表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣注意  作者: 紅茶(牛乳味)
2/37

2話

「オーパーツ......」

 俺はその単語を口の中で転がす。

 オーパーツ。それは遥か昔に人類が作ったと考えられる技術の結晶。だが、俺はここまで近未来的なオーパーツなんて見たことも聞いたこともない。発見されたオーパーツはほとんどが錆びていたり、あるいは土偶のようなものであったり、壁画、本であったり......確かに奇妙なものではあるが、俺はどうしても今の科学と比べてしまい、あまり惹かれるものではなかった。

 だが、これには何かある。奇妙を通り越した何かが。

「これには、どんな機能があるんだ?」

 震える声で尋ねる。自分でも動揺が隠せない。

「機能は1つじゃない。けれど、今あなたに知ってもらいたい機能は2つ」

 華夜が人差し指を立てる。

「1つ。それは装着することによってとてつもないパワーを生み出す。それを装着した状態なら、山も破壊できる」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。『装着』? このキューブをか? もしこのキューブのことを言っているなら、それはあり得ない。この世の中には質量保存の法則というものがあって、これが装着するための体積になるには、厚さも考えると......」

 焦って華夜の意見を聞かずに講釈を垂れ始める俺。そんな俺を華夜は落ち着かせる。

「克志。とりあえず、私の話を聞いて」

「......」

 俺は華夜の言葉通り黙って、もう1つの機能を尋ねる。

「もう1つの機能は、絶対に壊れない」

「そんな馬鹿な」

 それは、どういう意味でだ? 硬度の意味でか? 熱で溶けることもないのか? 俺の頭が悲鳴を上げる。とりあえず、考えるのはやめよう。

「......華夜。これが、なぜオーパーツだと言い切れるんだ?」

「それは、資料が残っているから。オーパーツが置いてあった台座の下に置いてある」

 俺はいったんどいて、代わりに華夜が本殿の前に立ち、ゴソゴソと資料を探す。

「これ」

 華夜から数十ページにも及ぶ厚さの本が手渡される。受け取り、ざっと中身に目を通す。

「確かに、オーパーツのようだ」

 とりあえず、小難しい場所を読み解くのはあとにしよう。俺はこれがオーパーツであることを確認した。

「これでようやく次の話に行ける」

 華夜が口を開こうとした瞬間、鳥居の方から声が聞こえてくる。

参拝客ではなさそう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ