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10-3

「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」

この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるようなキャラ文芸的な日常を描く。

「それを拒否する。」

拒否女の乃木子とおみっちゃんの友情の物語である。

「エヘッ。」

エヘ幽霊のおみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。


「はい、次はミッドタウンに遊びに行った時の写真!」

「見たい! 見たい! 見たい!」

乃木子は次の写真を出すと、ウエディングドレスの写真で火がついた妖怪・あやかし女子はイルカのショーのイルカのようにわんぱくに食いついた。

「現代のお城って感じよね。」

「おみっちゃん、足がないのにスケートしている!?」

「足が無くても楽しかったわよ! エヘッ。」

公園に冬季はスケート場を作るのが流行っているらしい。

「吹き抜けできれいね!」

「私にピッタリの雰囲気だったわ!」

「こ、こんな高そうな所に遊びに行ったのは初めてでした。」

「お汁粉ちゃんは血に足をつけた生活が大好きだもんね。」

「はい。床掃除をしている方が安心します。」

「私もコンビニにいる方が狭くて落ち着きます。」

エントランスから煌びやかなブランドショップに、吹き抜けの広い空間。

「ここで幽霊ごっこしたのは、きっと私たちが初めてよ!」

幽霊ごっことは鬼ごっこの追いかけっこと同じである。

「楽しかったですね。」

「おみっちゃんなんか捕まりそうになったら、男子トイレに逃げ込むのよ! セクハラよね!」

「ち、違うわよ!? 体が透けて、たまたま逃げ込んだのが男子トイレだっただけよ!」

実態のある妖怪・あやかし女子は男子トイレには入れない。

「エヘッ。」

おみっちゃんには安全地帯であった。

「お店もたくさん、食べ物もおいしいし、芸能人もいっぱい。ああ~楽しかった!」

「また、みんなで行きましょうね。」

「おお!」

盛り上がる妖怪・あやかし女子たち。

「それを拒否する。」

「同じく。」

乃木子と青山霊子であった。

「どうしてよ!? 楽しかったじゃない!? みんなでスタバーでコーヒーを飲んだ仲じゃない!?」

「あんたたちが暴れ回るから、乃木神社に苦情が来るんじゃないかとヒヤヒヤしたわよ!」

そこにチリチリチリーンと、乃木子の家の電話が鳴る。

「はい、乃木神社です。」

「あのミッドタウンですが、お客様から妖怪・あやかしが出ると苦情がありまして除霊をお願いしたいんですが?」

もちろん犯人はおみっちゃんたちである。

「分かりました。それでは明日、お伺いします。それでは失礼致します。」

電話を切った乃木子はお怒りモードで振り返る。

「あんたたち・・・。」

「ごめんなさい! もう暴れません! 行きません! 許してください! 除霊しないで!」

「もっと暴れなさい。」

必死に除霊されたくないので謝る妖怪・あやかし女子たちに、乃木子は笑顔で遊びに行きなさいという。

「え?」

「あんたたちが悪さをすれば、その分だけ我が神社に除霊の依頼がやってくる! これはビジネスチャンスね!」

乃木子は神社の経営者でもあった。

「最近、檀家さんも高齢で死んでしまうし、不景気で新しい檀家さんも加入しないし、お賽銭も減るし、本当に神社の経営は苦しかったのよね。」

「悪魔だ・・・乃木子は巫女なんかじゃないわ・・・。」

さすがのエヘ幽霊からも笑顔が消えた。

「霊子さんはどうして、嫌なの?」

「恥ずかしいのよ。行きつけのミッドタウンやリッツカールトンホテルで騒がれると。」

「行きつけ?」

「だって、私には地元だもの。」

霊子はミッドタウンのカードを取り出す。

「VIPカード!?」

「青山霊園に眠る方は貴族ばかりですもの。皆さんで晩餐会を開く時はホテルを貸し切って行うのよ。」

「恐るべし!? 霊子さん!?」

もちろん費用は都民の税金からお支払いである。

「青山霊子でございます。オホホッ。」

こうして霊子は税金の無駄使いキャラに決まった。

「エヘッ。」

最後もおみっちゃんが笑って誤魔化して終わり。


つづく。

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