朝活とかいう名前を与えよう
世間で話題の〇〇。
調べたらみつかりましたか?
朝活。いつの時期から、世間で話題に上ってきたワードである。
例えば、朝早く起きてスポーツジムに行って一汗かいてから仕事に向かう。
例えば、朝早く起きて、静かな空間で瞑想にふける。
例えば、この人はどうだろう。
◇
アラームがなっている。
足が寒い。布団はどこだろう。仕方がないから丸くなろう。よし、あったかい。
アラームがなっている。
アラーム?さっきも聞いた気がするけどな?
アラームがなっている。
ん?そんな時間?今日はあれまとめねば、あの人に相談しにいかねば、あれあのこと報告したかな…あれご飯炊いてないね私?…早炊きすれば間に合うよね?…。
アラームがなっている。
朝?朝?確かに車の音がするね。
ぶーんって、ぶーんっていってる。今ちょっと揺れたね?トラックかな?
右手を力いっぱい振り上げ、枕元にあるスマホを拾う。時間だ。
とりあえず、今日の天気予報確認。今日は最高5℃か。寒い。週末雨とかだるすぎ。
ニュースアプリを開く、今日もこの政治家の失言で盛り上がってるな。この服かわいいなどこのだろう。
アラームがなっている。
私起きたよね?
右手をまた力いっぱい振り上げる。たぶん前の時よりは早い。
さすがにやばそう。
最初のアラームの設定は5:00。現在時刻6:40。ちなみに家をでるまであと50分。私の朝ごはん20分、ヘアセット10分、顔の準備10分、お昼ご飯とマイボトルの準備20分。つまりは急がねばいけない朝である。
私の部屋は片道2車線の大きな通り沿いにある。バイクがうるさいときもあるが、幸いそれで睡眠が阻害されることはない。夜行バスで爆睡できるタイプである。
毎朝の楽しみは、ニュース番組のお天気お姉さんの笑顔と、半分寝ながら豆をひくところから始める朝のコーヒーである。
「今日も日中、気温はあがらず寒い一日になりそうです。
暖かい服装でおでかけください。
いってらっしゃい!」
「いってきます♡」
私は豆をひいている。少し腕がつかれたが、ほんの少し力が戻った。
マスクをつけて、髪がぼさぼさでなければそれなりにみえるだろう。問題ない。
仕事にしゃれこんでいく必要はない。そう思いつつ、どの靴を合わせるかで3足並べ、全部試したところである。
「日中も気温はあがらず、最高気温は5℃なんです。」
「寒そうですね。マフラーが手放せませんね。」
「はい、手袋もあるといいかもしれませんね。
おでかけする方は風邪をひかないよう暖かい服装でおでかけください。
いってらっしゃい!」
「はい!いってきます♡」
私は朝ごはんを食べおわり、コーヒーを飲むところである。
食後のコーヒータイムは小さいころからの習慣である。これがないとなんだか落ち着かない朝になる。
実家は裕福ではなかったが、食後のコーヒータイムを母はかかさなかった。小さいころの私はミルクティだったり、から揚げ飲むわ、とか言っていた。今思えば、母は大変だったと思うし、とても幸せだったなと思う。社会人になり、少し余裕ができたので、豆を挽くことから始めた私。面倒だが、贅沢だと思うし、割と無心になれるので、大好きな時間である。
「今週は寒い一週間ですが、来週は一転春の陽気になりそうです。
早いところでは桜も咲くところもありそうですよ。」
「それは楽しみですね。」
「はい、ただ気温差もあり体調を崩しやすい時期でもあるので、
体調管理、気を付けていきましょう。
では、今日もいってらっしゃい!」
「いってきます♡」 実は準備万端の私。気合を3回くらいいれて立ち上がり、会社に向かった。
…
「おはよう!」
「おはようございます…」
「そういえばさ、朝何時に起きるタイプ?」
突然の軽度のハラスメントにいらつくも、
「5時です…」
と答えた。あれ?今日私…、ま、いいか。
「早いねえ!朝活してるの?」
どうしてこの人は朝からこのテンションなのか。
なぜ、今日に限って聞いてくるのだろうか。
「コーヒーをのんびり淹れて飲むくらいです…、朝活なんて、大そうなことしてないです。」
「それ、立派なあ・さ・かつじゃん!」
◇
人によるものである。
確かに、字面でいうと朝に活動していればよいのである。
ちまたではヨガとか、俗にいう”映え”そうなものとか、”健康的に”なるようなランニングしてきましたとか、そんなことが多い。
朝活、あなたはなにをしますか。
私ですか?
そうですね、朝早めに起きてコーヒーを飲みながら、ゆっくりすることですね。