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「私、足はありません! 幽霊探偵、癒し女のおみっちゃん。」
この物語は、クセのある妖怪の探偵が事件を解決する物語である。
「zzz。」
依頼者の気持ち悪い男性は布団で眠りに着いた。
「さあ、何が出てくるかしら!? 獏!? それとも枕返し!? まさか!? 死神大先生!?」
「コン。」
依頼を受けた幽霊探偵のおみっちゃんはペットの妖狐の子供のコンコンと待機している。
「いよいよね!?」
依頼者の男性の部屋に次元の歪みが生じ、何かが現れる。
「ヒヒーン!」
「馬!?」
現れたのは悪夢を見せる馬、ナイトメアだった。
「ピキン!」
おみっちゃんは作品の危機を察知した。
「おまえ! 異世界ファンタジーだろ!」
「ヒヒーン!?」
おみっちゃんの左アッパーが炸裂し、ネイトメアを画面の彼方に吹き飛ばした。
「純和風のあやかし作品なのに、洋物は出てくるな!」
しかし、これはあやかしモノで一つの可能性に気づかせてくれた。
「次こそは!?」
新し夢魔が次元の歪みから現れる。
「神!? ヒュプノス!?」
現れたのは眠りの神、ヒュプノスだった。
「ピキン!」
おみっちゃんは作品の危機を察知した。
「おまえも異世界ファンタジーだろうが!」
「ギャア!?」
再び、おみっちゃんの左アッパーが炸裂し、ヒュプノスを画面の彼方に吹き飛ばした。
「まったく、嫌な予感しかしない・・・。」
おみっちゃんの嫌な予感は霊感のある幽霊だけによく当たる。
「インクブス!」
「スクブス!」
「サキュバス!」
「アルプ!」
「エンプーサ!」
「リリス!」
「リリン!」
「枕返し!」
「獏!」
ゲテモノの連続登場に、おみっちゃんの怒涛の右フック、1、2パンチのラッシュが続く。次から次へと画面の外に吹き飛ばしていく。
「はあ・・・はあ・・・。しまった!? 和もの妖怪まで吹き飛ばしてしまった!? お~い! 帰って来て~!」
おみっちゃんが叫ぶも誰も帰ってこなかった。
「あちゃ・・・やってしまった。」
おみっちゃんが肩を下げて後悔している。
「コンコン。」
「ん? まだ出てくるの・・・。」
その時、次元の歪みから何かが出てくるのをコンコンが気づいた。おみっちゃんは疲れ切っている。
「よくぞ、私の術を見破った。褒めてやる。私の名前は猫又。恥ずかしいから又ちゃんと呼ばないでね。アハ!」
そこに現れたのは猫又だった。
「グググググ! おまえの仕業か! 化け猫!!!」
おみっちゃんの怒りが爆発する。
「そういう、おまえだって、幽霊だろうが?」
「フッ、足が無くても事件は解決! 私は幽霊探偵おみっちゃん!」
ここでキャッチなタイトルコールが入る。初期のキャラ不足から、少しおみっちゃんが凶暴設定である。
「コンコン、やっておしまいなさい。」
「コン!」
コンコンは青い火の玉の狐火を出し、猫又を焼き尽くしにかかる。
「ギャア!? お許しください!? おみっちゃん様!?」
青い火の玉に焼かれ猫又は戦意を無くし降伏した。
「めでたし、めでたし。エヘ。」
「コン。」
こうして事件は平和に解決された。
「私でも事件解決できました。やればできる!」
「コン。」
しかし、今回だけでも多数のゲテモノたちに恨みを買ったことを、のんきなおみっちゃんは知らない。
つづく。




