10-1
「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」
この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるようなキャラ文芸的な日常を描く。
「それを拒否する。」
拒否女の乃木子とおみっちゃんの友情の物語である。
「エヘッ。」
エヘ幽霊のおみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。
「よく、この調子で10まで続いてるわね。」
これが乃木子の本音である。
「それは私がカワイイからです。エヘッ。」
「それを拒否する。」
拒否女とエヘ幽霊は仲良し。
「おみっちゃん、もう一度、殺してあげましょうか?」
「私、もう死んでますよ? ほら、足もありませんし。エヘッ。」
「もう一度と言っているだろうが!!!」
「キャアアアー! 許してください!」
霊魂注入した金属バットを振りかざす乃木子に許しを請うおみっちゃん。
「10周年ならぬ、10話記念の日常会話は終わった? 行くんでしょ。」
そこに餓ッ鬼ーが現れた。
「あ、そうだった。」
「助かった。」
乃木子が金属バットを下ろして、我に戻る。
「早く行きましょうよ。桂由美ブライダルハウス。」
乃木坂の側に桂由美ブライダルハウスはある。
「え!? ミッドタウンとヒルズに行くんじゃないの?」
「なに言ってるのよ!? 女の憧れはウエディングドレスよ! ああ~! 私、花嫁になるのね!」
餓ッ鬼ーは餓鬼だが女子力は高め。
「完全に世界観に酔ってますな。」
「妖怪・あやかしが行っても、ウエディングドレスを着せてくれるんだろうか?」
「和装でいいわ! 着付け教室もやってるはずよ!」
餓ッ鬼ーは妖怪・あやかしなので振袖も似合うはず。
「いいの? ミッドタウンとヒルズには人間がたくさんいるわよ。」
「人間がたくさん!?」
餓ッ鬼ーは神妙な顔をする。
「人間食べ放題!」
そして目を輝かせ、よだれを垂らしている。」
「食べていいわよ。」
「食べて良くない!」
餓ッ鬼ーは人間が大好物なので目を輝かせる。
「ん? あんたたち何してるのよ?」
乃木子は、待機しているお汁粉ちゃんたちに気づいた。
「三人だけで盛り上がっているから、出ていいのか、悪いのか、タイミングがつかめなかったんです。」
あくまでも謙虚な妖怪・あやかし城のお汁粉ちゃん。
「私も毎回コンビニを休んでまで登場しなくても・・・今月の家賃が払えるか不安です。」
自立して生活をしているコンビニ店員のカワイイお化けの百目ちゃん。
「もう一話千字を超えてるし、なんなら私、青山霊園に帰ろうか?」
気づかいができる青山霊園の代表者、青山霊子であった。
「・・・すいません。私たちが尺を取り過ぎました。」
「ごめんなさい。」
深々と頭を下げる乃木子とおみっちゃん。
「ごめんごめん。お詫びに・・・みんなで人間を食べに行こうよ!」
「それを拒否する。」
反省の色がない餓ッ鬼ーであった。
「エヘッ。」
最後もおみっちゃんが笑って誤魔化して終わり。
つづく。