7-2
「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」
この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるようなキャラ文芸的な日常を描く。
「それを拒否する。」
拒否女の乃木子とおみっちゃんの友情の物語である。
「エヘッ。」
エヘ幽霊のおみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。
「な、何!? あれ!?」
乃木子、おみっちゃん、餓ッ鬼ーは現世の乃木神社に帰って来た。
「で、デカイ!?」
「ガガガガガ!」
そこに待ち構えていたのは東京タワーほどの大きさの妖怪・あやかし城であった。
「もうダメ!? 私たちは終わりね!?」
巨大な城の化け物が一踏みで神社は壊滅状態になるだろう。
「それを拒否する。」
「敵に拒否権が通用するはずないでしょう!?」
「あ、そっか。めんごめんご。」
マイペースな乃木子。
「お城さん! 耳かきをしてあげるから止まってください!」
「城に耳なんかないだろう!?」
「・・・エヘッ。」
笑って誤魔化すおみっちゃん。
「餓ッ鬼ー。」
「なに?」
「食べていいよ。」
「ありがとう! ・・・誰があんな不味そうな城を食うかい!」
餓ッ鬼ーは美味しい物しか食べなかった。
「ガガガガガ!」
妖怪・あやかし城が乃木神社の敷地に足を踏み入れようとした時であった。
「誰だ? 私の眠りを妨げるのは?」
「声!? いったいどこから!?」
どこからか声が聞こえた。
「いったい誰なの!?」
ピンチの乃木子は懸命に呼びかける。
「私は乃木将軍。ここに祀られている者だ。」
「乃木将軍!?」
姿を現した乃木将軍の霊に乃木子は驚く。
「乃木子よ。いつも私を祀ってくれてありがとう。感謝する。」
「いえ、それほどでも。」
乃木子は乃木神社に祀られている乃木将軍と対面を果たす。
「ちょっと!? 乃木子ちゃんは祈りを捧げていただけで、神社の年末大掃除は私がやりましたよ!」
「そうよ! 下宿代と言われて、床拭きも埃落としも私たちがやらされたんだから!」
今明かされる乃木神社の年末大掃除の悲劇であった。
「あんたたちは黙ってなさい! あとでパンケーキにお団子を乗せてあげるから!」
「は~い。」
素直なおみっちゃんと餓ッ鬼ーであった。
「ここは私に任せろ。おまえたちは危ないから下がっていろ。」
「はい!」
乃木将軍は妖怪・あやかし城のいる上空に飛んで行く。
「まったく誰の差し金だ。」
「ガガガガガ!」
「お城では、ガしか言えないな。戦で焼き払われた城の霊であろう。今、成仏させてやる。」
乃木将軍は剣を振り上げ、妖怪・あやかし城に突撃する。
「一刀両断! 乃斬り!」
「ガガガ!?」
乃木将軍の剣は天守閣の頭から石積みの基礎の土台から生えてる足までをきれいに真っ二つにした。周囲にはお城の瓦が飛び散る。
「すごい! 乃木将軍!」
「カッコイイ!」
「いい男! 食べたい!」
乃木子たちは乃木将軍の知勇を兼ね備えた文武両道の強さに惚れた。
「それは妻の怒りを買うので遠慮するよ。さらばだ。」
そういうと乃木将軍は神社に帰って行った。
「ちっ、いい男を食べ損ねた。」
「本気で食べる気か・・・。」
「あ!? 人が倒れてる!?」
砕け散った妖怪・あやかし城の側に女の子が意識を失って倒れていた
つづく。