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「可愛くても足はない! 癒し女のおみっちゃん!」
この物語は、クセのある幽霊が国民的テレビアニメになれるような日常を描く物語である。
「え?」
おみっちゃんは戸惑っている。
「この状態でストーリーを始める? いいですけど・・・自殺行為ですよ?」
おみっちゃんは話の進行に不安であった。
「あ、私、死んでました。」
おみっちゃんは幽霊である。
「エヘッ。」
幽霊でも、可愛ければ何をやっても許されるのだった。
「クソ! おみっちゃんは、自分が幽霊ネタで遊んでばかりじゃないか!?」
お江戸悪徳商会の副社長ぬらりひょんは激怒していた。
「継続は、現在の妖怪・あやかしってことぐらいしか、設定が決まっていないだと!?」
ストーリーが全く決まっていない。
「何かアイデアを探そうと本屋の平台を見ても、オタク向けの一部にしかウケないものか、全滅要素のある作品ばかりじゃないか!? 大衆向けの作品も無いし、進撃の巨〇のような大作も無く、日常作品で通用しそうなものでも無い。いったいどうしろというのだ!?」
悪役妖怪・あやかしの定番の頭脳明晰のぬらりひょんでもストーリーの創作に困っていた。
「トホホ・・・。」
最後はぬらりひょんが落ち込んで誤魔化して終わり・・・終われるかい。
「あれ? 終わりじゃないんですか?」
再びおみっちゃんに出番が回ってきた。
「え、字数が1話1000字に到達していないのと、まだメインストーリーが決まっていないんですか?」
それが理由である。
「私には関係ないんですけど? だって・・・幽霊ですから。エヘッ。」
あくまでも幽霊押しでいくおみっちゃん。
「笑うな!」
そこに女の大きな声がする。
「ろくろ首の女将さん!?」
「社長と呼びなさい、社長と。設定は現代なんだから。」
おみっちゃんとろくろ首の師弟関係は以前に描いたので、字数的にパス。
「アイデアに困ってるんだって?」
「はい。そうなんです。」
「メインストーリーを教えてあげようか?」
「え?」
ろくろ首の女将さんは何かアイデアを持っているようだ。
「ここにたどり着くまでに、5万0000文字以上の駄作を繰り返してるんだよ? アイデアのネ申が降臨されないでどうするのさ?」
「おお!? この神々しい光は神だ!? 神さまだ!?」
おみっちゃんの目には分厚い暗雲を貫き金色の光を放ち舞い降りる神の姿が見える。
「お、教えて下さい! 神様は、どんなアイデアを与えて下さったんですか!?」
おみっちゃんは自分のメインストーリーが知りたくて仕方がない。
「おっと、1000字を超えているので、続きは次話で。」
「そ、そんな!? ズルい!? 教えて下さいよ!?」
「ケケケケケッ!」
うまいこと引き延ばす、ろくろ首であった。
「エヘッ。」
最後は、おみっちゃんが笑って誤魔化して終わり。
つづく。




