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ある廃校の噂

作者: はる

ある小高い山奥にある小さな村の外れに、その廃校はあった。この学校も昔は子供たちでにぎわっていたのだが、高度経済成長期や少子化を経て若者が都会へ出て行ってしまい、廃校になってしまった。以来、何十年も放置されているらしい。

それからこの廃校は、色々な噂が囁かれるようになった。

誰もいない廃校のはずなのに、夜中に幽霊が授業をしているとか、以前ここを訪れた肝試しグループのメンバーが行方不明になったなど様々な噂があった。

ヒグラシが鳴く夏の夕方。ここへ5人組の若者グループが訪れていた。

彼らは噂を聞きつけて、この廃校へ肝試しにやって来たのだ。

「着いた。行こうぜ!」

「拓人、本当に行くの?怖いよ…」

拓人は怖がる明穂をよそに、ずんずんと校舎へ入って行く。

「何だ明穂、怖いのか?まだ夕方だし、ただのボロい学校じゃねぇか」

「ここ、なんか嫌な感じするな…。それに廃墟とは言え、勝手に入ったら捕まるよ?」康介も明穂に同調している。ちなみに康介は、少し霊感があるらしい。

〜校舎内〜

「すげぇ!こんなに昔の教科書まで残ってる!」拓人の隣で興奮気味にカメラを回すのは芳樹だ。彼は大学に通いながら、YouTuberをやっている。

「みんな…やっぱりここヤバいよ、出ようよぉ〜」

その横をビビりながらついてくる康介は、ふと謎の気配を感じた。

「何だよ康介、お前まだビビってんのか…」

ヒタ…ヒタ…

5人以外誰もいないはずなのに、背後から妙な気配が近づいてきた。

総毛立つ5人。

「アソボウ…」

不気味な声とともに、ひやりとした冷たい手が拓人の肩にのせられた。

拓人が恐る恐る振り向くと、そこには目玉のない子供のようなモノがいた。

「ひっ…!」

「みんな、逃げろ!」

明穂達は一斉に逃げ出すが、いつの間にか拓人とはぐれてしまった。

「あれ?拓人は?」

「おーい、拓人ー!」

4人は校舎を出てから、拓人がいないことに気づいてしばらく探し回ったが、いくら探しても拓人は見つからなかった。

4人は元の生活に戻ったが、未だに拓人は見つかっていない。

「夏のホラー2024」に投稿した作品です。お読みくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かった。 [一言] 面白かったのですが、行方不明の拓人の辺りが、呆気なく過ぎていった様に感じました。
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