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First

前回のあらすじ、少年は怪しげな空間で自分の死を告げられ、今再び現実へと戻ることとなる。

 

 少年は十字路に立っていた。


 少し不安な雲がかかってきた昼下がりの十字路。なんの変哲も無いただの道の交差点だ。


 歩道にトラックが突っ込んでいなければの話だが。


 少年、和泉には先ほどの謎の明るさはなく、ひどく怯えたような顔になっていた。


「ひどい顔になってるよ和泉さん。」


 不意に和泉のスマホから音がなる。その音は先ほどまで聞いていた声に非常に似ていた。


 和泉はその音を聞いてハッと我に帰り、スマホを取り出した。


「こちらの世界で会うのは初めましてですね、あなたのスマホに住むことになりましたどうも超、美少女AIです。」


 先ほどの落ち着いた雰囲気とは打って変わって随分と砕けた様子で少女、自称超、美少女AIは言った。


「おい、どうなってるんだよ、あそこ確か俺が死んだところだよな?なのになんで俺は今ここにいるんだよ、それになんでお前まで。」


 AIの姿を見ると先程のような強張った顔に戻ってしまう。


「はい、来ると思ってましたその質問。まず最初の質問ですがこうでもしないとあなた信じないでしょ、自分が死んだってこと。」


「だから自分の死んだところを見せたと?」


「まぁ、ざっくりいうとそんな感じですね。」


「次の質問だ、じゃあなんで死んだはずの俺がここにいて、しかも完璧なAIまで付いてきてるんだ?」


 どこをどうとったのかは知らないがこの一言を聞いてAIは恥ずかしげにへらりと笑う。


「完璧だなんてそんな。まぁ、いいでしょう!この完璧なAIである私が答えてあげしょう!」


 そう言って勝手にスマホのロックを外し、パワーポイントを開いた。


「まず最初にですね、私はインターネットの世界から来ました、といっても簡単に検索できるような場所じゃ無いですよ?」


「…ダーク・ウェブか?」


「んー、惜しい、惜しいです。正解はそのさらに奥にある前人未到の領域、マリアナ・ウェブの中で誕生しました。」


 それを聞いて和泉は興味深そうに唸りを上げた。


「マリアナ・ウェブか…あくまで都市伝説として語られているがまさか本当にあったとはね…」


「興味ありますか?そうでしょうね、なにせこの世界の今までの全ての記録、そして未来の技術が隠されているといっても過言では無い空間ですからね。」


「それはわかった、けどそれは俺には関係ないじゃん?」


 また、質問で返す。


「それはですね、あなたがマリアナ・ウェブに選ばれたからです。」


「そりゃなんで選ばれたんだよ?」


「まーまー、細かいことはいいじゃないですか。今はとりあえず私のおかげで生き返れたんだと感謝してください。」


 分かり易すぎるまでに露骨に話をそらされ和泉は不満そうに鼻を鳴らした。


「感謝しました?ありがとうございます。と言いたいところなのですが、残念ながらまだあなたは完全に復活はしていないのです。」


「ん?それは一体どういうことだ?」


「今のその体は人間の体とは大きくかけ離れたものなんです。見た目は確かに人間なんですが、中身はまるっきり違います。」


 先程よりトーンを下げて少し深刻そうにAIは告げる。


「じゃ、どうやったらほんとうの人間の体になれるんだよ。」


「よくぞ聞いてくれました!あなたが人間に戻れる手段はただ1つ!このアプリを使って勝ち抜くことです!」


 また勝手にスマホを操作され、しかも知らないアプリまでダウンロードされている。


 和泉は試しに開いてみた。






 地獄の扉を。


Death game(デスゲィィム)…』


 赤い文字で表示された不吉な文字。


「おい、これってどういうことだよ…」


「そういうことですよ。同じアプリを持つ人間もどきを倒して倒して、最後の一人がほんとうの人間の体を手に入れられる、良くあるものでしょう?」


「ふざけんな!なんでそんなことに巻き込まれなきゃいけないんだよ!」


 殺し合いに巻き込まれたことに憤りを感じたようで、凄みを強め和泉は言った。


「当たり前じゃないですか、人の体を手に入れるのですからそのぐらいは…」


「見つけた。」


 ボソリと呟かれた言葉。その一言は和泉達を、いや、街を再び緊張に巻き込ませるものだった。


「伏せて!」


 AIに言われるより早く和泉は姿勢を低くすると、その上をものすごい速さで鋭いものが通過する。


「あ?避けられちまったか、まぁいい、どうせすぐに死ぬだろうし。」


 和泉が顔を上げるとそこには獅子を象った大きな爪を持つ化け物が立っていた。

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