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「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」
この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるようなキャラ文芸的な日常を描く。
「それを拒否する。」
拒否女の乃木子とおみっちゃんの友情の物語である。
「エヘッ。」
エヘ幽霊のおみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。
「かかってらっしゃい! 英霊ちゃん!」
「いくぞ! 小娘!」
乃木子と青山霊園の英霊との真剣勝負が始まった。
「がんばって! 乃木子ちゃん!」
おみっちゃんも可愛く応援する。
「応援を拒否する。」
「え!? 応援しちゃダメなの!?」
「おみっちゃんも戦うのよ!」
「はあ!? なんでそうなるのよ!?」
「仕方ないでしょ。うちは二人だけなんだから。」
「・・・そんな。お家で温かいコタツでみかんを食べていればよかった・・・。」
ガックリするおみっちゃん。
「美味しいわね。みかん。」
「私たちは幽霊じゃないので、コタツに入ると温かくて眠たくなるわね。」
乃木子の家では餓ッ鬼ーとお汁粉ちゃんはコタツでみかんを食べていた。
「いいんですか? 私までお邪魔して。」
妖界のコンビニ店員のお化け百目ちゃんも人間界に遊びに来ていた。
「いいのよ。まだ、そうキャラクター数が少ないんだから。」
「あ!? これ売れ残りのお正月のお餅です。みなさんでお召し上がりください。」
「やったー! お雑煮が食べれる! お汁ちゃん調理よろしく!」
「はい。やっぱり作るの私ですよね。たまには餓ッ鬼ーさんも作ってくださいよ。」
「無理! 料理なんてしたことないもの。」
「私、作りますよ。揚げもとか、おでんとか作るの得意ですから。」
「ありがとうございます。百目さん。」
乃木子の家の中は和気藹々としていた。
「そうだ! 英霊さんたち! あなたたちの眠りを妨げたのは、この女ですよ!」
「裏切るな!」
「エヘッ。」
おみっちゃんは可愛く笑えば何でも許されると思っている。
「それでは実況のおみっちゃんです。解説は新キャラクターの青山霊子さんと一緒にお送りしたいと思います。」
「青山です。青山霊園のことは私にまかせなさい!」
青山霊子さんは青山霊園で英霊さんのお墓を磨いたり霊園を掃除をしたり、桜を咲かせたりと活躍し、英霊さんが言うことを何でも聞いてくれるほど、信頼されている女の霊である。
「ルールを説明します。英霊さんが投げたボールを乃木子ちゃんが打てたら、乃木子ちゃんの勝ち。青山霊園は乃木子ちゃんの領土になります。」
「しかし、もしも乃木子ちゃんが空振りした場合は、乃木子ちゃんには永遠にお墓の掃除をしながら青山霊園で彷徨ってもらいます。」
神社仏閣ロワイヤルに霊園も妖怪・あやかしに関係するだろうから入れた。
「それは拒否する。」
乃木子は霊魂を注いだ輝く金属バットを構える。
「かかってらしゃい! 神宮の夜空に花火を打ち上げてみせる!」
英霊さんピッチャーはふわ~っとした人魂を投げた。
「遅い!? もらった!!!」
ゆっくりの人魂ボールを見て、乃木子は場外ホームランを思い描いた。
「な!? なに!?」
しかし、次の瞬間、人魂は人魂の意思で乃木子から逃げて離れていく。
「待て! 逃げるな!」
乃木子は逃げた人魂を金属バットを振り回しながら追いかける。
「・・・いつもの展開ですね。」
「いつも、こうなの?」
「霊子さんも青山霊園での出来事は知っているくせに。エヘッ。」
「あ、私は、そういう設定なのね。」
おみっちゃんと青山霊子は仲良し。
「ウラララー! ウラ! ウラ!」
人魂を追いかける乃木子は、その後、人魂ボールを霊魂注入の金属バットでボコボコにし、青山霊園を手に入れたことは言うまでもない。
「エヘッ。」
最後はおみっちゃんが笑って誤魔化して終わり。
つづく。




