表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

自己紹介2

本日2話目です。

面白い自己紹介とはなんだろうか。

そんなことを考えていた。

そもそも自己紹介に面白いも面白くないもあるのだろうか?

淡々と自分の好きな物や将来の夢、自分の事柄について話した後、最後に自分の名前を述べるだけが自己紹介では無いのか。

「……1年間よろしくお願いします!」

前の席の人の自己紹介が終わった。

(いやほんと何言えばいいの)

順番が回ってきたのでとりあえず立った。だが直ぐには口は開かない。

何せ何も考えてないんだもの。

けれど何も話さない訳にも行かない。

そう思った自分はとにかくなんでもいいから自分のことを話そうと口を開く。

「澤木昂です、好きな教科は美術と体育でーーー」と述べたあたりでふと横を見てしまった。

それがダメだった。彼女と目が合った。意識してしまった。

たちまち顔は茹で上がり、自身の脈はこれでもかと言うくらいに激しい音色を奏で始める。

自分はここまでウブだったのか?確かに初恋だが、魅了効果でも受けているんじゃないだろうか。

まだ冷静な判断ができている(かは怪しいが)大丈夫だ。そう思っていた。

だが、思考よりも口の方が正直だった。

「ーーーそして今日、初めて人を好きになりました。」

すぐさま視線を下に落とし、この状況を確認するために思考を巡らせた。

……これはやってしまったのでは?なんで言った?訳が分からん、馬鹿か、馬鹿なのか自分は……

隣を見るのが怖い。こんなの名指ししてるようなものじゃないか。

クラスメイトは中学生、しかも思春期真っ只中ということもあり、自分の失言に大して言及してくるような声ばかりが上がってくる。

自分はとりあえず、周りの言及に苦笑いを浮かべながら席に座った。

担任は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしていたが、少しして微笑ましい様なものを見たというような顔に変わった。

そんな顔で見ないでくれ。まさか自分も口に出るとは思わなかったんだ。

それはともかく問題は彼女の反応だ。状況が状況で先程から彼女の方見ていないので、どんな顔をしているのかわからない。

なんだか不安になってきた自分は振られることなど重々承知、意を決して隣を見やると、そこにはよもや自分の事のはずがないだろうと、自分が誰が好きなのか気になって仕方ないという顔をしてこちらを向いている彼女がいた。

助かった……彼女が鈍感で……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ