魔法
魔女。この世界の恐ろしいものの一つ。
そして今目の前にいるのは可愛らしい女の子だった。
「して、まずは名前を聞こうか。」
淡々と話してるけどなにこれ?
魔女が幼女?でもさっきまで大人だったし、口調もこんな感じだったし……。
「おい、何を黙っている。まさか、この可愛さにみとれていたの?」
「ち、違う!ていうかその姿はなんだ?!お前は魔女じゃないのか?」
いまだに信じられない。こんな子供がウェストを半壊?冗談じゃない。
「そうよ。私が魔女イザベラ。あなたは?」
「えっ、あー俺はエアル…です。」
なんで自己紹介してんの、俺。
そういえば気になっていたことがある。
「おい、俺に魔力があるって言ってたな?どういう意味だ?」
そう、なぜ魔力のない俺にそんなことを?
「私には魔力が見えるのよ。驚いた?」
そういった彼女の目を見ると左目に光がなかった。
「あなたには魔力があるわ。しかも人の何倍もね。」
そんなはずはない。だって、俺は……
「魔力がないって言われたのね?」
悔しかった。
誰もが持っているもの。それがない。
どうして俺が……!
「安心なさい。あなたにその魔力の使い方、教えてあげる。特別よ?」
「俺の魔力?」
「あなたのそれは白魔法ってよばれているわ。主に私にだけど。」
聞いたこともなかった。でも、魔法が使えるなら、
「教えてくれ!」
「ください」
「…教えてください。お願いします。」
こうして俺は魔女と数か月ほど過ごすことになった。




