１０
「絶対？ 本当に？ 絶対に解けない謎はない！ 私が絶対法則をぶち壊す！」
この物語は、性格にクセのある女子高生探偵が登場するライトミステリーである。
「遠足～遠足～うれしいな！」
鈴と南は高校の行事で遠足に来て楽しんで歩いていた。
「ギャア！？」
その時、うら若き乙女の叫び声が響いた。
「事件だ！ 南ちゃん！」
「女子高生探偵サウス＆ベルの出番ね！」
鈴と南は現場に駆けつける。
「きゃ、きゃ、キャピ。」
悲鳴の主は北さんだった。依然、北野北さんにしたが、南野南ちゃんと被るので、急遽、北川北さんに改名された。
「全話のキャピを引きずっているね。」
「全部、おみっちゃんの性だよ。」
鈴と南はおみっちゃんを恨んだ。
「クシュン。もう、私が美人だからって、男どもが噂話をしてるんだわ。キャピ。」
キャピ事件の犯人のおみっちゃんであった。
「北さん！？ 何があったの！？」
気を取り直して鈴は北さんに悲鳴の訳を聞く。
「し、死んでる！？」
高校の遠足で殺人が起こったらしい」
「殺人事件か！？ いったい誰が死んだんだ！？」
「アリさん。」
北さんは地面でぺっちゃんこになって潰れているアリさんを指さした。
「アホ！」
「バカ！」
「だって！？ アリさんが死んでいるんだもの！？」
ここで北さんの友達が二人現れる。東山東さんと西谷西さんである。これで東西南北が出揃った。
「事件だ！ 大事件だ！」
「アリさん事件は女子高生探偵サウス＆ベルが解決するわ！」
そこに鈴と南がしゃしゃり出てきた。
「アホだ・・・。」
「北さんを超えるバカだ・・・。」
「わ～い！ 私の方がマシね。絶対に。」
思わず北さんが言ってしまった、絶対という言葉に鈴の本能がピクンと反応する。
「絶対？ 本当に？ 絶対に解けない謎はない！ 私が絶対法則をぶち壊す！」
「鈴ちゃん、カッコいい！」
女子高生探偵サウス＆ベルの出番である。
「クンクン。」
「でた！ 鈴ちゃんの食い意地の張った犬！」
「ガウガウ。」
「痛い！？ 噛まないで！？ 今度はちゃんとするから。」
鈴は見せ場でふざける南を懲らしめる人食い犬になったのだった。
「クンクン。」
「でた！ 鈴ちゃんのミステリアス・ドック。」
鈴は鋭い嗅覚の持ち主で臭いを嗅いで事件の真相に迫るのだった。
「わかった！ アリさんを踏んだ犯人は・・・ナンシー先生だ！」
鈴はナンシー先生を指さした。
「ノー！ ノー！ 私、日本語分かりません。」
「分かってるやないかい！？」
こうしてアリさん事件の犯人はナンシー先生で解決した。
「ありがとう、鈴ちゃん。南ちゃん。」
「良かったね、北さん。」
ここに鈴と南と北に友情が芽生えた。
「おもしろい！ 私たちも探偵ごっこに参加しようじゃないか！」
「女子高生探偵団の誕生ね！ ワッハッハー！」
勢いで東さんと西さんも女子高生探偵をすることになった。
「結構です・・・。」
「鈴ちゃん、怖いよ・・・。」
こうして女子高生探偵団が結成されたのだ。
つづく。
