03.雨の中の邂逅 詩乃編その1
詩乃、狙撃ポイント確保できたか?」
『配置完了、大丈夫』
無線機を通じて指示を飛ばす。
詩乃はクリア。
「一哉、そっちはどうだ?」
『こっちは問題だ!ったく、敵が集中し過ぎて突破できねえって』
確かに奥からは激しい戦闘音が聴こえてくるな。
仕方ないなあいつは。
「クノン、お前が一番近い。すまないがバ一哉の支援に回ってくれ」
『……了解』
廊下を疾走しつつ指示を飛ばしながら新たな指示を考える。
目標の現在位置は体育館。
一哉は体育館に通じる第三校舎の二階の廊下で足止めを喰ってる。
クノンはその支援に行かせたから突破は時間の問題だな。
後は……
「雄作、一人で大丈夫か?」
『俺のことは気にするな。もう片付く』
ということは正面入り口は確保できたってことだな。
裏口は詩乃が狙撃できるようスタンばってるし。
「あとは俺達だけみたいだぜ、皐月!」
「んな事言われなくても無線で聴こえてるよ!さっさと片付けちゃお♪」
進路に立ち塞がる奴らは二人。
男の方はトンファー、女は鎖鎌か。
「ここから先は」
「通さない」
「ご丁寧にどうも」
それを切っ掛けに分銅の付いた鎖が俺目掛けて飛来してくる。
背中を反らし寸でで回避する。
起き上がった時には敵は疾走して迫ってきていた。
俺は後ろに跳躍せず、敢えて相手に向かって駆ける。
女は俺の行動に一瞬動揺を見せるがすぐに戦闘モードに戻る。
距離が一メートルほど詰まったところで俺はH&K USPを立て続けに二発連射し、牽制するが相手は構わず走り続ける。
「ちっ!」
俺は鎌が振られる寸前で大きく前方に跳躍して、相手の背後に回る。
だが相手はそのままの勢いで鎌から手を離し、その刃を飛ばしてくる。
銃口で弾き返して左肩と胸、右の足の付け根にそれぞれ素早く幻想の9mmパラべラム弾を放つ。
排出された薬莢が廊下に落ちる前に駆け出す。
回避行動に移ろうとするが遅い。
三発放ったうちの二発が命中し、怯む。
その隙を逃さず彼女に跳び付いて押し倒し、心臓のある場所二発撃ち込む。
零距離で急所を撃ったんだ、彼女は気絶していた。
幻想武器はあくまで幻想。
死にはしない。
「そっちは……片付いたみたいだな」
「楽勝楽勝!」
さてと、合流しますかな。そろそろ突入路は確保でき―――
『パオオォォォーーーーン!パオオォォォーーーーン!』
校内に響くラッパ音。
『……刹那、終わった』
無線から感情が希薄な声が流れる。
「お、クノンか。なんだ、俺達が着く前にけりが付いちまったか」
『結構早く出て来たのよ。それも見事に裏口から。簡単に仕留めることができたわ』
今度は詩乃の声が無線から発せられる。
どこかつまらなそうな雰囲気が感じれらる。
期待してたほどの戦闘ができなかったんだろう。
「とりあえずグラウンドに集合してくれ」
「勝者、聖夜学園!」
Dウォーズ協会から派遣された審判員が高らかに叫ぶ。
三日前に生徒会長こと、カノン先輩に勝手に且つ突然言われたDウォーズの試合だ。
「しっかしまぁ今回は楽勝だったな!」
「苦戦してたじゃん」
生意気に威張る一哉に的確な突っ込みを入れる皐月。
お前ぐらいだぞ、苦戦してたのは。
「それにしてもクノン、また刹那にくっ付いて!」
「……譲らない」
「なっ!?だ、誰がこんな奴とそんなことっ……!」
俺の腕に抱き着いているクノンに対して詩乃がよく分からないが、怒っているみたいだ。
つーか、こんな奴って……ちょっと酷くないか、それ。
「篠原、落ち着け。相手は後輩だ。それに子供だぞ」
「!!」
「ん?がはっ!?」
馬鹿が。クノンを子供扱いすると脛をとんかちで殴られるのは暗黙の了解じゃないか……。
桜井クノン。
傍若無人な桜井カノン会長の妹君で、俺達の一つ下、つまり後輩に当たる。
会長と同じ金色の髪を長めのツインテールにしていて、エメラルドグリーンの瞳を、伸ばした前髪で少しばかりだが、隠してしまっている。
会長が暴君なら彼女は人形じゃないかと思わせるほど感情を殆ど表に出さないし、喋らない。
容姿が相まって尚更だ。
時々笑ったりしてくれるが、それを見ることは難しい。
表情の変化を見せてくれるのは、心許した者にしか見せてくれない。
俺の前だと小さいながらも微笑んだりしてくれるが、人が多いと無表情だ。
ここ最近は前より見せてくれるようにはなった。
ただ、一哉だけが未だにクノンの表情の変化を拝んだことがないのは別の話だ。
それと会長と同じで小さい。
鷹木雄作。
俺の友人の中ではまともな部類に入るであろう人物だ。
体が大きく、力があり、家柄は江戸時代からある剣道場の家の子だ。
性格は温厚で優しくしっかりしてるが、少々口下手なところがある。
友人想いで、誰かが苦しんでる時は助けてくれる良い奴だ。
因みに学園の剣道部の次の主将を任せられている。
「それじゃ帰るか。皆、今日はありがとな。解散!」
「せっちゃん、また学校でね!」
「一哉、俺達も帰るか」
「くそう、男同士なんてむさ苦しいぜ」
それぞれが帰路の道につく。
「んじゃ、ヘルメット付けてく……」
「…………」
「ほら二人とも、ハーネス留めてやるから顎を上げて」
頬を少し赤くさせて俯く詩乃から先にベルトを固定させる。
「ありがと……」
ボソッと小声で呟く詩乃に微笑みで返し、次にクノンのヘルメットのベルトも留める。
「今度こそ大丈夫だな。それじゃ、クノンは側車に乗ってくれ。詩乃は俺の後ろでいいか?」
「う、うん」
「……(コク)」
自分もヘルメットを装着し、校門の外に停めてあったサイドカーに跨る。
側車にクノンが乗り込み、詩乃が俺の後ろに座って腕を腰に回すのを確認する。
アクセルを入れ、エンジンを吹かしてエンジンの回転数を徐々に上げて走り出す。
街のネオンが暗い夜の空を照らし、空に瞬く星は見えないが、その代わりに月がぽつんと一つある。
その月を視界に収めながら後ろに乗る詩乃に向けて語り掛ける。
「なんか懐かしいな、こうやって二人で乗るのは」
「そういえば前にもバイクの後ろに乗ったけ」
「……ワタシもいる」
季節も時間も違うが、こうしているとあの時のことを思い出す。
それほど遠い過去でもないが、懐かしく感じるものがある。
二年前の梅雨の時期。
学校が終わった放課後、突然降り出した豪雨の日のことを……
―――二年前―――
詩乃がまだ刹那達と知り合う前のこと。
いつものように目覚ましの騒々しい音で起床した。
寝惚け眼を擦りながら体を布団から出すと、朝のジトッとしながらも冷たい空気が足を伝ってくるのに身を震わしながら、洗面所に向かう。
冷たい水で顔を洗い、眠気を飛ばして部屋に新鮮な空気を入れる為に窓を開けて伸びをした。
「んっ~!良い天気!」
気持ち良い朝を迎えると今日は頑張れると感じることができる。
その後はいつも通り朝食を作り、テレビの占いやニュースを見ながら食事をする。
学校の指定した制服に着替えてアパートの部屋の鍵を閉めて学校に登校。
何の変哲もないいつもの日常。
アパートを出て住宅街を歩き、バスに乗って自分の通う学校を目指す。
―――バス代、地味に掛かるんだよね。
三十分ほどして目的の学校、秋燈高校前に着く。
「詩乃ちゃーん!おはよー!」
「おはよう!」
バスを降りると後ろから挨拶の言葉が飛んでくる。
振り返ると同じクラスの女子でもよく一緒に話す子だった。
「おはよ、詩乃ちゃん。いきなりだけど昨日、アーガルのリーダーが部室に来いって言ってたよ」
「……?」
アーガルというのは秋燈高校のDウォーズのチームの一つ。
詩乃が所属しているチームだ。
「わかった、行ってみるね」
何だろう、と思いつつもその場所に向かう。
玄関からはそう遠くない場所にあるためにすぐに着く。
一度ノックしてから会議室と書かれた部屋に入る。
「よお詩乃。悪いが今日の放課後、試合が入った。ほかのメンバーが殆どスケジュールが埋まっててよ、もうお前しかいないんだわ。参加してくれないか?」
「参加も何ももう決まってるんでしょ?」
「まあな。リーダー権限で強制参加だ」
溜め息交じりに肩を落としつつも了承する。
詩乃はアーガルのメンバーであり、彼はそのチームリーダー。
この関係で上なのはリーダーなのだ。
拒否権はよほどの理由でもない限りないし、そもそも予定すらない詩乃にとっては寧ろ有り難い話だ。
詩乃は話を終えるとそのまま教室を目指した。
そんな長居はしなかったが、教室に向かうまでの時間、授業の支度とかを考えるとあまりフラフラしているわけにもいかない時間でもある。
授業を半分ほど聞き流しながら窓の外を眺め、雲の動きを追う。
三限目を終え、世界史の顧問が今の世界について語っている。
「『unkonown』から放出される『∞‐ENG』がこの地球に降り注ぐ事によって今の世界は―――」
所々が耳を通じて脳に伝達されてくる情報について考えてみる。
そう、この世界は一度、大きな危機に見舞われた。
化石燃料の枯渇。
その危機から救ったのが突如太陽系に出現した『unkonown』と呼ばれる星が放つ、『∞‐ENG』というエネルギーだ。
人類はその未知のエネルギーを化石燃料の代わりとした。
このエネルギーは化石燃料よりも扱いやすく、幅広い範囲で使えた。
死にかけた人類の文明は『∞‐ENG』によって息を吹き返したのだ。
そして『∞‐ENG』は生態系にも変化を与えた。
それは些細で小さい、でも大きな変化を。
詩乃達人間も例外ではなかった。
『Dスキル』。
『∞‐ENG』をエネルギー源に、人間を媒介とし、その人間のイメージした物に『∞‐ENG』を出力する能力だ。
出力できる物は主に無機物だけで、大きさや規模はその人間の保有する『∞‐ENG』の量や精神力などに影響する。
顕現できる物の大きさ、規模によってランクも付けられ、用途や複雑さも関係する。
全ての人間がそれ相応の『Dスキル』を使えるわけでなく、日用品しか顕現できない人もいれば、難しい物は創れるが簡単な物は創れない人もいる。
「……詩…。篠原…乃!聞こ……いる……か!篠原詩乃!聞こえているのか!」
「え?は、はいっ、元気です!」
「お前なぁ……」
『クスクス……』
教室中から笑いを必死に堪える声が漏れ出す。
耳の先まで真っ赤になり、俯きながら謝罪の一言を言って席に着いた。
「篠原、次同じことをやったら廊下じゃなくて職員室前で立ってろ。次、答えろ」
「はい」
羞恥心のあまり、顔を伏せる以外、この今の現実から逃れる術を知らない自分が酷く悲しく思うのだった。
「もう、いや……!」
「ほんとにもういや!」
イングラムM10の空になった弾倉を素早く新しい32連装弾倉に取り換え、側面部にあるセレクター・スイッチを半自動式から自動式に切り替える。
壁際から廊下の奥を覗こうとすれば集中的に攻撃され、壁が削られていく。
攻撃が止むのと同時に上半身を廊下に出し、適当に弾をばら撒く。
敵は三人、バリケートの代わりに机で身を隠し、凌がれる。
今回の試合は隣の中学とだった。
詩乃が通う秋燈中学は市内の中では中ほどの実力者が多い学校だ。
Dスキルについて本格的に学ぶのは中学以降。
小学校では基礎中の基礎のさらにその基礎。
Dウォーズに興味ある者、憧れる者達にとって小学校の授業は面白くない。
中学からはDウォーズの試合が可能となる。
詩乃もまた、Dウォーズ、Dスキルに魅せられた一人だった。
当然、Dウォーズに力を入れていて、尚且つ自分の実力に見合ったこの秋燈中学に来た。
アーガルは特に秋燈の中でもレベルの高いチームだ。
隣の中学秋燈とほぼ同レベルの学校。
実力では少しだけだが勝っていた。
膠着状態に陥ってから十分は経つ、そろそろ派手に動き出すはずだけど……。
時間を確認しようとした瞬間、的側から窓硝子が派手に砕け散る音と共に激しい戦闘音が響く。
「きた……!」
身を潜めていた場所から滑り出て頭を低くしながら突貫する。
その先では後方の窓を突き破って奇襲を仕掛けた仲間達と敵が乱戦を繰り広げていた。
その渦中に向かって用意しておいた缶ジュース程の大きさの缶を投げ込む。
缶は放物線を描きながら飛んでいき、地面に達する寸前で破裂し、眩い光が周囲を包む。
「しまっ、スタングレネード!?」
「今だ、かかれ!」
リーダーの号令でアーガルのメンバーが一斉に襲いかかる。
結果は当然のものであった。
眼を潰され、視界を失った相手は反撃をする余地もなく瞬刻で片は付いた。
「勝者、秋燈中学、アーガル!」
勝利を告げるこの言葉にアーガルのメンバー達は大いに喜びを露わにした。
秋燈の敷地内には詩乃達のほかに周辺の中学の生徒やそうでない者達も集まっていた。
姿格好はそれぞれバラバラで統一性はない。
だが解る事がある。
彼等は皆、周辺地域の『Dソルジャー』達ということだけ。
試合はDウォーズ協会を通じてネットで中継されるが、中にはこうしてわざわざ見に来る人もいる。
彼等も詩乃達もDスキルを駆使し戦う者達、同類、同胞、味方、敵、様々だ。
そんな者達を人は『Dソルジャー』と呼ぶようになった。
試合が終了するや否や、集まっていた人間はそれぞれに散って行った。
果たして彼等に詩乃達の試合が如何いったものだったのかは解らないが、こうして見に来ているということはそこそこの注目度があるということでもある。
中学に進み、試合を重ね、勝利することによって注目度が上がり、試合の数も増えていく。
「そんじゃお疲れ。集まってくれて助かったぜ、詩乃!連勝記録更新だ!」
「ああそうだ。このまま突っ走って行こう!」
回りが影響されさらにテンションが上がるメンバー達を眺めつつ苦笑を零すが、ふと視界の隅に黒い影が映った。
視線を合わせようとするが、既にそこのにはなにもなかった。
それぞれ帰宅の支度を終えて学校を出る。
「冷たっ!雨?やば、傘なんて持って来てないよ」
頬に落ちて来た雨の雫に驚き、空を見上げると梅雨の時期によく見る鉛色の雲が漂っていた。
小走りに駆け出すが、小降りの雨があっという間に大粒になり、激しい土砂降りに変わる。
鞄を傘代わりに家を目指すが、降る量はどんどん増えていくばかりで近くの雨宿りのできそうな場所を捜す。
目に入った神社に避難し、空を見上げるが相変わらずの豪雨だった。
「はぁ……びしょびしょ。ちょっとだけ服干せないかな」
濡れた姿を見て、周りを見渡すが、雨宿りしてる境内の建物以外になにもない。
「ちょっとだけ入ってもいいよね?少し服を乾かすだけだし……平気、だよね?」
一人念を押してゆっくり中に入ると、薄暗く湿気臭い場所だった。
それに雨が降っている所為で肌寒い。
肌に張り付いて気持ち悪くなった制服を脱ぎ、鞄に仕舞っていたタオルで体を拭いていく。
「下着までは濡れてなくてよかった。それにしても急に降り出すなんて……」
屋根を打つ雨音は弱くなるどころかどんどんその勢いを増していた。
「誰かいるのか?」
「っ!?」
突然室内の奥から男の声が聞こえ、反射的に自分の体を素早く手で隠し、振り返る。
だが、あるのは暗い闇で先までは運よく見えていなかった。
詩乃にとっては見られないで済んだが、同時に相手が誰かなのさえ分からない。
声の雰囲気からして同年代くらいの若い男の声だ。
詩乃はありったけの警戒の色を出して暗闇に話しかける。
「誰なの?」
「あー、途中で雨に降られちまって雨宿りしてる者だ。あんたもか?」
「そうよ、悪い?」
「いや、悪くないさ。それよりこっち来て話さないか?」
「無理、今人に見せられるような状態じゃないもの。それに襲う気?」
「なっ!?そういうことは先に言え!つーか襲うか!悪かった、俺が悪かった。だったらこのままでいい」
暗くてよく分からないが、相手は詩乃の言葉に大分動揺しているようだった。
「ったく、それよりいつ止むか知らないか?」
「知るわけないでしょ。それよりほんとにこっちに来ないでね」
「大丈夫だ。動きたくても動けん。連れが眠っちまって手を離してくれないんだ。」
声には疲労と呆れが混じっているのが感じられるものだった。
詩乃は気付かぬ内に警戒を緩めていることに気付きはしなかった。
「ふーん、そうなんだ。あっ、そういえばなま―――」
名前は?と聞こうとした瞬間、白い一筋の光が、雨が降りしきる暗雲の空に走り抜けた。
そしてすぐに雷独特の轟く音が鳴り響く。
「…………っ!」
「?おい、どうしたんだ、急に黙って……」
気に掛ける声が掛けられるが詩乃は自分の身体を抱きしめて蹲るだけだった。
「ほんとに……」
言葉が紡がれるところでまた雷が轟く。
詩乃は我知らずに床を蹴って声の元に跳び付いていた。
「お、おいっ!急にどう……し、た…………もしかして、雷が苦手なのか?」
「…………う、うるさい。苦手とか苦手とかじゃなくて、その、ちょ、ちょっと驚いただけというか……何というか…」
「はいはい。分かったから、なにも言わずにこうしておいてやる」
詩乃はこっそりと咄嗟に抱きついた相手の顔を見やると、暗がりではっきりとは分からないが、十代前半に見るまだどこか子供のような雰囲気が感じられるが、それでも大人びたところもある顔立ち。髪は黒く、瞳も闇のような黒さがある。
相手からは詩乃の顔が見えていないのか、それとも何も言わないのかは分からない。
ただ見えていないのは幸いだった。
もし見えていたのなら、この距離なら確実に今の格好を晒す羽目になっていたからだ。
いや、接触してる時点でばれない方が難しい。
雷の恐怖で思考判断が鈍っているからこその暴挙だろう。
現に男はやたらとはっきり伝わってくる詩乃の体温や触れてくる肉体のラインやら何やらに内心ドギマギしていた。
それから無言の時間が一時間弱経った頃だった。
「お、雨が止み出してる」
「本当だ」
「なっ!?ばっ、バカ!今立ったらっ……!」
「へ?」
詩乃は立ち上がってから今の自分の姿を確認する。
制服は雨に濡れて乾かすのに脱いでいたのだ。
当然今の格好は下着のみ。
つまり―――
「……不幸だ」
「………きゃああああぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!」
暗い雲が去り、茜色に染まる空が顔を覗かせるそんな時、ある場所では少女の羞恥の悲鳴と一人の男子の哀れで理不尽な断末魔が高らかに響いたのだった。
これが綾瀬刹那と篠原詩乃の邂逅だった。
後に詩乃の中学生活を左右する出会いになることを彼女もその元凶となる刹那も知る由もない。
どうも、後書きの書き始めを変えたいと思うunkonownです。
さっそく本音をプラスして変えてみました。
といってもこの回限定でしか使えないものですけどね。
とりあえずこちらも新年明けましておめでとうございますです!
今回は詩乃との出会いを書いてみました。
それも短い長編です。
次か次の次くらいで次に移るくらいの♪
因みに雨の件とバイクは後のことでこの回のじゃないですよ。
それと文がちょっと最近安定しないんですよね。
一人称が書きやすいんですけど、三人称的なのも加えてるんですよね。
ですが、ここ最近書くのサボタージュ、つまりサボってたらどんなふうに書いて
たのかうまく掴めないんですよね。
困りました。
なので、これから変なところがあっても気にしないで見守ってください!
徐々に直していきますので!
それでは次回も宜しくお願いします!




