第7話:繋がる想い
「海崎!話を聞いて!」
雫は、ドアを叩き続けた。
しかし、中から返事はなかった。
「海崎!お願い!話を聞かせて!」
雫は、必死に訴えた。
すると、ドアがゆっくりと開いた。
翔が、顔を覗かせた。
「…何?」
「海崎…どうして、私を拒むの?」
雫は、涙を流しながら言った。
「私…あなたのことが好き。あなたのことを支えたい」
「…」
翔は、何も言わずに、雫を見つめていた。
「海崎…お願いだから…私の気持ちを受け取って」
雫は、翔の手を取り、自分の胸に当てた。
「海崎…あなたの心に触れたい」
翔は、雫の手を握り返した。
そして、静かに言った。
「…ごめん」
「え…?」
「ごめん…君の気持ちに応えられない」
翔の言葉に、雫は絶望した。
「どうして…?」
「僕は…君と一緒にいる資格がない」
「そんなことない!」
雫は、必死に否定した。
「あなたは…私にとって、大切な人。あなたの過去も、全部受け入れる」
「…」
翔は、言葉を失った。
雫は、翔の頬に手を伸ばした。
「海崎…あなたの心の傷を癒したい」
翔は、雫の手を握りしめた。
そして、雫を抱きしめた。
「…ありがとう」
翔は、震える声で言った。
「海崎…」
雫は、翔の背中に手を回した。
「僕…君のことが好きだ」
翔は、雫の耳元で囁いた。
「海崎…」
雫は、翔の胸に顔を埋めた。
二人は、しばらく抱き合っていた。
そして、互いの気持ちを確かめ合った。
その夜、雫は、翔の部屋に泊まった。
ベッドの中で、二人は寄り添い合った。
「海崎…」
「…」
「私…ずっとあなたのそばにいたい」
「…僕もだ」
二人は、互いを見つめ合い、微笑んだ。
そして、静かにキスをした。
第8話へ続く