第八部屋目 女子が騒がしいなぁ・・・
うわぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ風引いたぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁぁぁ。
一応治りましたけど。だけど喉がなんか変です。
「今何時何分何秒地球が何周回ったぁ!?」
まるで小学生が言うようなセリフを吐きながらベッドから起き上がる俺。何で急いでいるかって?今日はあれだ、瀬良の授業参観だ。
ワッツタイムイズイットなう?イッツ9:30ィー。オウ!ベリィシット!HAHAHAHA!じゃねぇぇぇぇぇっぇぇぇぇっぇぇぇ!急げ!授業参観まで後30分!今日のバイトは1時から!授業参観は12時30分まで!瀬良は約束破られると凄く不機嫌になるからな!何か今日びっくりマーク多いね。
「急いでシャワァァ!」
俺は風呂場にタックルで突っ込む。壁にぶつかって痛い。だが今は気にする時間は無い!俺は10分でシャワーを出て、ドライヤーで髪を乾かし、瀬良に選んでもらった服を着こなしドアを開け段を降りるというより滑って降りていった。今日の俺輝いてる!
急いで自転車に乗り全速力で学校へと向かう。あ、朝飯食べてない(´・ω・`)
そう、いつものノリではあるが、この時龍騎の髪は風で後ろに引っ張られていた。いわばオールバック状態であったのだ。
「ウォォォォォォォォォ!」
商店街を走っているとたまたま目の前に勇がいた。ていうか邪魔だ!
「ん?よう龍騎じゃねぇか。何そんなに急いでいるんd「ドけぇぇぇぇぇ!雑魚がぁぁぁぁぁぁ!」あべっしゃぁぁぁぁっぁぁ!」
俺は勇にラリアットしながら自転車を飛ばした。その光景を見た人達は今日も平和だと思ったらしい。
☆☆☆学校☆☆☆☆
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。」
何とか間に合ったぜ!スゲェ疲れたけど。ってアレ?何故か俺の腕に勇がぶら下がってる。まぁどうでもいいか。俺はそこらへんに勇を捨ててすぐに瀬良の教室の所に向かった。
「お、お前ぇぇぇぇ・・・カハッ」
うん。後で優しい保険室の先生に拾われると良いよ!誰とか知らんけど。
「へぇ・・・結構親御さんとかいるんだなぁ。」
瀬良は3ー2組か。俺は廊下から瀬良を探す。実際中々少ないんだよね教室の中に入る人。俺は大人数の中から瀬良を探すため目を細める。オイそこの男子邪魔だ!見えねぇだろうが!
「お、いた。」
俺は瀬良を発見して、小さく微笑んだ。そう微笑んだだけだ。それだけなのに、近くにいた奥様方やこちらを見ていた女子生徒が顔を赤くしてふらついた。え?どうしたんですか?瀬良を見ると凄い形相で俺を睨んでた。か、体の震えが止まらないぜ!
俺は訳が分からないまま苦笑いで返す。すると瀬良から俺に向けて殺気が放たれる。えええちょ俺が何を・・・・。
「ほら皆!授業に集中!」
キレのある声が教室に響く。どうやら先生のようだな。耳で響くようなでいい声・・・ん?ちょっと待てよ。どこかでこの声聞いたような・・・結構昔の頃に聞いたのか?と思いながら先生と思われる方を見た・・・瞬間目を疑った。あ、あいつは!
「恵里菜・・・!?」
恵里菜は、俺のかつての幼馴染である。高校で卒業してから俺は家から離れて暮らすようになった。だから彼女とも合わなくなり、この4、5年全くもって彼女を見ていない。まぁ先生になる!って言ってたしなぁ・・・。結婚とかしてんのかな?アイツ見た目はスゲェ美人だからなぁ。まぁ見た目だけどな。何故か俺に対してすっげぇ卑劣なことするし。勇を盾にしてたけどな。
いかン、ここは危ない。俺は瀬良にアイコンタクトで「紗香の様子見てきます☆」と伝えた後ソソクサと隣の教室に向かう。3ー3組らしいからな。お、紗香は廊下近くの一番前じゃぁないか。俺はまた微笑んで紗香を見る・・・・後はまぁ、何があったかは想像できるだろ?
暫くして、俺はそろそろ帰ろうかなーと思った頃に、校内放送が流れた。
『奥村 龍騎さん。保険室で負傷者の方があなたを呼んでいます。至急保険室まで来てください。』
という放送が流れ、辺りがざわついた。まぁそんなことはどうでも良かった。そう、そんなことは。俺が今の放送で恐れていること・・・それは。
「奥村・・・龍騎・・・だと?」
・・・・恵里菜さんですハイ。まままっままっままマズイ!これ何て死亡フラグ?いやどうでもいい。ヤバイぞ、アイツにバレたら俺は殺される!ていうかあのクソ何やってんだ!俺とお前の名前出したらバレるに決まってるだろうが!クソ、こうなったら全力で恵里菜から隠れて馬鹿を回収、後に馬鹿を殺す。完璧だ。
俺はあくまで自然に廊下から出ようとする。変に見つからないようにするとバレるからな。あくまで自然を装い、俺は廊下をでる。よっしゃバレてない!俺は階段を急ぎ足で駆け下り、保険室へ向かう。
「おいコラお前何やってくれて・・・ん・・・だ」
「うふぅん♥お兄さん、いい体してるわねぇ♥」
「いやぁァっァァァ!来ないで、来ないでぇぇぇぇぇ!」
そこにはガチムチなごっついお姉さんじゃなくおねぇがいた。うわぁキショい。
「あ、龍騎!助けてくれぇぇぇぇ!」
俺がいることに気づいた勇が俺に助けを求める。そしてもちろん俺は、
「あーあ。」
それだけを言ってドアを閉じた。ドンマイ。良かったじゃん。優しそうなおねぇ、さんじゃないか。
「さ、帰るか。」
そう言って学校から出ようとした時、後ろで誰かに声をかけられた。
「待て。」
「嫌だ!」
俺は誰かというのはすでに理解しているのですぐに自転車に乗り走り出す。だがしかぁし!流石恵里菜さんだ!
「待てと言っただろう。」
「ハイ・・・」
気づけば恵里菜が俺の後ろにいた。相変わらず人間離れなスペックだな!人間の俺に敵うわけない。俺は見事に勇とつかまり、職員室前に立たされている。勇はビシッと立っている。流石怒られるのだけはスペシャリストだな。俺はドアにもたれながら勇と1mくらい距離を開けている。
「・・・まぁ久しぶりだな、恵里菜。」
「・・・。」
(おいおい!恵里菜すげぇ不機嫌じゃねぇかよ!)
(俺だって何でこの状況にいるのか知らねぇよ!)
(どうする?)
(どうするつってもなぁアイツに言い訳通じないだろうし・・・)
(だよなぁ)
俺と勇はヒソヒソと話す。恵里菜はずっとこちらを見たままで動かない。まさに動かぬ山の如し。胸は山じゃないけど。
「さぁ龍騎・・・何故この町を離れたのか・・・理由を聞こうじゃないか。」
「は?俺が町を離れた理由?・・・特に無いなぁ。」
ブチッ。あキレた。
「・・・何も躊躇わずに?」
「あぁ。」
親に頼ってばっかの生活が急に嫌になったからなぁ・・・結局頼ってばっかだったけど。
ブチブチィ。あ、コレアカンな。
「お前・・・殺す!」
恵里菜は拳をギュっと握り締めて俺に剛速球の速さで飛ばしてくる。やはりそう来たか!
「何の!勇ガードぉ!」
「アガやァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
ずんっがしっどすっどがぁぁぁぁlん!1HIT!2HIT!3HIT!
「お前は・・・お前は!」
ごしゃ。メキ、どガがががっが。止めてぇぇぇぇぇぇ!
暫くして急に恵里菜の暴力の嵐は止んだ。勇ガードは完全に原型をなくしてしまっている。こいつは尊い犠牲になったのだ・・・。そう思い老けている時に、恵里菜が小さく呟いた。
「お前・・・どれだけ、どれだけ私が悲しんだと思っている・・・!」
何て言ったのかは聞こえなかったが、恵里菜の瞳から涙が出ているのが分かった。俺何かした?え?この鈍感男?馬鹿?あぁ馬鹿はこいつね。ていうか急にどうしたんだ恵里菜。
「・・・えと、何か悪ぃ。」
今はそれだけしか言えない。何が原因で彼女が泣いているのか分からない。
「お前は何で町を出たんだ!」
急に涙を流した顔で俺を睨み叫ぶ恵里菜。俺が町を出た理由?
「俺が町を出たのは、何もかも周りに頼ってばっかだと思ってるからさ。まぁ結局、頼っちまったけどな。最初は寂しかったし、何より悪いとも思っているよ。何も告げづ勝手に出て行ったからな。お前にもよく頼ってたしさ、何か悪ぃ、いやスマン。」
俺はまっすぐ恵里菜を見ながら答えた。すると恵里菜は顔をさらに赤くしながら下を向く。俺はどうしていいのか分からずあたふたしていた。そぼ時ちょうどタイミング良く瀬良が来る。
「・・・・龍兄、どうしたの。」
「あ、あぁ実は・・・
俺は先ほど起こった事を瀬良に話した。すると瀬良は
「・・・・じゃあ暫く一緒にいてあげて。」
そう言ってその場をゆっくり離れる。俺は勇をどうするか迷っていたらさっきのおねぇ、さんが来て
「ウフ♥そこのイケメンさん、私のダァリンは私に任せてちょうだい。因みに此処からちょっと歩いた所に昔からある校庭があるわ♥」
「あ、ありがとう御座います・・・ってもしかして秋人!?」
「あらぁバレちゃったわねぇ♥そうよ私よ秋人こと秋ちゃんよぅ♥」
秋人・・・昔の友達でかなりイケメンだったやつだったが・・・どしたお前・・。
「ウフ♥高校時代に色々あったのよぅ♥」
色々あったって聞くのは恐い!
「と、取り敢えずサンキュな!」
「お礼はいいのよぅ・・・じゃ、私はダァリンと一緒に楽しんでくるわぁ♥」
「あ、あぁ!」
俺は恵里菜を肩に手を置き、彼女と一緒に階段を下りていった。
次回に続きまぁす