第 3部屋目 我が妹
更新するって大変なんですね・・・。
ドサッーー
ゴッ「痛っ!」
紗香に口づけされた俺はそのまま地面に倒れ込んだ。しかも頭少し打った。すげぇ痛い。
身体を起こして紗香を見る。顔を赤らめたまま気絶しているようだ。可哀想だが、この場は逃げないといけないと思った俺は、勇の手を掴み走る。
「逃げるぞ!勇!」
「てめぇキスして逃げるとか最低・・・いや最高だろ!?後でキスの仕方教えてくれぇぇぇ!「黙れ。」ゴスッ〈腹を〉ゴフォ!」
走りながら勇を気絶させたままの俺は商店街を走り抜ける。
「「「「「「待てぇぇぇ!」」」」」」」
後ろから女の子達の声。さっきの連中か!めんどくせぇなおい!
「・・・は!?此処は・・・って龍騎!お前この状況どうすんだよ!?」
目を覚ました勇は俺に引っ張られながら身体が宙に浮いている。というよりも俺に引っ張られているだけでまるで子供が凧を飛ばす時に走っているように見える。
「くそ!こうなったら!」
「何かいい作戦があるのか?」
「ああ、こういう時はだな・・・こうだ!」
俺は後ろを振り向く。そしてそのまま勇を女子の方に投げた。
「ちょおい!お前許さんぞォォォ!・・・ぎゃぁぁぁあぁっぁあああああぁぁぁぁぁぁああああ!」
勇の悲鳴を聞いた俺はすぐに走り、肉屋に逃げ込む。そこには肉屋の店長、剛力五郎さんがいた。
「おっ龍騎じゃねぇか。どうした?」
「頼む五郎さん!かくまってくれ!」
「何かあったのか?まあいいぞ、中に入んな。」
俺は五郎さんの家に入る。そしてポケットからスマートフォンを出して電話する。
プルルルル・・・・ガチャ。
「もしもし?瀬良か?お前紗香って奴しってるか?・・・お前の親友?お前あんな奴らとつるんでるのか?え、違う?小学校からの友達?なんだそうかよ・・・。っていうかあいつら止めてくれ。説明は後でするから。」
瀬良に電話をして応援を頼む。此処から家までかなり近い。1分程で来るだろう。頼むぞ勇、時間稼ぎしてくれよ。俺が一安心すると五郎が来る。五郎さんは筋肉モリモリのおっさんだ。実に頼もしく漢の中の漢といったところ。ボス猿のような人だ。
「さっきから向こう側から勇っぽい奴の悲鳴が聞こえるんだが気のせいか?」
「気のせいですよ五郎さん。」
そうだ気のせいだ。もう少しこの幻聴が長引いてくれるなら助かるんだが。俺は耳を澄まして勇の悲鳴を聞いていた。そして暫くすると急に悲鳴が止む。そして誰かが話している声が聞こえた。
「もしかして瀬良が来たか・・・?」
俺は顔を出して様子をみる。すると黒髪のツインテールが見える。どうやら瀬良がきたようだ。瀬良と女子達が話しているところに紗香が来る。しばらくすると紗香と瀬良以外の女子はぞろぞろと帰っていった。紗香が残っているのはアレだが、瀬良がいるから大丈夫だろう、と思った俺は五郎さんにお礼を言ったあと、瀬良達のところに向かう。
「あ、アンタは!」
「・・・・紗香。」
俺に襲いかかろうとする紗香を瀬良が手で制する。
「・・・・龍兄。」
「ああ。・・・ごめんな?なんかこうなって。でもまぁカツアゲはあまりしない方がいいと思うぞ。まぁ俺もお前に・・・あーなんだ、キスしてしまったのは詫びる。まぁあれはただの事故だ。そんなに気にやまなくてもいいと思うぞ・・・。」
くそ、何か急に恥ずかしくなってきた!後で勇をぶん殴る。
「・・・・紗香も、ホラ。」
「う・・・ええ、えーと何か私もごご、ごめんなさい。急に一騎打ちとかなんとか言って。それで・・・えーと・・・そ、そのキキキキ、キス////」
顔を赤らめ内股になる姿は実に可愛らしい。さっきまでのギャップも凄い。俺はその姿をもう少し見たくて邪魔な前髪を退かして紗香に近づいて見る。
「あ・・・・龍兄、それ・・・あぅぅ///」
「みゅう!////」
顔を赤らめる2人。なんだ!?どうした!?熱か!?特に紗香は腰を抜かしている!
「ふ、2人共どうしたんだ?」
「・・・・龍兄、それやめて////」
「は?」
俺は訳がわからないまま前髪を降ろした。ってこれアレか?俺の顔が気持ち悪いからか!?そうなのか!?
「・・・・うん、紗香、もう大丈夫。」
「あ、うん。え、えーと・・・と、とにかくすすすみませんでした!」
「え、あ・・・うん、もう大丈夫。俺も悪かったから・・・。」
心に大ダメージを負った俺は力なく返事をする。どうせ俺は気持ち悪いニートさ。
「あ、あの!よ、よければメアド、こ、交換してくれませんか!?」
「ん?ああいいぞ。」
俺は紗香とメアドを交換した後、気になった事を話す。
「そういえば急に敬語になって・・・どうしたんだ紗香?」
「え?ああ、あ、あなたが瀬良のお兄さんって知って・・・。」
なんだ。やはりアレか?瀬良はこの子達グループのボスなのか?俺は瀬良はおとなしい子だと思ってたのに!
「・・・・龍兄、たぶん今龍兄が考えているのとは・・・違う。」
「あれ?そうなのか?」
「・・・・紗香は良い子。友達は大事にする。友達の家族もまた同じ。」
へぇ。スケバンかと思っていたが違うのか。まぁ確かに悪い子には見えないしな。
「よろしくな?紗香。じゃあ瀬良、俺はアパートの様子を見に行くよ。」
「え、お兄さんって一人暮らしなんですか?」
「いや、正確にはこれからだけどな。」
これから忙しくなるな。落ち着いたら仕事でも探すか。いっそのこと五郎さんの店で働くか?まぁいろんな仕事を見てみるか。
「アパートの名前はなんて言うんですか?」
「・・・・私もまだ知らない。」
「アパートの名前か?‘‘秋風アパート‘‘って言うんだ。良かったら俺が引っ越した後に来なよ。」
まだどういうところか知らないがな。いいところだと信じたい。するとアパートの名前を聞いた紗香が驚きの声を上げた。
「え!そこって・・・私のお姉ちゃんが経営しいるアパートだ!」
「「え。」」
なんということでしょう。まさかの偶然。これは奇跡なのか?それに丁度都合がいいかな。
「じゃあもしよかったら、案内してくれないか紗香?」
「ひゃ、ひゃい!お兄さん!」
「・・・・私も行く。」
こうして俺たち3人はアパートの方へ歩き出した。何か忘れている気がしたが気のせいだろう。
「・・・・龍騎ぃ。て、てめぇ覚えてやが・・・れ。」
気にしない、気にしない。