表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/85

12

「絶対? 本当に? 絶対に解けない謎はない! 私が絶対法則をぶち壊す!」


この物語は、性格にクセのある女子高生探偵が登場するライトミステリーである。



「ああ~、探偵モノって、メイン・ストーリーが進まないで、どうでもいいサブ・ストーリーで毎週のアニメ放送をつないで、メイン・ストーリーのキャラで映画だけして儲けるっていう延命がお約束なのよね。」

「鈴ちゃんが独り言を言っている!?」

鈴と南が学校の帰り道を歩いている。

「ほら、あんな風に。」

鈴は道端に捨てられている子狐を見つける。

「コンコン。」

子狐は人に飼われていたのか、鈴と南に愛らしく懐いてくる。

「かわいい!」

「よしよし。」

鈴と南は子狐が一瞬で気に入った。

「鈴ちゃん! こんなかわいい狐さんを捨てた飼い主を懲らしめよう!」

「おお! 女子高生探偵サウス&ベルの出番ね!」

「絶対に犯人を見つけて、おしりぺんぺんするんだから!」

「絶対? 本当に? 絶対に解けない謎はない! 私が絶対法則をぶち壊す!」

南の絶対という言葉に鈴は過剰反応する。

「許さないぞ! 飼い主め! クンクン。」

「でた! 鈴ちゃんのミステリアス・ドック!」

こうして鈴と南は子狐の飼い主を探すことになった。



「ハックシュン!」

駄菓子屋バー五寸釘のマスターおみっちゃんはくしゃみをしていた。

「誰かが美しい私の噂話をしているな。」

自分の美貌に酔いしれていた。

「クンクン。」

そこに鈴と南が子狐を連れてやって来た。

「お帰り! 名探偵の鈴ちゃん! 南ちゃん!」

「あ、おみっちゃん! ただいま!」

「クンクン。」

しかし、嗅覚を研ぎ澄ませている鈴はおみっちゃんの存在にも気づかなかった。

「あれ? 南ちゃん。鈴ちゃんはどうしたの?」

「実は、帰り道に捨てられている子狐を見つけて保護したの。」

「コンコン!?」

おみっちゃんは子狐を見て驚いた。

「可哀そうに血も涙もない飼い主にエサももらえずにボロボロにされて捨てられて・・・。そこで女子高生探偵サウス&ベルは飼い主を見つけて、ボコボコのけちょんけちょんにして簀巻きにして太平洋に沈めることにしたの。小動物を虐待する酷い飼い主は絶対に許しません!」

南ちゃんカッコイイ! さすが探偵事務所サウス&ベルの敏腕秘書。

「クンクン。おかしいな?」

「どうしたの? 鈴ちゃん。」

「飼い主の臭いがおみっちゃんにしかつながっていないんだ。」

「あの・・・コンコンの飼い主は私なんですけど。」

追い詰められた犯人が自白した。

「なに!? おみっちゃんが犯人!? 嘘だと言って! おみっちゃん!」

「まさか!? おみっちゃんが、酷いことをする人だったなんて知らなかったわ。クスン。」

「え? ええ!? コンコンはお腹が空いて休憩してただけよ!? 油揚げをあげれば、すぐに元気になるんだから!?」

「問答無用! コンクリートに埋めてやる!」

「さらば! おみっちゃん! 太平洋のクジラさんによろしく!」

こうして犯人は厳罰に処された。

「コン。」

子狐ならぬ妖狐の子供のコンコンは油揚げをお腹一杯に食べて幸せに暮らしましたとさ。


つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ