プロローグ
単にほのぼの系を書きたくなったので書いちゃいました。
両親が死んだ。急だった。
二人でドライブに行っていたらしい。その日は雨だった。タイヤが滑りブレーキが効かず大型トラックに突っ込んだという。
葬式は四日後に行われた。交通事故のはずなのにキレイな死体だった。
皆泣いていた。兄や姉、妹も。俺は涙を堪えたが、止まらなかった。
その日は俺の誕生日だった。
俺の名前は奥村 龍騎、20歳だ。今は髪がかなり長くボサボサで顔が良く見えない。昔はよく名前の漢字でからかわれたもんだ。それでも親が付けてくれた名前だ、だから俺は堂々としていた。両親はとても優しかった。いろんな物も買ってくれたりした。それなりに裕福な家庭だった。
兄は医者の道を進み、姉はデザイナーになった。妹はまだ中学生で何になりたいかは決めてないらしい。
兄や姉はこんなにも素晴らしい人間だというのに、俺は
ニートだんて、笑ってしまう。
親の脛をかじり、ダラダラする毎日。自分で言って情けなくなる。いろんな夢を目指していた自分がアホのように思えてくるものだ。兄さんに憧れて医者も目指したっけ。姉さんの様になりたくて絵の勉強やファッションついても勉強したっけ。今思えば他人の後に着いていくような感じだな。
両親が亡くなって二日後、兄さんからメールで呼び出され来てみると姉さんや妹も来ていた。
「よし、皆集まったな。」
兄さんのいつもの元気が聞こえるが、恐らく空元気だろう。
「で、兄さん話ってなんだい?」
「ああ、それについて今話をする。」
今の内に紹介しておこう。長男の啓祐兄さん。髪は少し茶色が混じった黒で短く切っている。イケメン。長女の綾姉さんは茶髪でポニーテール。そして次女の瀬良。黒髪でツインテール。そして俺だ
「皆に集まってもらったのは遺産についてだ。俺としては、継ぐのは誰でもいい。意見があるやつは?」
誰でもいいって兄さん。それは幾らなんでもありえないでしょ。
「兄さん、俺としては瀬良の将来の為にこの遺産を使ったほうが良いんだと思うんだが。」
瀬良はまだ中学生だ。今から高校や大学もあるかもしれない。大学となればかなりのお金が必要だ。
「成る程な。確かに瀬良の将来の為に使うのもいいかもな・・・・・・だが龍騎、俺はお前の将来も心配だ。一体どうするんだ?」
兄さん中々痛いとこ突くなぁ。まぁ確かにそうかもしれないが、俺はもう大人だ。
「でも兄さん、瀬良の将来のほうが絶対大事だって!」
「だがなぁ、お前仕事あるのか?」
「うぐ・・・・・。」
俺達が言い争っていると、姉さんがこう言った。
「だったら、龍騎と瀬良で半分こにしたらいいんじゃないかしら?」
「いやでも、それはさすがに・・・・」
「いい案だな!」
「オイコラ待てや。」
そんなこんなで討論になり、中々案が決まらず苛立った俺は二人を説得し遺産を瀬良に継がせることに成功し、ベランダに出て、夕日を眺めた。
「ハァ・・・これから何しようかな・・・俺。」
親の仕送りも無くなった俺は、途方にくれた。生活保護でも受けるか?それともこのまま家で過ごして仕事を見つけるか?
そう思い悩んでいると、風が吹き、前髪が浮かび上がったと同時に姉さんが入ってきた。
「何だい?姉さん。」
「・・・やっぱカッコいい///」
「は?」
姉さんが顔を赤らめながら何か呟いた。何て言ったんだ?
「どうしたの?姉さん。」
俺は顔を近づけ姉さんに聞く。すると姉さんは急に慌て出しこう言った。
「い、今ね啓祐と話して決めたんだけど、龍騎を援助するために私達でお金を出すことに決めたわ。」
「は?いや、いらないよ姉さん!さすがに迷惑掛けたくないし!」
幾ら兄さんや姉さんでも、俺の分までお金やら何やら払ってもらっては面目ない。
「私としては一生龍騎と一緒に暮らしてもいいだけど・・・いや監禁かなぁ。」
「俺一人暮らしがしたいんだ姉さん!」
姉さんから何か黒いオーラを感じたので何とかして逃れる事に。
「あら残念。と言いたい所だけど丁度良かったわ。実はね私の友達がアパートを持ってるの。丁度一部屋空いてるみたいだから、どうかしら?龍騎?」
「え?でも家賃はどうするの?姉さん達が支払うんだったら嫌だけど・・・。」
「あら龍騎、お姉ちゃんと一緒のほうが良いの?良いわよ、私と一つになって幸せに・・・「わー俺やっぱり一人暮らしがしたいなー!」・・・残念ね。まぁ良いわ。場所は近くの河川敷の近くにあるわ。」
そう言って姉さんは部屋の中に入っていった。ハァ、疲れた。姉さん時々暴走するんだよな。
そして、これから俺の一人暮らしが初まる瞬間だった。
初めてのほのぼの系ですのでよろしくお願いします!