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異世界最強魔法が、“復活の呪文”なんだが!? ~ぺぺぺ……で終わる?異世界スローライフ~  作者: 延野正行
第7章 鑑定スキル発見編

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第58話 やっぱり〇〇コンじゃないか!

ちょっとタイトルを変えてみました(今回のお話に関連します)

それに伴って、あらすじも大幅にリニューアルいたしました。

今後ともよろしくお願いします。

「魔導具の使い方がわかる魔法じゃと?」


 トレードマークの三角帽を被ったルーイさんは、首をひねった。

 今、ぼくがいるのは、魔導書専門店――つまりはルーイさんのお店だ。

 相変わらず、所狭しと本が置かれ、足の踏み場もない。


 一応、商品なんだから片付けぐらいしたらいいのに……。


 ちっちゃい店主は、しばらく考えた後、結論を出した。


「ふむ。心当たりはないのう」

「そうですか……」

「クレリアはなんと言っておった」


 クレリアさんは「そういうのはお姉ちゃんの方が詳しい」といって、畑に出ていってしまった。最近、魔法の探求よりも、畑仕事をする方が楽しいようだ。


「そもそもこの世界の人って、道具を使う時ってどうしてるんですか?」

「どうして、とは?」

「説明書とか読んでるのかな、と」

「そんな親切なものはない。だいたい店頭で説明してそれっきりじゃな」

「じゃあ、未知の道具とか見つけたら。えっと……。たとえば、ダンジョンで見つけたら」

「勘じゃな」

「勘!?」

「このような形状ならこんな使い方をするのでは、とか。こういう効果が現れるのでは、という――あとは経験則じゃ」


 危ないなあ。

 核のボタンとか落ちてたりしてたら、試しに押すんだろうなあ、この世界の人。

 言っていることはなんとなくわかるけどね。


 どうやらエルドラドには【鑑定スキル】といったものはないらしい。


「わかりました」

「なんだ? 金の匂いがするぞ、トモアキ」


 ロダイルさんも同じようなことを言ってたな。

 そんなにぼくってお金の匂いがする人間かな。

 試しに自分の匂いを嗅いでみたが、汗臭いだけだった。




【鑑定スキル】がなくても困るわけじゃない。

 ただ、たまには魔法使いらしいところを見せないとね。


 ぼくは久しぶりに呪文を開発しようと、宇宙船があるハンガーに来ていた。


 ガヴを連れて前のように街の外で実験を行おうと思ったのだけど、暑いので諦めた。外でやるのは、少し気温が落ち着いてからやろう。


 ハンガーの中はかなり涼しい。

 家を建てたいぐらいだ。

 若干油臭いのが難点だけど……。


 地下っていうのはあるんだろうね。

 たぶん、何かしらの空調施設が、どこかにあるに違いない。いつ来ても、同じような温度だし、間違いないだろう。

 宇宙船は精密機械の塊だから、なるべく一定温度に保って保管しているのかもしれない。


 それにここの施設はとても頑丈だ。


 何かあったとしても、地上に影響はないだろう。

 いくつか開いているハンガーの中で、ぼくは空になっている場所を見つける。

 そこに座り込むと、早速開発を始めた。


 先日、作った竿を取り出す。

 思えば、道具にぼくは魔法を使ったことがない。

 いつもぼくか、他の女の子が対象だった。

 意外な盲点だ。

 これまで試してきた呪文の中には、何か効果を現すかもしれない。


 ぼくは片っ端から呪文を唱えることにした。


「とりあえず、有名のところを使ってみよう」



 ふるいけや かわずとびこむ いけのおと ばしゃ



 ふざけているのか。

 なんて怒られるかもしれないけど、有名なパスワードの1つだ。


 これを知った時は驚いたなあ。

 ぼくがパスワード解析にはまったのも、これがきっかえだった。

 なにもおきない。

 どうやらスカのようだ。

 すでに何かの効果がかかってるかもだけど、今のぼくに確認のしようがない。


 このまま総当たりで探そう。


「あ」


 1つあることに気づく。

 レベルマ状態で探したらどうだろうか。

 あの魔法は、運もレベルマにしてしまう。

 だったら、運の力で魔法を引き当てるかもしれない。


 というか、いつも街の外ではレベルマにして呪文を試していたしね。


 思い立ったら吉日だ。

 ぼくは早速、呪文を唱える。



「ゆう○い――」


 ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ……。



 ステータスカードを確認。


 相田トモアキ

 じょぶ   まほうつかい

 れべる   99

 ちから   999

 たいりょく 999

 すばやさ  999

 ちりょく  999

 まりょく  999

 きようさ  999

 うん    999



 これでOK。

 早速、別の呪文を試してみよう。

 ぼくは少し考えてから、また定番の呪文を試してみた。



 とうきょ〇と たいと〇く こまが〇ばんだ〇の がんぐだいさんぶのほし



 唱え終わった瞬間、ぼくの目の前にコマンド画面のようなものが浮き上がった。



 なまえ さお(てせい)

 じょぶ さかなをつるどうぐ

 れべる 1

 こうげきりょく  1

 ぼうぎょりょく  1

 たいきゅうりょく 5

 めいちゅうせいど 2

 まりょくほせい  +0

 ぞくせい     なし

 うらわざ     なし



 やった!

 思わずガッツポーズを取った。


 ふむふむ。


 道具には道具用のパラメーターがあるのか。

 『じょぶ』が道具の仕様になってるみたいだ。

 後はゲームっぽい数値なんだけど、最後の「うらわざ」ってなんだろうか。

 竿には「なし」ってあるけど、もしかして特定の道具には裏技があったりするのかな。そうなると、さらに面白いことになるぞ。


 オラ、ちょっとワクワクしてきたぞ!


 詮索はおいおい調べるとして、竿をもう1度強化してみよう。

 ぼくはまた呪文を唱える。



「ほりい○う じえにつ○すど ら○くえす とだよ」



 レベル50の強化魔法を、竿にかける。

 またぼくは呪文を唱えた。



「とうきょ〇と たいと〇く こまが〇ばんだ〇の がんぐだいさんぶのほし」



 なまえ さお(てせい きょうか)

 じょぶ おもいものをつりあげる。

 レベル 50

 こうげきりょく  58

 ぼうぎょりょく  5

 たいきゅうりょく 358

 めいちゅうせいど 488

 まりょくほせい  ±0

 ぞくせい     なし

 うらわざ     なし



 おお! やっぱり上がってる。


 面白いのはレベルが上がると「じょぶ」の内容が変わってるところだな。

 重いものか、どこまで持ち上げられるんだろうか。


 川の主がざっと50キロ近くあって、割と軽く釣り上げることが出来たから、100キロは大丈夫なのかな。


 なんか手近にあるものを鑑定したくなるよね。

 何かないかな。


 魔法袋の中をごそごそとまさぐる。

 赤と白のツートンカラーが懐かしいゲーム機を取り出す。

 これだとどんな反応を示すんだろうか。

 ぼくは早速、唱えてみた。



「とうきょ〇と たいと〇く こまが〇ばんだ〇の がんぐだいさんぶのほし」



 名前 ファ〇コン(まどうぐ)

 じょぶ うらわざのしようかのうになる。

 レベル1

 こうげきりょく  0

 ぼうぎょりょく  0

 たいきゅうりょく 10

 めいちゅうせいど 0

 まりょくほせい  ±0

 ぞくせい     なし

 うらわざ     なし



 やっぱりファ〇コンじゃないか!


 同名なだけなのかな。

 仕様が違うし。

 本来はゲームをするための道具なんだけどな。

 異世界仕様というヤツなのだろうか。


 異世界でファ〇コンが魔導具扱いなんだが――なんて小説ありそう。


 グレーすぎて、通報されそうだけど……。


 こっちも属性なしか。

 てか、レベルが上がったら、仕様(じょぶ)が変わったりするのかな。

 試してみようか。

 もう1度、レベル50強化の魔法をかける。



「ほりい○う じえにつ○すど ら○くえす とだよ」



 よし。

 これでもう一度、ステータス確認。



 名前 ファ〇コン(まどうぐ)

 じょぶ ゲームがあそべる。

 レベル50

 こうげきりょく  0

 ぼうぎょりょく  0

 たいきゅうりょく 50

 めいちゅうせいど 0

 まりょくほせい  ±0

 ぞくせい     なし

 うらわざ     なし



 仕様(じょぶ)が変わってる!?


 ゲームできるの?

 マジで!


 やりたいなあ。

 大学を卒業してから、ファミコンのゲームはやってないからなあ。

 クレリアさんも喜ぶだろうし。

 パーヤとガヴともプレイしてみたい。

 なんていったって、正式名称はファ〇リーコンピューターだからね。


 そうだ。


 この前、アーケードゲームを持ち込んでいたゲーム屋のおじさんが持っていないだろうか。

 今度、相談してみようか。


ネタをセルフで拾っていくスタイル!

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『ゼロスキルの料理番』
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