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「どこかでブーストしないと、末までに10万字いかない! 癒し女のおみっちゃん!」
この物語は、クセのある幽霊の物語である。ついに探偵設定も消えた・・・。
「もうすぐ漫画原作コンテスト書き終わるから、それまで待ってて! どりゃああああああ!」
幽霊なのにおみっちゃんはラノベ小説も書くほど銭の亡者だった。
「コン・・・。」
「ヒヒーン・・・。」
「バク・・・。」
妖狐の子供のコンコン、ナイトメアをあやかし化した夢馬、悪夢を食べる獏のバクバクは、おみっちゃんのペットになり、おみっちゃんの仕事が終わるまでご飯はお預けだった。
「なんだか・・・眠くなってきた・・・ふわ~あ・・・zzz。」
急に眠気に襲われたおみっちゃんは眠りに着いてしまった。
「コン!?」(寝るなら、ご飯作ってから寝ろ!)
「ヒヒーン!?」(エサは!? エサはどうなる!?)
「バク!?」(もうだめ、お腹が空いて死んじゃう・・・。)
小動物3匹は空腹でイライラと力尽きそうだった。
「こんな幽霊に私は眠りを邪魔されたのか?」
なんと!? そこに現れたのは眠りの神ヒュプノスだった。このままでは異世界ファンタジーのキャラクターなので、妖怪・あやかし風に眠り神と呼んでおこう。
「zzz・・・やったー! ・・・宝くじが当たった! zzz。」
眠り神の眠り攻撃に抵抗するおみっちゃんの欲望。しかし、また眠りに着いてしまった。
「私の眠り攻撃から寝言を言うとは・・・只者ではないかもしれん。ここで一思いに永遠の眠りに着かせてやる方が、今後の憂いを絶つ意味で良いかもしれんな。」
眠り神はおみっちゃんを殺すことにした。
「zzz。」
寝言さえ言わなければ、癒されるカワイイ寝顔のおみっちゃん。
「コン!」
「ヒヒーン!」
「バクバク!」
小動物トリオは眠り神と戦おうとする。
「主人のために私と戦うというのか? おまえたちも眠れ。」
「zzz。」
眠り神の眠り攻撃に小動物トリオは眠りに着いてしまった。
「おみっちゃん、おまえを黄泉の国に送ってやろう。」
眠り神がおみっちゃんの寝込みを襲おうとする。
「ちょっと待った。」
その時、眠り神を止める女の声がする。
「おまえは!? ろくろ首!?」
眠り神が振り返ると、首は伸びていないがきれいな女性がいた。
「どうしておまえがこの娘をかばう?」
「私がこの子に商売を教えたんですよ。本店のサンマ定食屋のオープンの時、アルバイトしてくれていた時からの付き合いなんですよ。眠り神、あなたも常連のおみっちゃんのファンだったでしょう?」
おみっちゃんとろくろ首は師弟関係であった。
「まさか!? あの可愛かったウエイトレスのおみっちゃん!?」
眠り神はサンマ定食屋で一生懸命に働いていた、今と姿の変わらないおみっちゃんを思い出す。
「ということで、今回は許してあげて、おみっちゃんが困ったら助けてあげてくださいな。」
「わかった。今回は見逃そう。さらばだ。」
こうして、眠り神は去って行った。
「ああ、涎垂らして汚いね。」
おみっちゃんを見ている、ろくろ首はニコッと微笑んでいた。
後日。
「いらっしゃいませ!」
「耳かきをお願いします。」
「は~い。」
眠り神はおみっちゃんの耳かき屋の常連さんになった。おみっちゃんはお客さんが眠り神とは知らない。
つづく。




