第十六章45 【覇王杯/オーバーロード・カップ/唯野 芳一チーム】43/【芳一】の第6班の展開(【FAU(フロムアナザーユニバース)編】)3
【芳一/武賢】達は、時計を合わせて【過去/ファンタジー風世界バージョン2】に渡った。
【FAUウォッチ】のメモリは【マックス状態】にしている。
【マックス状態】という事は時代の振れ幅が極端に大きいという事である。
ちなみに、本来の【FAUウォッチ】の状態では、400年前後にしている。
つまり、
【過去/ファンタジー風世界(バージョン1)】は、開始時の400年前、
【未来/SF風世界(バージョン1)】は、開始時、
【現代/異能や現代風世界(バージョン1)】は、開始時の400年後、
と言う設定にしている。
だが、【芳一/武賢】が設定したのは、
【過去/ファンタジー風世界バージョン2】は、超太古/神話の時代、
【未来/SF風世界バージョン2】は、バージョン1の開始時から13年後、
【現代/異能や現代風世界バージョン2】は、終末/時の果ての時代、
という設定になっている。
そして、この振れ幅が大きければ大きい程、強大な敵が居ると言うのが、この【FAUウォッチ】の設定になっている。
【FAUウォッチ】を改良すれば、もっと昔やもっと未来にも設定出来るが、従来の【FAUウォッチ】で行ける最大値であるのは間違いなかった。
何故、そうしたか?
それは、【武賢】だからである。
この人格は強い相手と戦いたいと言う欲望が強い人格である。
よって、この腕時計の仕組みを知っていれば作中では危険だから設定しなかった【マックス状態】でプレイするのは必然と言える事だった。
この【神話の時代】には、【真深トガトゥカ】が猛威をふるっていたとされる時代だった。
【真深トガトゥカ】・・・【質量保存の法則】から転じて【存在保存の法則】で存在している【神】を超えるとされる存在であり、【不老不死】というより【不滅】の存在である。
例えば、腕を消滅させたとする。
すると消滅した腕と同等の物が同時に出現し、元に戻るのだ。
だから、命を奪う事はもちろん、傷つける事も敵わないとされる難敵である。
どうやったら倒せるのか?
それは謎であり、どうやっても勝てるイメージが沸かない相手でもある。
そして、試しに1回ずつ転送出来るという条件は誰でも良いから、1名倒せば自動的に転送されるという条件なのだが、【芳一/武賢】はその辺にいる雑魚ではなく、この【真深トガトゥカ】を倒すことで転送しようと言うことに決めた様だ。
他の雑魚には目もくれず、【真深トガトゥカ】だけを目指して進む。
それが、【芳一/武賢】という不器用な男なのである。
一度決めたらそれを曲げる事は天地がひっくり返っても無い。
そう言う条件で彼は動いている。




