表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最強魔法が、“復活の呪文”なんだが!? ~ぺぺぺ……で終わる?異世界スローライフ~  作者: 延野正行
第8章 王国激闘編!?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/109

第75話 魔竜クロムドラゴン、爆誕

お待たせしましたm(_ _)m

 どうやって倒せばいい……。


 それが守護竜と戦う上で初めて感じた迷いだった。

 ぼくの動きが止まる。

 竜は見逃さなかった。

 口内が赤く膨れあがる。

 MAXまでためず、速射してきた。


 チカッ!


 赤い光線がとうとうぼくを捕らえる。

 腕を貫いた。


「ぐあああああ!」


 自分でもびっくりするほどの悲鳴を上げた。

 熱い。

 腕が燃えているかのようだ。

 もっと血が出るかと思ったけど、傷口の熱でドンドン血液が蒸発していく。

 キツい鉄の匂いが鼻腔を突いた。


「トモアキ!」


 蹲ったぼくにクレリアさんは駆け寄る。

 守護竜はその間も短い間隔でブレスを撃ち込んできた。


 クレリアさんは魔法で自分の肉体を強化する。

 軽々とぼくを持ち上げると、飛んでくるブレスを寸前でかわしながら、近くの丘に逃げ込んだ。


「大丈夫かい?」


「うん。かなり痛い」


「ともかく、これを」


 ぼくに渡したのは、神豆だった。

 有り難い。

 すぐに飲み込む。

 腕に出来た傷穴が、みるみる塞がっていった。

 頭の裏まで貫く痛みも、嘘のように引いていく。


 凄いなあ、神豆って。


 ぼくは他人事のように感心してしまった。


「あの大トカゲめ! あたしのトモアキを傷つけるなんて」


 丘から顔を出す。

 ゴールドドラゴンはゆっくりとこちらに向かってきていた。

 クレリアさんは奥歯を噛みしめる。

 かなり怒っていることは、表情からでもわかった。


 けど、現状打つ手はない。

 ゴールドドラゴンが本当に勇者しか討伐出来ないなら、ぼくたちにはどうしようもなかった。


 やることといえば、逃げるか。

 それとも勇者を無理矢理にでも連れてきて、竜と戦わせるぐらいだ。

 あれ? でも、悪くないなあ。

 同僚(あいつ)を連れてきて、竜とタイマンさせる。

 別に悪い考えじゃない。

 だって、全部勇者が悪いんだから。


 ともかく、現状ぼくが出来ることといえば、逃げることぐらいだけど……。

 正直、女の子の前で尻尾を巻いて逃げるってのは、ちょっとなあ。

 せめて、あの竜にお帰り願うぐらいはできないだろうか。


「クレリアさん、本当にゴールドドラゴンは勇者しか倒せないの?」


「本当かどうかなんて、勇者に倒してもらうしかないよ。でも、あいつはあたしの爆裂魔法を12回も耐えたんだ」


 げぇ! クレリアさんの魔法を12回も耐えるなんて。


「魔王の四天王クラスだって倒せる程の威力なのに、ケロッとしてんのさ。特殊な魔法とかスキルがかかってるって考えるのが自然だろうね」


 何かの特殊魔法か。


 あ。そうだ。

 試してみるか。


 ぼくは顔を上げる。

 ゴールドドラゴンに向かって、呪文を唱えた。



 とうきょ〇と たいと〇く こまが〇ばんだ〇の がんぐだいさんぶのほし



 鑑定魔法だ。

 すぐに結果が、脳裏に映し出される。



 ゴールドドラゴン

 じょぶ   せいけんのしゅごりゅう

 れべる   1

 ちから   941

 たいりょく 901

 すばやさ  785

 ちりょく  187

 まりょく  923

 きようさ  422

 うん    583

 ほせい   ゆうしゃ



 つよっ!


 レベル1なのに、いくつかの能力値がカンストしそうになってるじゃないか。

 これレベルが上がったら、ぼくより強くなるんじゃないか。

 あと、妙に「知力」が低いことに、何か悪意を感じるよね。


「どう? トモアキ」


「たぶん、クレリアさんの考えは当たりだよ」


 「補正」の項目にある「勇者」ってのが、たぶん勇者にしか倒せないって意味なんだと思う。

 たぶん、ゴールドドラゴンは普通のモンスターとは違う。

 ゲームでいうところのイベントモンスターってことだろう。


「随分と冷静だね、トモアキ。やっぱりゲームの設定だから」


「そうかな。割とびっくりしてるけどね」


 レベルマ状態だからかな。

 腕に穴が空いた時は驚いたけど、妙に冷静だし、頭が冴えているような気がする。


「どうする?」


 クレリアさんはぼくに尋ねた。

 逃げるのは簡単だ。

 けど、まだぼくにはやれることがあるはず。


「戦うよ」


「トモアキのそういうところが好き」


 いきなり告白されて、ドキッとしてしまった。

 クレリアさんも自分の発言に驚いたらしい。

 かあ、と赤くなってる。


「ありがとう。がんばるよ、クレリアさん」


「う、うん。頑張って、トモアキ!」


 ぼくは丘から身体を出す。

 向かってくる竜の前に再び立ちはだかった。


 竜は目を細める。

 長い首を伸ばし、ととととっと喉を鳴らした。


「観念したか、勇者の部下」


「だから、その勇者の部下っていう呼び方をやめてもらいますか。ぼくには相田トモアキって名前があるんですから、ゴールドドラゴンさん」


「ふん。そなたが我に勝ったら考えてやろう」


「そういうの。ぼくの世界では、負けフラグっていうんですよ」


 ぼくは手をかざした。

 呪文を唱える。



 ほりい○う じえにつ○すど ら○くえす とだよ



 お馴染みの魔法。

 他者をレベル50にする(ヽヽヽヽヽヽヽヽ)魔法だ。


「トモアキ! その魔法を使ったら――」


「ぐおおおおおおおおおおおお!!」


 クレリアさんの声を遮ったのは、ゴールドドラゴンだった。

 頭を空へと向け、激しい吠声をまき散らす。

 大きな翼をピンと横へ伸ばし、尻尾をむちゃくちゃ振り回した。


「どういうこと?」


 クレリアさんが呆然と見つめる。

 明らかに苦しむ守護竜を、だ。

 ぼくが使った魔法は、あくまで他者をレベル50にする魔法。

 相手が苦しむ要素はない。

 だから、ぼくもまた驚いていた。


 効いてる?


 ぼくの魔法がゴールドドラゴンに対して、なんらかの別の効果が現れたんじゃないかと思った。

 だが、その認識は間違いだった。


 ゴールドドラゴンの身体が徐々に大きくなっていく。

 見事なまでに曲線を描いていた翼は禍々しく歪む。肥大した巨躯を支えきらず、鎌のように曲がった爪を地につけ、前傾姿勢を取った。


 一番の変化は体色だ。


 黄金が、闇を浴びたように黒く染まっていく。


 さらに血のように濡れた瞳をぼくの方に向けた。


 やばっ……。

 これってパワーアップしたんじゃ。


「我が名はクロムドラゴン……」


 名前が変わった。

 ――って、クロムドラゴンってまさにドラゴン○クロールじゃん!


 ぼくは慌てて、クロムドラゴンを鑑定した。



 クロムドラゴン

 じょぶ   せかいをはかいすること

 れべる   50

 ちから   999

 たいりょく 999

 すばやさ  999

 ちりょく  391

 まりょく  999

 きようさ  752

 うん    852

 ほせい   ゆうしゃ

 うらわざ  あり



「この世界を破滅に導く者……」


 ゴールド――いや、クロムドラゴンは低く唸る。

 すると、口内は闇色に染まった。


 やっば! ブレスだ。


「クレリアさん、ごめん」

「ちょ! トモアキ!?」


 ぼくはクレリアさんを抱える。

 そこから思いっきりジャンプした。

 直後、ブレスが吐かれる。

 ぼくがさっきまでいたところに着弾する。



 どおおおおおおおお!!



 大瀑布の音を側で聞いているような轟音が大地を穿つ。

 爆風と共に、黒い炎の柱が立ちのぼった。


「すご――」


 ぼくはクレリアさんを抱えながら、上空から眺める。

 クロムドラゴンはその後も、黒いブレスを吐きまくった。

 その1本が流れ弾になり、遠くのアリアハルの城郭を貫く。


「もう! トモアキ! 竜を強くしてどうするの!」


 ポカポカとクレリアさんがぼくのお尻を叩く。

 ぼくたちはようやく地面に降り立った。

 やや距離を取った場所から、クロムドラゴンを臨む。


「大丈夫だよ、クレリアさん」


「へっ?」


「たぶん、ぼくたちは勝てる」


 すると、ぼくは再び鑑定魔法をかける。

 クロムドラゴンの「裏技」の項目を鑑定した。

 予想通り、説明が出てくる。



 クロムドラゴンを倒す方法……。



 そして、そこに書かれたのは、新しい呪文だった。




次話で決着(予定)!


※ 新呪文のネタバレは厳禁。作者との約束だぞ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作の飯ものを始めました! どうぞお召し上がり下さい↓
『ゼロスキルの料理番』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ