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5-9

「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」

この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるような日常を描く物語である。

「エヘッ。」

おみっちゃんが笑って誤魔化して始まり。


「おいしい! エヘッ!」

おみっちゃんは乃木子の体を借りて、数百年ぶりのお団子を食べている。抹茶は無いが緑茶付きである。

「この子、泣いてるわ・・・。」

「よっぽどお団子が美味しいんだろう・・・。」

霊感の無い乃木子の両親には、どこかで乃木子が頭をぶっけておかしくなったぐらいにしか思わない。

「ごちそうさま。」

エヘ乃木子はリビングから去って行き、乃木子の部屋に帰って行く。


「喝!」

乃木子はおみっちゃんを体から追いやる。

「ええ~!? 早い! もっと体を貸してよ! 人間を楽しみたい!」

おみっちゃんは子供のように駄々をこねる。

「お団子だけでも食べさせてあげたんだから感謝してよね。」

乃木子は上から目線で話す。

「やだ! やだ! やだ! もっと体を貸して!」

「それは拒否。」

あくまでも乃木子はドライである。

「お風呂に入ってくるから、大人しくしてるのよ。」

乃木子は部屋の扉を閉めてお風呂に向かった。

「・・・私も拒否してやる! エッヘッヘ。」

エヘ幽霊は幽霊としての実力を見せる時が来た。


「まずは乃木子のお父さんに憑りついてやる。エヘ。」

おみっちゃんの現世での幽霊生活が始まった。

「いくぞ! 乃木子パパ!」

「んん!?」

おみっちゃんは乃木子のお父さんに憑りついた。

「おお!? これが男の体か!? パワーがみなぎってくる!」

おみっちゃんは男の体に興味津々である。

「どうしたんですか? お父さん? 子供みたいに騒いで?」

乃木子のお母さんが現れる。

「お母さん!」

エヘお父さんは本能的に女性のお母さんに抱きつく。

「え!?」

突然のお父さんの行動に動けないお母さん。

「・・・拒否する!」

意識を取り戻したお母さんは拳の一撃でお父さんを粉砕する。

「ギャア!?」

お父さんは目を回して床に倒れ込んだ。

「乃木子パパ、成仏してね。」

幽霊のおみっちゃんが気絶したお父さんに手を合わせてお悔やみする奇妙な光景である。

「乃木子が拒否するのは、お母さんの遺伝ね。・・・は!? ということは、この家で最強は・・・乃木子ママ!? エヘヘヘヘ。」

おみっちゃんはいいところに気がついた。


「拒否、拒否、拒否があれば、この世は幸せ!」

乃木子は湯船に浸かりながら自作の拒否の歌を笑顔で歌っていた。

「こら! 乃木子!」

そこにお風呂の扉を開けて、エヘ乃木子ママが現れた。

「お、お母さん!?」

「乃木子! 宿題はやったの? ちゃんと勉強しないとお父さんみたいな、つまらない大人になるわよ!」

「ごめんなさい。お母さん。」

乃木子もお母さんには頭が上がらない。

「もっと、おみっちゃんに体を貸してあげなさい!」

「はい・・・ん!? おまえ、おみっちゃんだな!」

「し、しまった!?」

おみっちゃんがお母さんに憑りついているのが乃木子にバレた。

「おみっちゃん、あとでお仕置きよ。」

「ええ!? 拒否させてください!?」

エヘ乃木子ママは風呂場から逃げ出した。

「あのエヘ幽霊は教育する必要があるわね。」


つづく。

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