表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マギクラフト・マイスター  作者: 秋ぎつね
79 捜理協会篇
2980/4344

79-07 作戦開始、だが……

 老君による『島基地』の調査報告が続いている。


『内部の資材は、持ち出された結果、ほぼ0です。そのため、今後も施設を使うなら、資材を持ち込む必要があります』

「なるほど。……地理的には結構重要な場所なんだよなあ」


 外洋航海とまではいかないが、ショウロ皇国とセルロア王国を船で結ぶなら、途中の寄港地として使用することもできるわけだ。

 リゾート地にもなるだろう。


「その時の管理はユミィとヴェラに任せるか」

『はい、御主人様(マイロード)。……だいぶ前に各国に配った『アルス儀』にはよく見るとあの島々も描かれています。これまで気にした人はいなかったようですが。それはすなわち関心の薄さを示しております』

「それはそうか」

『はい。ですので、そこを御主人様(マイロード)が、あるいはマキナ3世が借り受けて管理し、寄港地として整備するのがベターでしょう』

「おお、なるほどな。今回の騒動が終わったら申し入れてみよう」

『それがよろしいかと』


 ショウロ皇国には『アドリアナ記念館』、フランツ王国にはサーキット、クライン王国には飛行レース場を建設したり整備したりしてきた仁である。

 セルロア王国にはマリンリゾート……というのもいいかもしれない。


『併せて『船の博物館』的なものを建てたらいかがでしょう』

「お、それはいいな」


 仁が意図せず貯め込んだ莫大な財産を使い、経済を活性化する目的にも適う。


『その場合、建築・土木業者はセルロア王国に依頼することになるかと』

「それはそうだ。……だが、それはまた今度だな」


 こういう検討の方が楽しくて好きなのだが、まだやるべきことが残っているので、嫌々ながら話題を転換する仁。


御主人様(マイロード)、『島基地』についての報告は以上です。引き続き調査を続行します』

「わかった」


*   *   *


 いよいよ、『ルトグラ砦』の攻略についての打ち合わせだ。


「今の『島基地』の報告を聞いて、おぼろげながら目指す方向が見えてきたよ」

『それは何よりです。お聞かせください、御主人様(マイロード)

「うん。大半の武装をいでからセルロア王国に引き渡そう」

『なるほど、そういうことですか。では、武力制圧ですね』

「うん」


 老君には、仁の意図することが理解できた。

 武力制圧なら、地下施設の武装が破壊され、使用不能になってもおかしくはない。

 そして魔導頭脳も最後まで敵対したので『仕方なく』破壊あるいは無力化されるのである。

 その後、仁たちが復旧するわけだ。その際、危険性を減じるため、元どおりではなく『多少』都合よく改変することもあるだろう、というわけである。


『そういうことですね?』

「そうだ。さすが老君」

『お褒めいただきありがとうございます』


 そこで仁と老君は……主に老君が……制圧のための作戦を立案していく。


 一番の問題は、セルロア王国の関係者が注目しているということである。

 彼らにとって未知の兵器を大量に投入、というやり方は避けたい仁であった。


『主戦力はデウス・エクス・マキナ3世としましょう。御主人様(マイロード)は支援の役目ですね』

「まあ妥当だな」

『実際には礼子さんと従騎士レイを先頭に制圧します』


 礼子は有名であるし、レイもその存在は目立つ。

 正に『漆黒の破壊姫』と『白銀の聖騎士』だ。


 ここにエレナが加わったら、さしずめ『黄金の戦乙女』とでも名付けるかなあ……という考えがちらと横切った仁。


「……エレナは何か知っているかな?」


 エレナが作られたのは『魔導大戦』の前。

 そして『魔導大戦』時には戦場を駆け巡っていたわけなので、当時のことをよく知っているはずなのである。


『そうですね、いずれ聞いてみるのもいいかもしれません』


 が、今は『ルトグラ砦』のことが先だ。


 それからも1時間ほど、仁は老君と相談を続けたのであった。


*   *   *


 2月17日、現地時間午前7時、『デウス・エクス・マキナ3世』の『アリストテレス』と『仁』の『ハリケーン』は、『ルトグラ砦』上空にいた。

 大型の飛行船2機が浮かぶ様は壮観である。


 これは、これからルトグラ砦の制圧を行うというパフォーマンスでもあった。

 昨日のうちに、セルロア王国の了解を取りつけてある。

 もちろん、制圧後はセルロア王国のものとして再整備に協力する、という約束を交わして。


御主人様(マイロード)、それでは予定どおりに行います』

「『導師』も頼むぞ」

『はい、お任せください』


 仁Dは老君が、マキナ3世は『導師』が、それぞれ操縦して電撃作戦を行うことになったのである。

 仁は今回基本的にはオブザーバーだが、不慮の事態が起きた時の判断を任されている。


 その『不慮の事態』がいきなり起きた。


御主人様(マイロード)、『ギガース』です』

「……うん、見えた」


 『ルトグラ砦』から岩の巨人が2体出現したのである。

 見覚えのある形状、周囲の自由魔力素(エーテル)魔力素(マナ)を取り込んで動作する『ギガース』だ。

 もしかしたら『ギガース改』かもしれないが、見た目では判別ができない。


「しかし、どうして今頃繰り出してきたんだ?」

『上空の『アリストテレス』と『ハリケーン』を検知したのではないでしょうか』


 そして警戒のために『ギガース改』を出してきたのでは、と老君。


『エイラさんたちを救出した時点で、砦の魔導頭脳は警戒を強めたでしょうし』

「我々を敵と認識しているのかな?」

『わかりません。……『魔導大戦』時には飛行機のたぐいはなかったでしょうし』

「どう判定するか、か」

『はい。……ですが、エイラさんを救出した時点で、洗脳された奴隷であると判定されている可能性が高いです』

「エイラの味方をしたんだもんなあ」


 だとすれば、警戒するのもわかる、と仁も納得した。

 が、それとこれとは別である。


「あのギガース、暴走していないな?」

『はい、御主人様(マイロード)。やはり『改』なのでしょうか』

「だとすると、かなり安定しているな」


 仁たちの知る『ギガース』は無差別攻撃を行い、なぜか高いところを目指す習性があった。

 が、この2体は、まるで門番のようにおとなしく、静かにたたずんでいた。


 まるで、嵐の前の静けさのように……。

 いつもお読みいただきありがとうございます。


  本日6月10日(木)は14:00に

  異世界でホムンクルスになっていたのでスローライフを目指す

  https://ncode.syosetu.com/n8402fn/

  を更新します。

  こちらも応援のほどよろしくお願いいたします。


 20210610 修正

(誤)仁が意図せず貯め込んだ莫大な財産を使い、経済を活性化する目的にも叶う。

(正)仁が意図せず貯め込んだ莫大な財産を使い、経済を活性化する目的にも適う。

(誤)見覚えのある形状、周囲の周囲の自由魔力素(エーテル)魔力素(マナ)を取り込んで動作する『ギガース』だ。

(正)見覚えのある形状、周囲の自由魔力素(エーテル)魔力素(マナ)を取り込んで動作する『ギガース』だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「白銀の聖騎士」って初出ですかね。レイさん出世。 しかし……色を抜くと「破壊姫」に「聖騎士」で「戦乙女」。いかに礼子がデストロイヤーしているかがよく分かりますね。殺戮している存在が居…
[良い点] >これまで気にした人はいなかったようですが。それはすなわち関心の薄さを示しております』 地図にありながら今まで知られていなかった理由が簡潔に。 まあよく考えたら、我が国にもそういう島はいく…
[一言] おお、礼子さん無双が公式で採用された そして電撃作戦、これわ萌える 礼「一晩、耳元で囁いた甲斐がありました」やりきった顔。 ジ「こういう時は電撃作戦だよな」 老「はい、まいろーど。電撃系呪…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ