズのような生物がすさまじいスピードで飛び出してきた。


 「あっぶねぇ。さっきまでいたとこじゃん。」


 危機感血スキルが働いていなければ、確実に巻き込まれていただろう。


 「あっ。」


 ミミズと目が合ってしまった。


 グァルァ”!!ガルウゴアルクシュ!!


 何かに駆り立てられるかのように、ミミズが俺に向かって一直線に進んでくる。

 くねくねと地面を進むその姿はまるで蛇のようだ。


 俺は魔法欄から爆裂魔法を選択し、十分に引き付けてから実行を選択する。


 「よし、これで!」


 ドガァブァルクシュ!!ズドーン!!


 俺がいた丘にミミズが突っ込み、俺は50メートル近く吹き飛ばされた。


 「・・・・えっ?」


 俺はしばらく何が起こったかわからず、その場に座り込んでいた。

 

 グァルァ”!!ガルウゴアルクシュ!!


 ミミズが起き上がった。

 どうやら魔法は発動されなかったようだ。

 どうしてだ?

 いや、そんなことをかんがえている暇はなかった。


 ミミズはすぐそこまで迫ってきた。


 「くっそ!どうすれば・・・・」

ログを全部書いていたらきりがないので、重要なところだけピックアップして書いています。

次話がいつになるかもわかりませんが、卸くお願いします。

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