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異世界最強魔法が、“復活の呪文”なんだが!? ~ぺぺぺ……で終わる?異世界スローライフ~  作者: 延野正行
第8章 王国激闘編!?

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第74話 結局、無理ゲーじゃないか!

早めに更新いたしました。

「精霊の一鍵ウェーダルよ。水を()りし、尾を持つ乙女よ。我が声に耳を傾けよ。其の湖より静かなる力以て、我が前に立ちふさがる騒乱を鎮めよ!」


 静かなる水の反逆(ウェーブ・ライダー)


 ぼくの手から水の奔流が放たれた。

 強烈な水撃は守護竜の腹を穿つ。

 吹き飛ばすが、竜はケロッとした顔で立ち上がった。


 これも効かない。


 ぼくが覚えている攻撃魔法はこれで打ち止めだ。

 あとは肉弾戦しかない。


 幸い守護竜はバカの1つ覚えみたいにブレスしか吐いてこない。

 当たれば致命傷だけど、回避するのは困難ではなかった。

 懐に入ると、拳を連打する。

 お腹に穴が空くのではないかと思うほど、打ち込んだ。

 けれど、竜は立ち上がってくる。


 効いてはいるはずだ。

 現に少しずつだけど、動きが鈍くなってきているような気がする。

 だけど、根本的な致命傷までに至っていない。


 もしかして、この守護竜って無敵なんじゃ……。


 予感がひやりとぼくの背中をよぎった。

 一瞬、動きが止まる。

 守護竜は見逃さない。

 尻尾を鞭のようにしならせ、ぼくをなぎ払った。


「しま――!!」


 吹き飛ばされる。

 さすがに効いた。

 竜の渾身の一撃に、ぼくは顔を歪める。

 身体はなんともなかったけど、少し視界がかすんだ。

 どうやら軽い脳震盪を起こしてるらしい。


 やばい。

 今、攻撃されたら。


 かすむ視界の中で、守護竜は大きく息を吸い込むのが見えた。

 口内が赤く光る。


 ぼくは無理矢理身体を動かすも、さすがに機敏には動けない。


 やられる!


 覚悟を決めた瞬間、その声は高らかに聞こえた。



「精霊の一鍵イフリルよ。紅蓮を纏いし、火車の獣よ。我が声を聞け! 其の天空を朱に轢きし力()て、罪深き大地を業火に尽くせ!」


 裁きの鉄槌火(ナパームブラスト)



 極大の炎が守護竜を襲う。

 火だるまとなった竜は嘶いた。


 ぼくの目の前に魔法使い姿の少女が降り立つ。


「トモアキ、大丈夫?」


 竜の方を向いて杖を構えたのはクレリアさんだった。


「なんとかね。ありがとう」


 間一髪だった。

 クレリアさんがもう少し遅かったら、やられていた。


「どういたしまして! でも、さすがトモアキだね。あの守護竜と互角に戦うなんて」


「う、うん。まあ、ね。でも、全然倒せないんだ」


「それはまあ……。仕方ないかも」


 どういうこと?


 首を傾げたが、クレリアさんは答えてくれなかった。


「“爆撃の魔女(エクスブローラー)”か。久しいな」


 揺れる炎の中から守護竜は現れる。

 ぼくの時と同じだ。

 全身火傷を負っているのに、ピンピンしている。

 やっぱ不死身なんじゃないの、この竜。


「覚えてくれているとは光栄ね。守護竜ゴールドドラゴン」


 あの守護竜ゴールドドラゴンって名前なんだ。

 なんかドラゴン〇クロールを思い出すなあ。

 無理ゲーだったけど、グラフィックとBGMが良かったよね。


 などといってる場合じゃない。


 ゴールドドラゴンは長い首を動かしながら、唸りを上げた。


「そなたほど、我に肉薄した人間はいなかったからな」


「嬉しいこといってくれるわね」


 話を聞く限り、どうやらクレリアさんはゴールドドラゴンと戦ったことがあるらしい。その竜に褒められるなんて。やっぱクレリアさんって、すごく強い魔法使いなんだな。


「とはいえ、そのランクも1つ下げることになったがな」


 守護竜はぼくの方を向く。


「強いでしょ。あたしのトモアキは」


「ほう。そなたのつがい(ヽヽヽ)か」


「つ、つがい……。ま、まあ、そんなところね。う、運命を誓い合った仲だし」


 クレリアさん、どさくさに紛れて何をいってるの。

 あと、それをいうなら「運命」じゃなくて「将来」だからね。


「我に1度敗れたそなたならわかっておろう。お主たちは、私には勝てん」


 え? それはどういうこと?


 守護竜の勝利宣言とも取れる発言を前にして、クレリアさんは全く退かなかった。

 それどこか笑みを浮かべる。


「さあ、それはどうかしらね」



 パーヤ!!



 ぼくのもう1人のパートナーの名前を呼ぶ。

 その声は、快晴の空に広がった。

 すると、ピカンと何かが光る。

 ぐんぐんと近づいてくると、竜の頭上へと飛来した。


「宇宙船!」


 丸く――およそ異世界にそぐわないゴテゴテとしたデザイン。

 間違いなく、|お金を一杯取られるヤツ《ミ〇ニアム・ファ〇コン号》だ!


『ご主人様、助けに参りました』

『がう゛ぅ!』


 まさかパーヤとガヴが乗ってるの。

 いつの間に操船を覚えたんだ。


『ご主人様の操作を見てたら覚えましたわ』


 すごいなあ。

 あれって、こっちの世界の人でも動かせたんだ。


「その機体は!?」


 ゴールドドラゴンは何か驚いているようだった。

 その間にも、パーヤは反撃の態勢をとる。

 4連レーザー砲の銃座に座ると、ゴールドドラゴンに照準を向けた。


 守護竜はまだぼんやりと機体を観察している。

 よし! やるなら今だ!


『発射!』


 レーザー光線が放たれる。

 守護竜に直撃した。


 やった!

 ナイスショットだよ、パーヤ。


『きゃああああああ! やった! やったですわ!』


 船外にある拡声器から歓喜の声が漏れる。

 あんなにはしゃいでるパーヤって初めてかも。


 爆煙が竜を包んだ。

 遠宇宙にある小型艇程度なら、一撃で吹き飛ばせるほどの威力だ。

 今度こそやったはず。


 だが――。


「うそ……」


 さすがのぼくも絶句した。

 竜の影がまた動いたのだ。

 煙を払い、再び巨体をさらした。


「さすがに、今のは効いたぞ」


 その言葉通り、レーザーを受けた鱗部分がドロドロに溶けていた。

 熱を帯び、吹きだした血がそのまま蒸気となって噴出している。

 それでもゴールドドラゴンはまるで怯んでいない。

 むしろ、その金色の瞳は燃え上がる一方だった。


「くそ! ダメか!」


 悪態をついたのはクレリアさんだった。

 ぐっと奥歯を噛むと、憎々しげに守護竜を睨む。


「なかなかの攻撃だが、我は倒せぬよ」


 ギロリと睨む。

 視線の先にはパーヤとガヴが乗る宇宙船があった。


「パーヤ、そこから逃げて!!」


「で、でも!」


「いいから!!」


 パーヤは慌てて宇宙船を動かす。

 彼方へと消えて行った。


「ふん。なかなか面白いものを持っているな、勇者の部下」


「そんなことよりも、あなたは無敵なんですか、守護竜」


「無敵ね。確かに、その存在に近いわね」


 ぼくの問いに答えたのは、クレリアさんだった。


「“爆撃の魔女(エクスブローラー)”の言うとおりだ。私は無敵ではない。だが、お前たちに対しては、無敵といえる」


 ???

 え? よくわからないんだけど。


「守護竜ゴールドドラゴンを倒せるのは、この世でただ1人だけなの」


 クレリアさんの声は少し震えていた。

 やがて、絞り出すように言う。


「守護竜を倒せるのはただ1人」



 勇者だけなのよ。



 な! 勇者だけって……。

 それって、ぼくの同僚しか勝てないってこと?


「その通りだ。勇者の部下よ。お主が如何な攻撃を加えようとも、この役割が決(ヽヽヽヽヽヽ)められた(ヽヽヽヽ)ハイミルドでは、倒せないのだ」


 つまり、守護竜は勇者しか倒せないと役割で決められているってこと。

 うわ! これこそ無理ゲーじゃないか!


 ぼくは頭を抱えた。


 いや、ちょっと待てよ。


「あの~」


「なんだ?」


「最初からぼくでは倒せないってわかってるなら、なんでぼくのところに来たんですか?」


 弱いってわかってるなら、なおさら勇者(どうりょう)の口車に乗る必要がなかったじゃないか!


「む! 確かに!」


 認めちゃったよ。

 メチャクチャしっかり認めちゃったよ、この馬鹿竜。


「まあ、良い。この際、お主を血祭りにあげて、改めて勇者に挑むまでだ」


 臨戦態勢を取る。

 ちょっと! もうこっちは全然戦う気がないのに。


 どうしよう……。

 勇者しか倒せないなんて、どうやって戦えばいいんだ。


活動報告を更新しました。

そちらもよろしくお願いします。

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