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第二話 サイクロプス、こんなに頭良かった?

1ヶ月空くのはよろしくないだろうと思って急に書きました。

「ではジュディ、吾輩ちょっと文句言ってくる」


「かしこまりました、お気をつけて」


こいつらの意志は無視して魔王城を後にすることにした。いちいち聞いてらんないでしょ、わーわー言ったところで吾輩の話聞かないんだもん。こいつらの安全面も考慮して吾輩が先頭に立ったんだけど勇者がピーピーうるさいので吾輩一番後ろに立つことに。まあ道中下っ端が人間相手によくないことやらかしてるのでメってしたらおとなしくなったのでいいとする。戦うにも美学ってあると思うんだよね、弱いもの虐げるのはなんか違うんじゃないの?と思って。


「おい魔王」


勇者がなんか顔を歪めながらなんか言ってるけど無視。


「おい魔王!」


それにしても下っ端がなんだろう、吾輩の意志無視して暴れるのって結構腹が立つんだよな。吾輩あれだけ勇者達以外は最低限でも人間に関わるなって言っておいたはずなんだけど、ジュディがそこまで把握できてないのか?もう少し配下を頭良く指導して吾輩の言いつけ守るようにしないとな。魔王だけじゃ世界は回らないんだから。


「おい!魔王!!」


「なんだお主しつこいな、吾輩無視してるの気づかない?」


「いいから前見ろ前!」


「見てるけど、何か問題あるか?」


「大ありだろ!みんな戦闘準備だ!」


吾輩見てる限りだとサイクロプスが7名ずらっと並んでるだけなんだけど。戦闘意思なさげなんだけど人間にとってはサイクロプスは強い、だけだと思うんだけどなあ、あの群れたち、話せば通してくれるはずだけど、勇者にとっては魔物全て敵なのか?だとするならばもうちょっと歩み寄らないといけない。


「サイクロプスよ、ファオレストが問う、この勇者達に害意はあるか?」


サイクロプスは揃って首を横に振る。サイクロプスが暴れるときは「仲間が人間に討たれたとき」のみ人間に害意を、というか目には目を歯には歯をを実践してるだけなはず。この者たちに害意がないのであれば基本的に戦う事は成立しないはずだが…


「なあ勇者、お主吾輩の部下一方的にいたぶる気なの?」


「魔物相手にそんなこと言ってる場合ねえだろ!」


「つまり魔物は討つべき?なら吾輩は人間を討つべきってなるんだけど?」


やられたらやり返せばいい、やられる前にやれは…下っ端がそうだからかな。魔物共を徹底的に再教育する必要がありそうだ。人間をそんな簡単に害するべきではないと吾輩は思うんだけど…下に行けば行くほどそういう意識が薄れていくものなのか?


「とにかく吾輩に任せておくといい。サイクロプス達に害意はないから手を出さなければ仕掛けてくることはしないと思うよ」


勇者達を押しのけて吾輩前に出る。するとサイクロプス達は道を塞がんばかりに綺麗に横列になり跪く。うん?サイクロプスの知能こんな高かったとは聞いていないんだけど?


「魔王様、ご拝謁嬉しく思います。我らの休憩地に何かございましたでしょうか」


「堅苦しい挨拶いらないよ、吾輩お忍びだから楽にして。ちょっと文句言いに行くだけだから。この道はサイクロプスの許可を得て通るってルールある?」


「いえ、我々はただ休憩していただけでございます、邪魔になるようであれば移動しますが一帯はここ20年ほど魔物以外の通りがありませんでしたので」


「では別の問いを、お主らの仲間ってここ最近人間に害ある行動取った?」


「いえ、我々は人間が見かける前に移動しておりますので、最後に人間を見たのは20年ほど前に遠くから人間を見て邪魔な魔物を排除した程度に御座います」


「うん、引き続き吾輩の言いつけを守ってほしい、後でなんか褒美送るから。弱き人間を護ってくれてありがとう」


「いえ、下っ端の行動があまりに酷すぎたので独断で蹴散らしたことをお詫びいたします」


「いいよ、吾輩がもっとしっかり言っておけばよかっただけだから。お主らみたく言う事を聞き入れてくれるだけで充分ありがたいんだよ」


「もったいなきお言葉…」


「ちょっと真面目な話するよ、サイクロプスよ、吾輩の命に従い人間を様らの命に代えてでも護るのだ。以上、まあお主らなら問題ないと思うけど」


「かしこまりました」


「この命は多種族にも幅広く言い伝えておいてほしい、も付け加えといてくれると嬉しい。まあ改めてお主らの褒美はジュディと考えておくから」


「は。ありがたき幸せ…」


「では吾輩行くけどいいかな?」


「どうぞお通り下さいませ」


そしてサイクロプスは…7名いたはずだけど1名残してもういない。いや、勇者の後ろに回り込んでるな、もしや勇者達はアネスちゃん以外気づいてない?


「サイクロプス、送りいらないから。吾輩いるから。勇者びっくりしちゃうから、せめて勇者にわかる速度で動いてほしいな、じゃないと驚いてしまうよ?」


勇者がその言葉で後ろを振り返ってるんだけど、いやいやお主らどれだけ鈍いの?あとアネスちゃん魔力と氣を練って何するつもりかな?アネスちゃんも話聞いてなかった?


「ねえ魔王、ホントにこの人たち大丈夫なの?」


「吾輩的にはアネスちゃんの方が大丈夫なの?」


「違う!この人の左腕!」


ん、左腕が折れて変にくっついた感じだ、何かあったって事だね。アネスちゃん凄く見てるよな、害意無い者に対しての心配度が容赦ない。


「アネスちゃん、心配は嬉しいんだけどその魔力と氣は攻撃寄りだと思うの吾輩の気のせい?」


「え?」


「大事なことだから繰り返すけど、心配は嬉しいんだけどね、魔物によっては害ある行動になっちゃうんだよ、そのサイクロプスは吾輩に任せてもらえるかな?その上で手伝ってくれるかな」


「う、うん、手伝いたい」


すぐに手負いであるサイクロプスの左手まで移動。転移じゃないから空気巻き込んじゃうけど今そんな場合じゃない。早速左手を診てみると、うんうん、高い所から落ちて左手でかばった感じ。治りきってない状態で魔物退治したって所かな。


「じゃあアネスちゃん、サイクロプスの左手に触ってみて。そうそう、それで氣を少し流してみて。うんうん上手、今の氣で怪我の状態わかったでしょ、ここから対処するので氣を流したままでいてね」


吾輩が骨折箇所を一度ぼろぼろにして形を整えゆっくり固めていく。ゆっくりと言っても2分くらい。勇者たちがなんか言ってるけどうるさいから無視。お主らよりもサイクロプスと治療方法教えてるアネスちゃんの方が大事なんだよ。よし骨の方はいいか、筋肉の引っかかりも治すとしよう。


「アネスちゃん、次は今治した骨に合わせて超回復した筋肉を一度断裂させてまたくっつけるよ。氣はまだ練ることはできるかな?」


「…ねえ魔王、氣については内緒にしといて」


「そう?いいよ。まあ続けるよ、この筋肉をいったん切るんだけど、切りすぎも良くない、ここは必要に応じて加減して。治療目的で切るからといってすぐくっつくわけじゃないのを忘れないでね、んで切って、氣を練ってそこから癒す想いを込めてね。うんうん、上手だ。こうすれば苦痛無く骨折を治療できるよ」


「へぇー…魔王って白魔導士なの?」


「魔王なの。部下のことは心配なの。白魔導士は結構物理法則無茶苦茶に治療するから数年後に影響出ちゃう場合あるのであんまりオススメできないんだよ、人間も病気以外の白魔法は控えてほしいなあって思う程度に。それよりよっぽど氣の巡らせの方が…」


「内緒って言ってるでしょーが!」


アッパー喰らってちょっと脳が揺れた。流石だアネスちゃん。勇者じゃこんなこと絶対できないのに、なんでアネスちゃんは荷物持ちなんだろうか?って思ったあたりで向こうが騒がしい事に気が付いた。

サイクロプス治療中に勇者と戦士が短気を拗らせて別のサイクロプスに攻撃始めちゃってるんだけど、サイクロプスとしてもこの子らどうすればいいのかなあなんて思いながら攻撃受けてます。魔王様の御前だし痛いの嫌だなあなんて考えながら。魔王軍が異常に強すぎて困る。下っ端は下っ端で弱すぎて困る。

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