講義
講義の内容は主に二つに分けられた。
一つ目は属性について。
世界には四つの属性、火、水、風、土の四属性がある。しかし、一般に知られていないものが二つ。それが白魔法と黒魔法らしい。
「私は黒魔法と火、風が使えるわ。白と黒の魔法については詳しくはわかっていないの。私も会ったことがあるのはあなたを含めて三人ね。」
「三人?他にもいるのはなんとなく理解できたが、魔女様もそんなに見たことがないのか?」
「ええ、だから希少なのよ。そして質も違うみたいなの。私の他に黒魔法が使える人がいたけれど、性質が違っていたの。」
どうやら魔女の話によると、黒魔法だからといって同じ魔法が使えるわけじゃないらしい。
「待てよ?俺のは白魔法なんだよな。黒魔法の魔女様は俺に教えられるのか?」
黒魔法は使えても白魔法は使えない。性質が違うなら白魔法を見たことがあっても教えられるとは考えにくい。
「無論、教えられるわ。たぶんね。」
さらっとたぶん、とか言ってるよこの人。
「まあ、これで魔法についてはわかったかな?」
「何もわかってないってことはわかった。」
そう、結局のところ、この女の説明は黒と白があるということだけだ。
「よし、それじゃ次に移るわよ。体で覚えなさい。」
結局それか。でもほんとに教えられんのか?
そして、二つ目の講義、特訓が始まった。




