3-3
「元々は耳かき屋です! 幽霊探偵、おみっちゃん。」
この物語は、クセのある幽霊が探偵をするという物語である。
「いらっしゃいませ! ご主人様! エヘッ。 私の膝枕まで、どうぞ。この辺りが気持ちいいですか?」
なぜか女子高生の鈴たち5人が、デレデレした汚らしいおっさんの頭を膝に乗せて、耳かきをしている。
「ありがとうございました。」
大きな耳クソを取って、女子高生の膝に触れたおっさんは笑顔で帰って行く。
「なんで私たちが、JKビジネスをしないといけないのよ!?」
女子高生たちは怒り心頭であった。
「仕方がないでしょう。私は元々、耳かき屋さんだったんだもの。」
おみっちゃん、正式名称、癒し女のおみっちゃん。元々は耳かき屋さんだった。
「別にいいじゃない!? 私は主役よ!」
最近、自分が主人公の地位を手に入れたので、駄菓子バーのサイドビジネスで、鈴たち東西南北を使って、本来の仕事であるJK耳かきを始めた。(警察には無届。違法風俗店営業である。)
「駄菓子売るより、儲かって仕方がないわ! ワッハッハー!」
おみっちゃんの商売センスは、全世界に食堂を経営している、ろくろ首のおばさん譲りである。
「警察だ! この駄菓子屋が女子高生にいかがわしいことをさせていると通報があった。抜き打ち検査を行う!」
その時、警察がやって来た。
「なに!? 誰だ!? マッポ(警察)にチクった奴は!?」
「・・・。」
女子高生の鈴、東西南北の中で110番できそうなのは、頭脳明晰な東だけだろう。
「私は山本刑事だ。」
「僕は倉朝刑事だ。」
どちらも使いまわしの刑事である。
「令状を持ってこい! 裁判所の令状を持ってこい!」
暴れるおみっちゃんの手が刑事に当たる。
「あ。見たな。」
「見ました。公務執行妨害でおみっちゃんを逮捕します。」
「えええ~!?」
おみっちゃんは公務員に暴力をふるった罪で逮捕されることになった。
「これで鈴たちは自由だ!」
「フッ、おみっちゃん、計算を誤ったわね。」
「私、耳かき屋でも人気ナンバー1だったのに・・・。」
「国家権力の恐ろしさを思い知れ!」
「あの・・・私のキャラ設定は、いつになるんだ!?」
上から、鈴南北東西である。
「さあ、手錠をはめるから手を出せ。」
「はい。」
おみっちゃんは罪を反省し涙ながらに手を差し出す。
「あれ!? なんで!? おかしいぞ!?」
ガチャっと閉じた手錠だが、おみっちゃんの手をすり抜けた。
「あ! そっか! 私、幽霊だから手錠されないんだ!」
おみっちゃんは自由の身になりました。
「おばけって・・・。」
「ゆうれいって・・・。」
口を開けて鳩が豆鉄砲を食ったよう顔をしている刑事2人。
「恐るべし!? おみっちゃん!?」
「私たち、まだJK耳かきでこき使われるのね!?」
悪徳オーナーにこき使われる女子高生たち。
「わ~い! 無罪! 無罪!」
おみっちゃんは警察に捕まらないことを喜ぶのだった。
つづく。