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7-3

「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」

この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるようなキャラ文芸的な日常を描く。

「それを拒否する。」

拒否女の乃木子とおみっちゃんの友情の物語である。

「エヘッ。」

エヘ幽霊のおみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。


「ここはどこ?」

妖怪・あやかし城の側で倒れていた女の子が目を覚ました。

「ここは乃木神社よ。」

乃木子、おみっちゃん、餓ッ鬼ーが女の子の寝ている布団の側でおせち料理を並べて、お正月の宴会をしている。

「乃木神社?」

「あなた名前は何て言うの? どうして道端で倒れてたの?」

「名前・・・私の名前は・・・分かりません。確か戦でお城が負けて、焼け落ちてきたお城に巻き込まれて死んだような・・・。」

妖怪・あやかし城の悲しい過去である。

「この子、自分がお城の化け物になっていたって知らないのね。」

「そうね。自分の名前すら覚えてないんですから。」

無神経な・・・幽霊と妖怪・あやかしだから神経はないか・・・。

「あんたたち! 静かにしなさい!」

「すいません。」

乃木子は相手の気持ちを考えないおみっちゃんと餓ッ鬼ーを怒る。

「大丈夫よ。ここは安全だから安心してね。はい。温かいお汁粉でも飲んでゆっくりしてね。」

「ありがとうございます。」

妖怪・あやかし城は乃木子からお汁粉の入ったお椀を受け取り食べた。

「おいしい。こんなに美味しいも食べたのは人生で初めてです。」

妖怪・あやかし城は妖気が抜け、普通の可愛らしい女の子であった。

「そうだ! お汁粉ちゃんにしましょう!」

「お汁粉ちゃん?」

「そうよ。あなたのこれからの妖怪・あやかしライフが幸せになるように。温かい名前にしましょうよ!」

「はい。」

お汁粉ちゃんは新しい自分の名前が気に入ったのか、素直に嬉しそうな表情を見せる。

「お城がお汁だって。」

「いいの? 新キャラの名前決めが全部こんな感じで?」

キャラ文芸作品だからライトで良いのだ。たぶん。

「あんたたち!」

「ゲッ!?」

「あんたたちも改名してあげましょうか? エヘ幽霊とよだれ女に。」

「それは拒否します! おみっちゃんのままでいいです! エヘッ!」

「餓ッ鬼ーを気に入ってます! エヘッ!」

「もう!」

おみっちゃんと餓鬼はエヘ笑いで誤魔化す。

「クスッ。」

そんな人間と妖怪・あやかしのやり取りを見ているお汁ちゃんが楽しそうに笑う。

「お汁ちゃんが笑った!」

「そうよ! 私たちはお汁ちゃんを励まそうとバカを演じていただけよ!」

「・・・嘘つき。」

乃木子は疑いの眼差しでエヘ幽霊とよだれ女を見る。

「お汁ちゃん。私、幽霊の癒し女のおみっちゃん。よろしくね。エヘッ。」

「はいはい! 私は餓鬼。餓ッ鬼ーって呼んでね。お汁ちゃん。」

「お汁です。これからもよろしくお願いします。」

妖怪・あやかしの自己紹介も無事に終わった。

「さあ、みんなでおせちを食べましょう!」

「おお!」

乃木子たちにも平和なお正月がやって来た。


つづく。

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